Brazil(1985)
モンティ・パイソンのテリー・ギリアム監督による「暗い近未来」物、笑えるSFファンタジー。ギリアムの名を世界に知らしめた(大げさ?)超古典的名作。この手のデストピア映画としては「未来世紀ブラジル」「1984」「時計仕掛けのオレンジ」が3大古典であります。(私の中では、です)暗いと言っても、そこはモンティ・パイソンで薄気味悪くて笑えるアニメをせっせと徹夜して手作りしていた彼ですから、コメディのカテゴリに入れてもおかしくないブラックでドライなユーモア満載。実はこの映画、昔見たときはさっぱり分かりませんでした。今見てみるとものすごく面白い訳ではないのは同じなのですが、ギリアムらしいアニメっぽいイメージのビジュアル的面白さが際立っていることに気がつきます。大友克洋を筆頭に近未来ものコミックやSFアニメのイメージに近い少々グロテスクで、ゴシック、レトロで薄汚れた近未来イメージの面白さ。特に情報管理局のテレビ電話?やダクトいっぱいの部屋など、チープでいて個性的。この視覚的面白さと、なんだか分かったような、分からないような奇妙なストーリーが、この映画をある意味アーティスティックな人々にとってのカルト映画の一つにしている訳です。
←ジル(キム・グレイスト)とレトロでゴシックな通信装置。
←公務員サム(ジョナサン・プライス)と「無許可フリーランス暖房修理人」タトル(ロバート・デ・ニーロ)。
ジョージ・オーウェルの1984っぽい、全てが管理された近未来。お役所でペーパーワークをこなす退屈な公務員サム(ジョナサン・プライス)。彼の唯一の楽しみは、空想。空想の中では彼はいつも、夢の美女を助ける羽のはえたヒーローでした。ある日、書類のタイプミスで「無許可フリーランス暖房修理人」タトルに間違えられた無実の靴修理人を助けようとして、彼は夢の美女にそっくりなジル(キム・グレイスト)に出会います。しかしジルには秘密があったのです・・・夢の女性を追いかけるサムでしたが、やること全てが裏目に出て・・・どんどん泥沼に嵌っていくのだ~(爆)。そこに絡むのが「無許可フリーランス暖房修理人」タトル(ロバート・デ・ニーロ)。ヒーターが故障して困っているサムの所にいきなり現れて「オレはこのヒーター修理に命をかけているのだ!」思いっきり変なキャラクタです。ちなみに英語圏の国でヒーターが壊れたらllegal freelance Heating Engineerを呼んでくれ、と言ってみましょう。80%以上の確率で爆笑されること請け合い。そのくらい有名な映画なのですよね。デニーロはなぜか水を得た魚のように生き生きと、この妙なキャラを演じます。まさにパイソンキャラそのもの。そういえばスーパー自転車修理人(マイケル・ペリン)のギャグがあったよね!この映画にはそのマイケル・ペリンの怪しい医者が出てきて、こいつがコワーイ。服血まみれだよ~!あと、サムのお母さん、アンチエイジングに命を掛けています。そこまでするか?!ってほどで、かなり笑えました。いつの時代も若くありたい、という欲望はなくならない訳ですね。
←マイケル・ペリンの怪しい医者。
この映画のテーマはなんだ?!管理社会を皮肉ったアンチ体制ムービーか?表向きはそうかも。夢見がちなマザコン公務員の悲劇でもあるし、夢は夢のままでとっておけ、現実とは別なのだ、という教訓ともとれます。見る人によっていろいろ解釈できる映画ですね。でも難しく考えず、ただヘンなSF映画として試しに見てみてはいかがでしょうか、未見の方は!
関係ないけどWEB制作会社に「未来検索ブラジル」って会社があったりして。しかもなかなか優秀。このネーミングセンス、恐れ入った。サイトもキッチュで素敵!検索してみて!
モンティ・パイソンのテリー・ギリアム監督による「暗い近未来」物、笑えるSFファンタジー。ギリアムの名を世界に知らしめた(大げさ?)超古典的名作。この手のデストピア映画としては「未来世紀ブラジル」「1984」「時計仕掛けのオレンジ」が3大古典であります。(私の中では、です)暗いと言っても、そこはモンティ・パイソンで薄気味悪くて笑えるアニメをせっせと徹夜して手作りしていた彼ですから、コメディのカテゴリに入れてもおかしくないブラックでドライなユーモア満載。実はこの映画、昔見たときはさっぱり分かりませんでした。今見てみるとものすごく面白い訳ではないのは同じなのですが、ギリアムらしいアニメっぽいイメージのビジュアル的面白さが際立っていることに気がつきます。大友克洋を筆頭に近未来ものコミックやSFアニメのイメージに近い少々グロテスクで、ゴシック、レトロで薄汚れた近未来イメージの面白さ。特に情報管理局のテレビ電話?やダクトいっぱいの部屋など、チープでいて個性的。この視覚的面白さと、なんだか分かったような、分からないような奇妙なストーリーが、この映画をある意味アーティスティックな人々にとってのカルト映画の一つにしている訳です。
←ジル(キム・グレイスト)とレトロでゴシックな通信装置。
←公務員サム(ジョナサン・プライス)と「無許可フリーランス暖房修理人」タトル(ロバート・デ・ニーロ)。
