文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2019年イギリス・ベルギー映画『アーニャは、きっと来る』

2020年12月03日 | 映画
 12/1(火)、千葉劇場にて。マイケル・モーパーコ原作。監督は、ベン・クックソン。原題は、『Waiting for Anya』。言語は、英語。





 1942年、ピレネー山脈を越えればスペインというフランスの南部の農村。パリなど、北部はすでにドイツ軍の占領下にあったが、南部は未だ平和な日常が保たれていた。そんな村に、国境を越えてスペインに逃れようとするユダヤ人が密かに身を隠している。やがて、そんな片田舎にもドイツ軍が進駐してきて、国境のパトロールを始める。羊飼いの少年ジョーは、何とかしてユダヤ人達に国境を超えさせようとするが・・・。

 わたしは知らなかったが、マイケル・モーパーコという人はイギリスの児童文学を代表する作家の一人という。本作の基になった本は、1990年にイギリスで出版されている。その為か、舞台が南仏にもかかわらずフランス人もドイツ人も話しているのが皆流暢な英語。なので、本来異なる言語を持つ人々なのに、コミュニケーションをとることには何の不自由もしていない、ということになってしまっている。その点では、違和感を禁じ得ない作品だった。が、様々な立場と、そこで苦しむ人々を良く描いており、全体にまとまった作品ではあった。

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