毛唐もすなるブログといふものを

日本男児もしてみむとてするなり

パリ原則とやらを読んでみた3

2005-05-17 00:00:00 | 人権擁護法案
国内機構の地位に関する原則(パリ原則) 《外務省HP》

パリ原則英文版《国連人権高等弁務官事務所HP》

【活動の方法】
国内機構は,その活動の枠組みの中で,
(a)  政府からの付託か,上位機関に対する照会なしに自ら取り上げたかにかかわらず,構成メンバー又は申立人の申出により,その権限内の問題を自由に検討する。
(b)  権限の範囲内の情況を評価するのに必要であれば,いかなる者からも聴取し,いかなる情報や文書をも入手する。
(c)  特に,機構の意見及び勧告を公表するため,直接又は報道機関を通じて,世論に働きかける。
(d)  定期的に,また必要な場合はいつでも,正式な招集手続を経た上,すべてのメンバーの出席の下に会合を開く。
(e)  必要に応じてメンバーによるワーキンググループを設置し,機構の機能の履行を補助するために,地方又は地域事務所を設ける
(f)  管轄を有するか否かにかかわらず,人権の促進及び擁護の責務を有する組織(特にオンブズマン,調停人及び同種の機構)との協議を継続する。
(g)  国内機構の活動の拡充において非政府組織が果たす基本的な役割を考慮して,人権の促進及び擁護,経済的,社会的な発展,人種差別主義との闘い,被害を受けやすい集団(特に子ども,移住労働者,難民,身体的・精神的障害者)の擁護並びに専門分野に取り組んでいるNGOとの関係を発展させる。

※この章は冒頭に「その活動の枠組みの中で」という留保がついており、そこが重要です。「国内機構の活動の枠組み」とは、すなわち「議会・政府等に対して勧告する」ということだからです。それを忘れてここの条項を読むとえらいことになります。
※本章で問題となる条項は(b)と(g)です。(b)は「人権委員会」に強制権限を付与する根拠となります。また(g)は前述した亀井郁夫議員の危惧そのままの条文です。
※(b)の意味するところは、「人権委員会」が情報等を入手する場合、その対象を制限せず、またその際、他の国家機関(特に政府)の干渉を受けないということです。そして、その対象はまず国家機関の保有する文書ということになるはずです。なぜなら、あくまで「議会・政府に勧告する」という人権委員会の職責のため認められる権能だからです。
※(d)は「関係を発展させる」とありますが、これはいかにもまずい。額面通りに受け止めれば至極もっともなのですが、亀井郁夫議員の報告にあるような我が国固有の状況が、現在はそれを許しません。(続く)

コメントを投稿