フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

横顔

2005年11月05日 15時16分30秒 | 第6章 恋愛聖夜編~ハルナの章~
あれは、私達家族が引っ越す2、3日前だった。
かずにぃの家でお別れパーティを開いた時のことだ。

かずにぃは大泣きしながら、
「おばさん!引っ越さないで!!ハルナ!行くなよ!!」
と、私を抱きしめて離さなかった。

・・・あ、あれ??かずにぃ、なんかパパ臭い匂いがする・・・

それから数秒後。
パーンと言う音と共に私達の体が揺れた。

「こら!!!カズ!!!まーーったく、お前って子は!!
小学生のくせにビールなんか飲んで!!!」
「痛ってーーー!!頭がオヤジみたいに禿げたらどーすんだよ!!
男はなぁ!つらい時は黙って酒を飲むんだ!!」

(かずにぃ・・・それ、酔った時のおじさんのセリフと一緒だから・・・)


かずにぃは、叩かれた後頭部を押さえながらおばさんに反論してた・・・。
それからかずにぃは暫く思い詰めた顔で私を抱きしめた。

「もっと、優しくしてやれば良かったな。ごめんなぁ~」
そう言うと、そっと私にキスをして、周りの大人達(と、私)を驚かせた。
その直後、バターンと倒れて爆睡したから本人は覚えてないと思うけど・・・。



今、ソファに座り込んでいるかずにぃに当時の面影が重なった。
いつも強引だったかずにぃ・・・。
自信満々で一点の迷いもなく私の手を引っ張って常に前を向いて歩いていたかずにぃ・・・。



もしもあの時、・・・2年前に、私が勇気を出して告白していたら、私達は今付き合っていたかもしれない。
タイミングが悪い・・・
そうなのかもしれない。

身じろぎ一つしない・・・。
今、一体、何を考えているの?

私はただ、かずにぃのつらそうな横顔を見ているしか出来なかった。





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