project-REN

南北朝(日本)時代と漫画家・車田正美先生の作品を瞑想する部屋。

【TVA】『機動戦士ガンダム00』-光子(photon)は崩壊するのか(1)-

2008年02月12日 13時00分39秒 | TVA GUNDAM

(ビリー・カタギリ)「現段階では特殊な粒子としか云えないよ。おそらく、あの光はフォトン(光子)の崩壊現象によるものだね」(#02)

(レイフ・エイフマン教授)「わたしの仮説どおり、ガンダムのエネルギー発生機関が《Tolopogical Defect》を利用しているならすべての辻褄が合う。ガンダムの機体数が少ないのも、200年以上もの時間を必要としたことも・・・あのエネルギー発生機関を造れる環境は木星・・・120年前にあった有人木星探査計画! あの計画がガンダムの開発にかかわっておったのか!」(#17)

Tolopogical Defect。辞書にはないな。とりあえず《Topological Defect(位相的欠陥)》の暗喩だとします。なんだそりゃ。

  • 位相(phase)
  • 閾値
  • 波動関数
  • 複素数
  • 対称性の破れ
  • Missing-link

がんがん暴れて、刹那・F・セイエイの逆鱗に触れた3機のガンダムスローネ(GNW-001,002,003)が擬似GNドライヴ[Τ(タウ)]型を内蔵し、タウオン(タウ粒子)/タウ(τ)ニュートリノの崩壊現象をネタにしているらしいので、これは間違いなく素粒子レベルの物語なんだな、物質的にも意識的にも。
ちょっとお勉強をします。
なぎらは数学、物理学を専攻したことがないバリバリの文系人間なので、素養のない頭で考えられるレベルはこのくらい、というサンプルとしてお読みください。でも、事象の因果を探る試みは大好きです。

大統一理論
自然界に存在する4つの力(重力、電磁力、強い力、弱い力)のうち、重力を除いた3つの力をひとつの理論で統一的に説明する試み。いずれ、重力も包括した“超”大統一理論の完成が待たれる。

ニュートリノ
物質を構成(※01)する最小単位である基本粒子の1種。素粒子。1930年にその存在が考え出された。
基本粒子は12に分類され、

LEPTON(6)
    第1世代:電子/電子ニュートリノ
    第2世代:ミューオン(ミュー粒子)/ミュー(μ)ニュートリノ
    第3世代:タウオン(タウ粒子)/タウ(τ)ニュートリノ

QUARK(6)
    第1世代:up/down
    第2世代:charm/strange
    第3世代:top/bottom

ニュートリノは電荷を持たない以外は電子とよく似ており、「電子の3兄弟」である電子、ミューオン、タウオンと同時に反応に与る関係からそれぞれの名をつけられた。ニュートリノの「世代」は「反応して電子、μ(ミュー)、τ(タウ)のうち、どの粒子を生成するのか」によって定められた分類。
極めて透過性の高い粒子で、物質とほとんど相互作用(衝突)することがなく観測が難しい。稀に電子や原子核と反応し、高エネルギー電子やミューオンを発生する。
宇宙は300個/1cmという密度でニュートリノが飛び交い、毎秒660億個が人体の1cmを通過している。当初は質量がないと考えられていた。
※01:(最小←)QUARK<陽子や中性子<原子核(電子が周回)<原子<分子<・・・(→最大)。

太陽ニュートリノ
太陽の核融合反応(※02)で生成されるニュートリノ。地球上では計算値の1/3しか観測できなかった(ニュートリノが足りない)ため、長い間「太陽ニュートリノ問題」とされていた。
※02:陽子(水素)と陽子(水素)が衝突して飛び出すニュートリノは電子ニュートリノのみ。

しかし、スーパーカミオカンデ(SK※03)により、

  1. 1987年2月23日、大マゼラン雲の超新星爆発によるニュートリノを観測(測定したのはSKの前身であるカミオカンデ)
  2. 1998年6月、大気ニュートリノの観測結果からニュートリノの質量(重さ)を発見
  3. 2001年6月、太陽ニュートリノの2/3がμニュートリノまたはτニュートリノに変化することを解析

が報告され、2つのニュートリノ間に質量差がある時のみ引き起こされる「ニュートリノ振動」がほぼ証明された。
※03:岐阜県飛騨市神岡町にある東京大学宇宙線研究所「神岡宇宙素粒子研究施設」の大型水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置250km離れたKEK(※04)から打ち込まれた人工ニュートリノを観測する「K2K」実験により、ニュートリノ振動を確度99%で証明した
04:大学共同利用機関法人「高エネルギー加速器研究機構」(茨城県つくば市)。

ニュートリノ振動
あるニュートリノの世代(ν1、ν2、ν3)の位相がずれ、2世代間を振動する現象。理論上、

  • 電子ニュートリノ(第1世代)⇔μニュートリノ(第2世代)
  • μニュートリノ  (第2世代)⇔τニュートリノ(第3世代)
  • 電子ニュートリノ(第1世代)⇔τニュートリノ(第3世代)

の組み合わせがあるが、ν1⇔ν3はいまだに捕えられていない。J-PARC(※05)において2009年から始まる大強度ニュートリノビームを用いた精密実験は、この最後の振動モードの探索も目的としている。
※05:KEKと日本原子力研究開発機構が共同して茨城県東海村に建設中の大強度陽子加速器施設。 

陽子(Proton)崩壊
QUARK(up×2+down×1)からなる陽子がより質量数の小さい(軽い)電子やパイ(π)中間子に崩壊する現象。陽子の寿命は無限とされていたが、現在の理論では1033~1035年と予言されている。もし、純水で満たされたSKで陽子崩壊が認められれば、「大統一理論」が実験的に検証されることになる。それは宇宙を解明する手がかりともなる。

木星
木星は「太陽になり損ねた星」と呼ばれることがあり、大気組成(水素90%,ヘリウム10%)や密度もよく似ている。自転は高速で9時間56分。
木星から張り出す強い磁気は太陽風を堰き止めており、その内側では高エネルギー粒子が光速に近いスピードで運動している。木星磁気圏はいわば自然に存在する加速器である。
木星磁気圏から太陽系空間へ放出される高エネルギー粒子の量は太陽のそれに匹敵し、核融合反応をしないただの惑星が、なぜこれほどの高エネルギー粒子を生成しているのかは明らかになっていない。

シンクロトロン(Synchrotron)
サイクロトロンでは到達できないレベルまで電子または陽子を加速させる加速器のこと。
シンクロトロン放射は、荷電粒子が光速に近いスピードで円運動をしている時に放出されるパルス状の電磁波(光)。これを観測することで、木星磁気圏における高エネルギー粒子の生成メカニズムが探査されている。
また、シンクロトロンによって加速する際に射出される光をシンクロトロン放射光(Synchrotron Radiation)と呼ぶ。

光子(photon)
ニュートリノは電荷を持たず、質量があった。フォトンは電荷も質量も持たず、崩壊寿命がない。

崩壊寿命がない。
崩壊寿命がない。
崩壊寿命がない。
カタギリが、

「あの光はプロトン(陽子)の崩壊現象によるものだね」

と云ってくれたなら、お勉強はここで終わったのに・・・。
行くよ、反粒子、対消滅、対生成の世界まで。助けて、A.アインシュタイン先生。

(続く)

参照WEBページ:
【独立行政法人 日本原子力研究開発機構(JAEA)】
【大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構(KEK)】
【KEK物質構造科学研究所 放射光科学研究施設(PF)】
【東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設】
【スーパーカミオカンデ公式ホームページ】
【日本惑星協会(TPS/J)】


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。