copyright (c)ち ふ
「天トレ、温泉に入って、その匂い取りなよ。
ギロ板、君もだ。生臭いよ」
「ゴキオーラ、お前も行くかい?」
「悪いけど、温泉にでも入って、美女のお酌で酒を飲むよ」
「おい、奥さんのゴキOさんに言いつけるぞ!」
「ドッさん、それだけは堪忍して!」
「お前、3.5億歳にもなって、嫁さん恐いのかい?」
「恐い、恐い。そりゃ、もう・・・」
良ヒネは、苦々しい顔つきをしている。
せっかくあんなに憧れていた地獄に入れたのに、
ほんの数分しか見られなくて、おまけに、
目までふさがれてしまった。
地獄図に、執念を燃やし続けている、
自称芸術家だから、仕方ないだろう。
私は、温泉は嫌いだし、酒も好きではない。
食べ物も、最近では、少し金を出せば、
何でも食べられるので、これを食べたいと
いうものも無い。
それに、地獄で無理に飲まされた酒が、
まだ少し、残っているようだ。
美女と縁を持ちたいとも思わない。
Oさんや、サヤカやチーコちゃんを超える女が、
この3,000世界にいるとは、とうてい思われない。
私の中では、3人が一つの流れを持つ女性として、
トータル的に存在しているのだ。
Oさんグループとでも、呼べばいいのだろうか?
単に、顔が綺麗なだけの女性なら、
地上にも、掃いて捨て去るほどいる。
単に、スタイルがいい女にしたって、同じ事だ。
けれども、そんなものは何100、
何1,000寄せ集めたところで、
単なる美女の固まりにすぎない。
心の無いマネキンの固まりと呼ぶ方が、
似合っているかもしれない。
そう考えてみると、天国の美女にしたって、
同じ事だろうと思う。
つづく