ぴてのひとりごと

法務や福岡ソフトバンクホークスの話題など、徒然なるままに書き込んでいるブログです。

株式買取請求権

2005-07-23 22:40:31 | 法務
 立法担当官の書いた会社法の解説書「一問一答 新・会社法」(こちら)、アマゾンではすでに売切れのようです。

 この「一問一答 新・会社法」のP222に次のような記述があります。
 現行法では、株式買取請求権行使後の請求の取下げについては特に制限がなく、近時、一部に株式買取請求権の濫用、たとえば、とりあえず株式買取請求権を行使し、その後の株価の動向等を見ながら、市場で売却した方が裁判所が決定する価格より有利と判断した場合には、請求を取り下げて市場で売却するなど、投機的に株式買取請求権を行使するような事案が認められるとの指摘がされている。
 そこで、会社法では、株式買取請求権行使後の請求の取下げについては、当該株式会社の同意を要するものとしている。
 個人的な感想に過ぎませんが、確かに株式買取請求権をうまく使おうという動きは見られるような気はします。投資家サイドから見れば、少なくとも適時開示直前の株価での買取りは保証されているわけですから、一種のプットオプションが無償で交付されたことと変らないわけで、これを使わない手はないということでしょうね。

 個人的にもうひとつ考えているのは、株式買取請求権行使に際してはボリュームディスカウントを考慮されないということに投資家サイドが着目しているのではないかということです。つまり、市場では売り切れないand/or市場で売ると値崩れを起こしてしまうほどの量であっても、なんらディスカウントを考慮せずに確定価格で売却できる可能性があります。