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パリ原則とやらを読んでみた2

2005-05-16 00:34:58 | 人権擁護法案
国内機構の地位に関する原則(パリ原則) 《外務省HP》

パリ原則英文版《国連人権高等弁務官事務所》

昨日に引き続き、パリ原則の条文を読んでいこうとおもいます。

【権限及び責務】
3  国内機構は,特に,次の責務を有するものとする。
《(a) 先日検討したので略》
(b)  当該国家が締約国となっている国際人権条約と国内の法律,規則及び実務との調和並びに条約の効果的な実施を促進し確保すること。
(c)  上述の条約の批准又は承認を促し,その実施を確保すること。
(d)  国が条約上の義務に従って,国連の機関や委員会,又は地域機構に提出を求められている報告書に貢献すること。必要な場合には,機構の独立性にしかるべき注意を払いながらもその問題について意見を表明すること。
(e)  国連及び他の国連機構の組織並びに人権の促進及び擁護の分野において権限を有する地域機構及び他国の国内機構と協力すること。
(f)  人権の教育や研究のためのプログラムの策定を援助し,学校,大学及び職業集団におけるそれらの実施に参加すること。
(g)  特に情報提供と教育を通じ,そしてすべての報道機関を活用することによって,国民の認識を高め,人権とあらゆる形態の差別,特に人種差別と闘う努力とを宣伝すること。


※3(b)ないし(c)は、やはり国内の機関に対して勧告等を行うということで、3(a)と同趣旨です。
※3(d)は、国連機関等に対して報告書を提出することを「人権委員会」の職責として掲げています。つまり、政府から独立して国連機関等に対して報告書を作成できるということです。ただ、第二文に「必要な場合、……意見を表明すること」とありますから、原則として当該国の人権状況についての報告のみが「国内機構」の職責であり、例外的に意見表明ができるというふうに読むべきでしょう。そのことは、意見表明に「機構の独立性にしかるべき注意を払いながらも」という留保がついていることからもうかがえます。つまり、「国内機構」の第一の職責はあくまで国内の政治プロセスに働きかけることであり、国外に対して意見表明することで議会・政府等と無用な緊張関係を生じることを避けよということです。
※3(e)ないし(f)は、国連機関等と連携したり、教育プログラムを企画・推進するという当然のことを掲げています。もっとも我が国では「教育プログラム」が現場の悲劇を生んだ(亀井郁夫参議院議員)という報告があり、この条項は慎重に扱わねばならないと考えます。
※3(g)も翻訳調で読みにくい条文です。文章の骨格は、「情報提供と教育を通じ,……人権とあらゆる形態の差別と闘う努力とを宣伝すること」です。つまり、「人権」と「差別と戦う努力」を「宣伝すること」が「人権委員会」の職責だというのです。これも一見結構なことですが、前項と同様、「情報提供」及び「教育」については細心の注意が必要と考えます。


【構成並びに独立性及び多様性の保障】
1  国内機構の構成とそのメンバーの任命は,選挙によると否とにかかわらず,人権の促進及び擁護にかかわる(市民社会の)社会的諸勢力からの多元的な代表を確保するために必要な担保をすべて備えた手続に従った方法でなされなければならない。特に,それは,次に掲げるものの代表者との間に効果的な協力関係を築くことを可能にする社会的勢力によって,又は次に掲げるものの代表者を参加させて,行われなければならない。
(a)  人権と人種差別と闘う努力とを責務とするNGO,労働組合,例えば弁護士会,医師会,ジャーナリスト協会,学術会議のような関係社会組織や専門家組織
(b)  哲学又は宗教思想の潮流
(c)  大学及び資格を有する専門家
(d)  議会
(e)  政府の省庁(これが含まれる場合, その代表は助言者の資格においてのみ審議に参加すべきである。)
2  国内機構は,活動の円滑な運営にふさわしい基盤,特に十分な財政的基盤を持つものとする。この財政基盤の目的は,国内機構が政府から独立し, その独立に影響を及ぼすような財政的コントロールに服することのないように,国内機構が独自の職員と事務所を持つことを可能にすることである。
3  機構のメンバーに対して実際の独立性に不可欠な安定した権限を保障するため,メンバーの任命は,一定の任期を定めた公的行為によりなされるものとする。機構のメンバーの多様性が確保されているならば,任期は更新することができる。

※この章は「人権委員会」の構成員についてです。普通の国なら問題ない条項ですが、我が国では少々どころか大いに問題です。たとえば1(a)に掲げられた団体など、我が国では軒並みサヨクです。しかも健全なサヨクではなく、税金に寄生しつつ国家解体を目論むサヨクだから始末に負えません。こういう我が国固有の事情を斟酌しないと、連中に強力な武器をあたえることとなります。また、1(b)も危険です。巨大カルトを抱える国はあまりないでしょうから。これも我が国固有の特殊な問題
です。
※2、3についてはとりたてて問題はありません。(続く)

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