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南北朝(日本)時代と漫画家・車田正美先生の作品を瞑想する部屋。

【TVA】『機動戦士ガンダム00』-十字架を背負うルイス・ハレヴィ、それでも彼女は美しい(1)-

2009年01月11日 23時50分44秒 | TVA GUNDAM

えー、なぜか教会に通っていたなぎらは九九を覚えるくらいの歳に牧師の話はそっちのけ、聖書をガリガリ隠れ読んでおりました。
『出エジプト記』の激情にエロスを感じたというか。
「主」と「イスラエル(神の戦士、神は戦う、神に戦わせる)の子ら」の関係はさながら星一徹と飛雄馬、この神は契約を交わした民をシバいて試し、鍛え上げる神です。その果てに「乳と蜜の流れる地」がある、という。

どうしてヴェーダの領域がレベル1-7に区別されているのか、ぼんやりと妄想に耽っていたら「メルカバー神秘主義」にぶち当たりました。ああ、これはみだりに近づきたくないな・・・障りのない程度にお勉強です。

ユダヤ教では、神の創造世界は、地上界と天上界に大別される。天上界は7つの層の重なりと考えられ、その最上層はさらに7層の「天上の殿堂(ヘハーロート)(宮殿)」からなる。この天上の7層目の殿堂が「神の栄光の玉座」であり、この玉座に到達した者だけが、神的境地との一体化―――いわゆる「神秘的合一(ウニオ・ミスティカ)」に達することができると考えられた。

天界ないし天の宮殿の1区域を通過するごとに、その区域を支配している悪魔勢力や門番の妨害、天使の試練などを命がけで越えていかねばならず、そのためには、各区域のパスワードともいうべき「秘密の名でできた魔術的封印」や「天使の秘密の名」の知識が絶対に必要と考えられたからである。

『ユダヤ教の本 旧約聖書が告げるメシア登場の日』(学研)

イオリア・シュヘンベルグは量子論を極めた科学者であると同時に、神智論をも極めたカバリスト(神秘哲学者)だったのではないでしょうか。
その動機はただ1つ、世界を2つ(意識と物質)の「言語」で解き明かし、その定理をもって人類を変革すること。イカれ・・・いや、イカしたマッドサイエンティストだったのかも。スケールのデカいお爺ちゃん、好き。
だから、世界はガンダム(天使)によって試される、なんだな。

A.D.2312の天上界と地上界 その計画は目下のところ、リボンズ・アルマーク流に進められており、地球圏は各層に分断されてものすごい格差社会になりつつあります。
人物関係を整理するためにお絵描きしてみましたが、これはカバラとは関係ありません。
やっと、Celestial Being(天上人)なルイス・ハレヴィの話に入れます。

ハレヴィという姓、スペインの資産家という血筋から察するに、ルイスはスファラディ(スペイン系ユダヤ人)の末裔でしょう。
そうなると、彼女と刹那・F・セイエイ(ソラン・イブラヒム)は前19世紀(シュメルのウル第3王朝)頃に太祖・アブラハムから分かれた“兄弟”。
ただ、スファラディはメソポタミア地方の遊牧民(有色人種)から出たと思われるのに対して、ルイスは白人種。
中世の追放令により、彼らはイベリア半島から離散(ディアスポラ)してしまったので、マラノ(隠れユダヤ教徒)も含めて改宗したキリスト教徒、アシュケナジ(東欧・ドイツ系ユダヤ人)、ホフ・ユーデン(宮廷ユダヤ人)の子孫であることも考えられます。

2312年の世界秩序におけるルイスの立場はすこぶる高く、イノベイター(Level-7)に次いで“殿上人”(Level-6)です。
これはリボンズと1対1、もしくはそれに準ずる状況で会える王留美や、かつてのアレハンドロ・コーナーと同等、と思ったから。
地球連邦政府の大統領(だっけ)なんか、「VOICE MODE」ですよ。

1st#15『折れた翼』で、ルイスが沙慈・クロスロードにおねだりしたペアリングの価格は、

  • ¥120,000=EV(※01)1,200

経済特区・日本はユニオン(世界経済連合)の勢力なので、EVはその共通通貨でしょう。2010年以降に出現するかもしれない北米経済圏(NAU=North American Union)のそれのような。
※01:なんの略か知りませんが、「E...Value」とか身も蓋もない意味だっらどうしよう。それより、24世紀に「円」が国家通貨(National Currency)として残されていることに驚きました。

(クラウス)「太陽光システムの送電権を盾に、(地球連邦)参加国を云いなりにさせ、非参加国を見捨てようとする今の連邦のやり方は非道だ」(#02)。

(リボンズ)「あなた(ルイス)はアロウズ最大の出資者、ハレヴィ家の当主だ。ここ(経済界のパーティ)に集っている人々は統一世界による恒久和平実現のために尽力している。彼らの協力が必要なのですよ。もちろん、ガンダムを斃すためにも」(#08)

はっはぁん。

  1. 太陽光システムによって供給される電力と技術を、特定企業が専売(非自由化)
  2. 売買の決済は、EVまたはそれに替わる新しい基軸通貨
  3. 中東の各国に基軸通貨の導入(国家通貨の廃止)を迫り、エネルギーと引き換えに経済的⇒政治的支配を獲得(国家の解体)

あたりで、「集っている人々」が「化石燃料の輸出規制」と併せて連邦政府に圧力をかけていそうです。
ティエリア・アーデによると彼らは、
(連邦の権力に縋り、利権を求める屑どもが!)
なんですけど、へいこらしてても上下はきっと逆、さらに営利は投資を前提とするので、

  • 資本家(金⇒)>企業(税金および政治献金⇒)>国家>非国家

という、経済的依存度により一方的に割り当てられたどの層に入るかで個人の生存権が保障される、幸福の偏在がより進んだわけですね、2312年は。

(刹那)「変わってない・・・あの頃から、なにひとつ」(#01)

うん、全然変わっていない。
なぜなら、地上界の最下層にいる人々を除いて、世界の歪みがもたらす利潤のおかげで幸せに暮らしている「良い人」がたくさんいるから。
で、生まれながらにして地上界の「勝者=カネの生る木」(※02)としてリボンズに見込まれ、天上界へ引き上げられたっぽいルイスですが、破格の扱いの理由はそれだけではないでしょう。
※02:軍人となった当主の代わりにハレヴィ家の資産を管理、運用する代理人(エージェント)を留美が紹介してたりして。

ルイス・ハレヴィ准尉が、「第2の刹那・F・セイエイ」に見える。

(続く)

参考資料:
『旧約聖書』(日本聖書協会/1955年改訳)
『金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った』(安部芳裕/5次元文庫)
『シュメル-人類最古の文明』(小林登志子/中公新書)


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