森井教授のインターネット講座(神戸大学大学院工学研究科教授 森井昌克)

1996年から2009年3月まで朝日新聞に連載してました森井教授のインターネット講座のネット版(もどき)です。

CD-ROMによる送金詐欺

2005年11月03日 22時30分55秒 | Weblog
CD-ROMによる送金詐欺事件が起こりました。 スキミングによるカード偽造に始まって、ATM盗撮、そして今回のCD-ROM郵送によるネットバンク送金詐欺事件と、最近はハイテク(?)犯罪が目白押しです。

今になって言うのは、いささか気が引けますが、このCD-ROMを利用した方法は十分予想してました。ブログとはいえ、公の場所に書いて、それにインスパイヤされて、新たな手口を考えられると立場上、非常に辛いので書かなかっただけです。ただ、予想していた手口よりは原始的でした。起きている実際の手打ちは、ほとんどキーロガーに類するトロイの木馬を仕掛けるもので、口座番号や暗証番号を特定のサイト(ユーザ)に送ってしまうというもののようです。私が予想していた手口は、CD-ROMの助けを借りて、フィッシング詐欺を成功させる手口(ちょっと手口をぼかしています)か、もしくは特定の銀行を狙ってますから、送金先を横から乗っ取って、別の人に送金してしまう類のツールなのかな?ということでした。

次回(11月5日掲載)の朝日新聞徳島版インターネット講座では、危機管理に関して書く予定なのですが、今後も新手の銀行詐欺については、予め想定して対処しておかなくてはなりません。具体的に書くことは差し控えますが、たとえば、CD-ROMだけではなく、銀行の郵便物を詐称することは十分可能です。パソコンとカラープリンタさえあれば、容易に、しかもほとんど区別できないような銀行からの印刷物を作ることが可能です。印刷物だけでなく、カードだって作って、送ることが出来るのです。難しいことかもしれませんが、個人が自分の考えを持って、しっかりと対処する必要があるのです。それができなければ、他に頼るという方法も必要になってくるでしょう。

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