森井教授のインターネット講座(神戸大学大学院工学研究科教授 森井昌克)

1996年から2009年3月まで朝日新聞に連載してました森井教授のインターネット講座のネット版(もどき)です。

ここ数日のコメント、謹んで拝見しております。

2006年10月10日 22時06分22秒 | Weblog
ここ数日来にお寄せ頂いたコメント、すべて目を通させていただいております。質問等に対する回答は今までのBLOGで書いた範囲を超えるものでは有りませんので、再度投稿は差し控えます。

ただ、繰り返しになりますが、「ネットも気になる」マスコミ偏重の八方美人といわれようが、御用学者といわれようが(初めて言われましたが^^;)、誰からの圧力でもなく、ましてや読売新聞社からの無言の圧力でもなく、私自身の意志で抗議は行いません。その理由は書いたとおりです。また、記者も含めて私もネット(「2ちゃん」に限定しても構いません)を否定しているわけではありません。私は学生のときから20年以上、インターネットという環境・文化に浸かっており、否定できるものではありません。ただ、潜って見ることもできるからそこそ、問題点も指摘しているのです。今回についても、一般の人(ネット側の人ではなく)にとって、ネットの誹謗中傷が言葉以上の恐ろしい集団暴力であると感じている人も多いという警鐘です。決して、ネット上の意見を誹謗中傷だとかいっているわけではありません。確かに新聞記事では、『「(両親は)身銭を切るべきだ」「子どもを利用した詐欺」という心ないもの』という表現が使われており、誤解を生んでいます。これは読売新聞社の失態と言っても良いと思います。具体的な対象は、単に「詐欺師」と書き捨てたり、「○○ちゃん、死ねば」とかだけ書いている不気味な記事をさしています。こういう雑音を雑音として捕らえられない人もいるのです。読売新聞社、少なくとも経営側ではなく、記者周辺ではネットをライバル視していても、悪い意味で敵視していません。新聞に完全な正確さを期待するのは酷です(たぶん、こう表現すると、何を言っているのか!! マスコミの責任はどうなるのか!という声が聞えそうですが、どこかの国のような統一思想国家ではないのですから、正確さというのをそれこそ誰でもが単一の意識を持つとように誘導するという意味での正確さを完全には期待できません。マスコミに対して幻影を追っているのではないでしょうか)。

「ネットの負の側面」という言葉に、過剰に反応したのですが、そろそろ「意識の集合体」である2ちゃんねる自身が、その「正の側面」を実力と実際の社会的評価を自覚してもよいのではないでしょうか。