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南北朝(日本)時代と漫画家・車田正美先生の作品を瞑想する部屋。

【TVA】『機動戦士ガンダム00』-刹那・F・セイエイはここにいる(1)-

2008年12月22日 19時50分47秒 | TVA GUNDAM

(刹那)「目覚めてくれ、ダブルオー・・・ここにはオーガンダムと、エクシアと、俺がいる!」(#02)

GNドライヴ×5基のマッチングテストで果々しい成果を得られず、イアン・ヴァスティが頭を掻き毟ったツインドライヴシステム。
理論どおりに設計・製造されたシステムと、理論どおりに設計・製造されたティエリア・アーデをもってしても同調率が上がらない。融合しない。なにかが足りない。
それがなぜ、刹那・F・セイエイによって起動したのか。

それは彼が0(オー)と0(オー)の中間にある重畳的領域、4次元空間の「わたし」の中心に存在するからです。「ここにいる」とは、「ど真ん中にいる」ということ。

刹那・F・セイエイ。
滅び去ったクルジス共和国の少年兵として過酷な現実を生き、オーガンダムに「機械仕掛けの神」を幻視し、「俺がガンダムだ」という存在証明を世界に突きつけた男。
彼は「俺に触れるな」というせりふとともに、0(オー)だけの世界、相対する価値と価値が衝突する眼前の世界を見つめ続けてきました。
それは自己と徹底的に対峙する行為でもあります。
そして、仲間とともに「STAND-ALONE」「TRANS-AM」のステージへ飛躍する姿には拳をぐっと握りました。ロボットアニメとしても、握るところでしょう、ぐっと。

(リジェネ)「イオリア・シュヘンベルグは第3段階までの計画を練りながら、第1段階の紛争根絶に執着していた。リボンズ・アルマークの計画か、ソレスタル・ビーイングの理念か」(#08)

第1段階にこだわったのは紛争根絶が目的ではなく、その「バカげた行い」によってCBの中に「刹那」が生まれることを予測したからではないでしょうか。
もちろん、「刹那」がソラン・イブラヒムである必要はありませんでした。彼がガンダムマイスターとなったことが計画内か計画外か、いまだに不明です。
刹那の心はさまざまな出会いを通じて揺れ動くのですが、自他を行き来する人として、生死を行き来する兵士として振幅を広げながら、だんだん00(ダブルオー)の中間で位置が安定していったのではないか、と。

彼はとにかく喋らない人ですが、おバカさんじゃないかぎり、沈黙している人は考えているものです。
彼が「静か」なのはジャイロ効果だと思うな。
地球ゴマ。
あまりにも高速で∞にスピンしているから、どこまで行って来たのか、何周してきたのか気づかれない。なにもかもすっ飛ばして結果だけを口にするからわからない。
でも、その言葉に続く「なぜならば」を待てる人なら、彼の話を聞けますよ、きっと。待てない沙慈・クロスロードは今、いっぱいいっぱいなんですね。

刹那の身に起こりつつある現象は、世界に起こりつつある現象の雛形です。

(紅  龍)「お嬢様。あなたは世界の変革よりも、戦いを求めているように見受けられます」(#02、以下同)
(王留美)「そう。戦いの果てにこそ、世界の変革があるわ」

かなり本気の留美さま。少なくとも現象としてなにが起こるのか、承知しているらしい。CBと独立治安維持部隊アロウズの激突によってさらに振動、加速する世界で。太陽光発電を応用した大出力レーザーの衛星兵器・メメントモリの建造に手を貸しておきながら、その残虐な破壊力にはちょっとビビったみたいですが・・・。

(フェルト)「トロポジカル・ディフェクト、基底状態より高位へ推移」
(イ ア ン)「(ツインドライヴの粒子同調率が)80(%)を超えれば、安定稼働領域へ入る」

脳量子波やMSパイロットとしての技量が問題ではない。大きな波に揺れても揺れても、中心へ帰還する刹那・F・セイエイ。
ダブルオーを駆って同調することで、もっと大きな「外」へ出てしまうかもしれません。究極の中心である0次元(点)の裏・・・5次元空間へ。

まず、刹那の空間的位置について仮説を立ててみました。
次に、時間的位置について。

(続く)


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