ジョージ・オーウェルの1984っぽい、全てが管理された近未来。お役所でペーパーワークをこなす退屈な公務員サム(ジョナサン・プライス)。彼の唯一の楽しみは、空想。空想の中では彼はいつも、夢の美女を助ける羽のはえたヒーローでした。ある日、書類のタイプミスで「無許可フリーランス暖房修理人」タトルに間違えられた無実の靴修理人を助けようとして、彼は夢の美女にそっくりなジル(キム・グレイスト)に出会います。しかしジルには秘密があったのです・・・夢の女性を追いかけるサムでしたが、やること全てが裏目に出て・・・どんどん泥沼に嵌っていくのだ~(爆)。そこに絡むのが「無許可フリーランス暖房修理人」タトル(ロバート・デ・ニーロ)。ヒーターが故障して困っているサムの所にいきなり現れて「オレはこのヒーター修理に命をかけているのだ!」思いっきり変なキャラクタです。ちなみに英語圏の国でヒーターが壊れたらllegal freelance Heating Engineerを呼んでくれ、と言ってみましょう。80%以上の確率で爆笑されること請け合い。そのくらい有名な映画なのですよね。デニーロはなぜか水を得た魚のように生き生きと、この妙なキャラを演じます。まさにパイソンキャラそのもの。そういえばスーパー自転車修理人(マイケル・ペリン)のギャグがあったよね!この映画にはそのマイケル・ペリンの怪しい医者が出てきて、こいつがコワーイ。服血まみれだよ~!あと、サムのお母さん、アンチエイジングに命を掛けています。そこまでするか?!ってほどで、かなり笑えました。いつの時代も若くありたい、という欲望はなくならない訳ですね。
←マイケル・ペリンの怪しい医者。
この映画のテーマはなんだ?!管理社会を皮肉ったアンチ体制ムービーか?表向きはそうかも。夢見がちなマザコン公務員の悲劇でもあるし、夢は夢のままでとっておけ、現実とは別なのだ、という教訓ともとれます。見る人によっていろいろ解釈できる映画ですね。でも難しく考えず、ただヘンなSF映画として試しに見てみてはいかがでしょうか、未見の方は!
関係ないけどWEB制作会社に「未来検索ブラジル」って会社があったりして。しかもなかなか優秀。このネーミングセンス、恐れ入った。サイトもキッチュで素敵!検索してみて!
まだ見ていないのですね!ぜひ見ましょう、変な映画ですから。ギリアムの最高作という人もいますが・・・私は「フイッシャーキング」や「12モンキース」のほうが好きです。
そのお友達と私の感覚は近いのでしょうか。この3つは、似ていないようで似ている、かも。「未来世紀ブラジル」は、かなり笑えますが。
私の友達と全く同じレコメントです(笑)びっくりしました。昨日のことこの話してたんですよ。
私、まだこの作品みてないんですよねえ。
観てからまたコメントしにきますねっ。
今日寒いですよぅ。
確かに後味ちょっと悪いですね、途中は奇妙で不思議な一種コメディなんですが。
ちょっとかわいそうでしたね。私は最初見たときより最近見たときのほうが楽しめました。
というか最初見たとき、なんじゃいこりゃ?って感じで・・・
私も年をとってギリアムの気持ち悪可愛い不条理世界が許せるようになったのか・・・
おっさん(デニーロ)活躍してますよね。出番は少ないのですが。
>多分観ないだろうな・・・、よっぽどのことがない限り(笑)。
まあTVでやったらまた、ぜひ。
ワタシこれ20年くらい前に観たんだけど、さっぱりワケわかんなかったのよね。
ただ「気持ちワルい」っていうか、観終わった後味がとっても悪かったのだけ覚えている。
勿論デニーロも覚えていて「このおっさんはこんなとこまで出てるか~!」って、そこだけはなんとなくおかしかったな。
今観たらまた違った感覚で観れるかもなあとは思うけど、多分観ないだろうな・・・、よっぽどのことがない限り(笑)。
ヘッダのこと言ってくれて嬉しいです(涙)
>国家権力に立ち向かう反体制グループのリーダーか何かですか?
おお近い?最近カテゴリ独立させるほど気にいっているマイ・ケミカル・ロマンスですよ~(武道館公演決定記念ヘッダーです)
ハードロック系パンクです。今月ロッキン・オンの表紙ですから(自慢)。どうも私は「ポップ・パンク」とか「エモ」と呼ばれるジャンルのパンクが好きみたいですね。武道館公演にもいってきます。ガンズも楽しみだなぁぁ
レス遅れてすみません1
LDもってらっしゃるとは!私の友人もパイソンの映画LDを買い込んでいて、まだ私がパイソンファンじゃないころによく無理矢理見せられましたよ!10年以上前かなあ。LDって今でも見られるのでしょうか?
あの鎧の侍、悪夢だけあって怖いです。このポスターにも真ん中にいますよ、よく見ると。このポスター、私も今回初めて見たのですが、モノクロでヒーローが翼を広げて飛んでいるポスターのほうが有名ですね。こっちは頭爆発しています。
お互いヒーター修理人ファンですね!
誰ですかその人!マイク握って!えらく気合い入った服着てますねぇ。
国家権力に立ち向かう反体制グループのリーダーか何かですか?
「Vフォー・ヴェンデッタ」のパンク精神ですね?
がんばれよ!
これはまた凄い画像ですね!はじめて見ました。
私はテリー・ギリアムの世界に入り込んだのは、この作品がきっかけで、今でもLDを持っています。
レトロでゴシックな通信機械、そして縦横無尽に走るパイプなども独特な世界観を醸し出していましたね。
好きだったのが翼を持つ騎士と侍とのバトルでしたが、やっぱり管理社会の体制の怖さがぞくぞくさせられ、しかもなんとも悲劇的なラストで、幻想を打ち砕かれるような思いでした。
サムにとってはよかったのかもしれませんが、観ている方はもねぇ。
こちらからもトラックバックさせていただきました。
追伸:ロバート・デ・ニーロがいい味出していました。(^^)/