フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

疑問

2005年11月23日 02時04分58秒 | 第8章 恋愛鼓動編
「トール。本当にお前は見れば見るほどアリシアに本当に良く似ている・・・」
キンケイドは僕の目を通してその先にいるアリシアに向かって話しているようだった。
「だから、初めてお前を見た時、オレは心臓が止るかと思った。
そして、次の瞬間、思ったんだ。つまり・・・」
キンケイドのこの言葉を聞いて、今まで抱いていた疑問を僕は口に出そうとしていた。

僕は、アリシアの・・・・・。


キンケイドは僕から目を逸らすと、小枝をパキパキと神経質に音を立てて折りながら話を続けた。
「馬鹿だな・・・。そんなはずはないのに」
キンケイドは手の甲を口に当て、くっくっと笑いを噛み殺した。
「そんなはずはない。ありえない」

僕はキンケイドの持って回った話し方に段々苛立ちを覚えていた。

「あの日の喧嘩を最後にオレ達は会うことはなかった。
いや、正確には1度だけ会ったんだ・・・ったな」
「なぜ会わなかったんですか?」
「オレは、NYに家族共々引っ越しちまったし、ジョージはその後、軍隊に入ったと聞いた。
アリシアは・・・・その後どうしたのか、実は詳しくは知らないんだ」
「知らない・・・って、じゃぁ、アリシアが今どうしているか知らないんですね」
僕は、このアリシアと言う女性に関心を抱かずにはいられなかった。

「いや、知ってるよ」
キンケイドは僕の方を向きながら答えた。
「どこにいるんですか?」
「・・・・・・死んだよ」
「え?!」
「15年前にな。お前が生まれる3、4年も前の話さ。
オレとジョージはその時、最後に会ったんだ。アリシアの葬式でな」


にほんブログ村 ポータルブログへ

にほんブログ村 小説ポエムブログへ
人気blogランキングへ

忍者TOOLS

最新の画像もっと見る