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ある男が瀬戸物屋の店へ行き、壷を買おうと値段を聞いたら、大が四百文、小が二百文という。
「それならば、二百文の方にいたそう」
と、銭を渡して帰って行った。ところが程なく戻って来て、
「四百文の壷と替えて下され」と言う。
壺屋の亭主が疵などを改めていると、男が、
「さて、最前、銭二百文を渡しただろう」
と言うので、亭主が、
「受け取りました」
と言えば、男は、
「今また、二百文の壷を渡しただろう」
と念を押す。亭主が、
「いかにも」
と応じれば、男は、
「それで都合四百文、お代は渡しましたよ」
と言って、壷を担いで帰って行った。
後で亭主が、計算は合うのだが、銭が足らぬと思案する所へ、隣の者が来て、
「ご亭主、どこか悪いのか。顔もちが優れぬようだが」
と言えば、亭主、頭を振って、
「壺の中へ頭を突っ込んだような心持ちだ」
<蛇足>落語「壺算」の原話。最後の部分は別のオチもある。
混乱した亭主が「もう、この壺を持って、帰ってくれ」と言うと、客が「それがこっちの思う壺や」
ある男が瀬戸物屋の店へ行き、壷を買おうと値段を聞いたら、大が四百文、小が二百文という。
「それならば、二百文の方にいたそう」
と、銭を渡して帰って行った。ところが程なく戻って来て、
「四百文の壷と替えて下され」と言う。
壺屋の亭主が疵などを改めていると、男が、
「さて、最前、銭二百文を渡しただろう」
と言うので、亭主が、
「受け取りました」
と言えば、男は、
「今また、二百文の壷を渡しただろう」
と念を押す。亭主が、
「いかにも」
と応じれば、男は、
「それで都合四百文、お代は渡しましたよ」
と言って、壷を担いで帰って行った。
後で亭主が、計算は合うのだが、銭が足らぬと思案する所へ、隣の者が来て、
「ご亭主、どこか悪いのか。顔もちが優れぬようだが」
と言えば、亭主、頭を振って、
「壺の中へ頭を突っ込んだような心持ちだ」
<蛇足>落語「壺算」の原話。最後の部分は別のオチもある。
混乱した亭主が「もう、この壺を持って、帰ってくれ」と言うと、客が「それがこっちの思う壺や」