フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

断ち切れない想い

2005年11月06日 08時02分36秒 | 第6章 恋愛聖夜編~ハルナの章~
沙代子のお姉さんと私は喫茶店に入った。

「私はアイスコーヒー。ハルナちゃんはジュースでいい?」


暫くして、ウェイターが私たちの飲み物を持ってきた。
「ハルナちゃん、あのね。私、さっき、片岡君に告白しちゃった」
沙代子のお姉さんは嬉しそうに私の顔をじっと見つめながら言った。
「え・・・・・・?!」
私の飲んでいたジュースの氷がカランと音を立てて、崩れた。


「そしたら、片岡君、『いいよ』って・・・。でね、片岡君、すんごく優しくて、それで・・・」
私は段々気持ちが悪くなってきた。

「・・・優しく、抱きしめてくれて、・・・そのまま、私達・・・・・・」

ガタン

私はもうそれ以上聞いていることが出来なくて、席を立った。

「彼、ベッドでも私の髪をずっと撫でてくれて。優しかった・・・・・・片岡君」
彼女は自慢の長い髪にそぉっと手を通しながら、嬉しそうな顔で微笑んだ。
「ご、ごめんなさい。私・・・、用事を思い出して・・・だから・・・」
それだけをやっと言うのが精一杯だった。

ジュース代をテーブルに置くと零れ落ちそうになる涙を堪えて、急いでその場を去った。

私は泣きながら走った。




私は2年前のその時、かずにぃへの思いを断ち切ったはずなのに・・・・・・。

ソファで苦渋に満ちたかずにぃの横顔を見ながら、涙が頬を伝っていた。

「ハルナ?!」
かずにぃは私の様子に気が付き、ソファから立ち上がると私の涙を手で拭った。


にほんブログ村 ポータルブログへ

にほんブログ村 小説ポエムブログへ
人気blogランキングへ

忍者TOOLS

最新の画像もっと見る