木曜日は、カミサンはコーラスで、午後も用事があるという。
私は明後日の、銚子の撮影旅行に備えて、
むさくるしい髪を切って体を清めて臨もうかと、西所沢の床屋に午後3時の予約を入れた。
「すぐに行かないの?」。 こんな日はカミサンの留守に一仕事(遊び)して行くのがよろしい。
なんて考えていたが、送り出した後BS3を見たのがいけなかった。
夫婦のロッククライマーが、グリーンランドの1300mの岩壁に挑むドキュメントをやっていてそれに見入ってしまった。
山野井夫妻は名の知れたロッククライマーだそうです。
ヒマラヤ登山で雪崩と凍傷に会い、お二人とも手足の指のほとんどを失っています。
奥さんの両手は、指の第二関節から先がありません。
指先に命をかけるロッククライミング。 ふつうはその時点であきらめるのでしょうが、お二人はさにあらず。
ついに登頂をやってのけました。
これを見て、百名山を見て・・。 以前もこんなことがあったな。 午前中は瞬く間に終わった。 外は夏の様な日ざしです。
”三時の予約の床屋に駅へ向かう”
先日、峠に車を止め林道を歩いた時、帰りにカミサンが旧登山道を帰ろうと言い出した。
林道を帰るより距離は2倍近くはありそうだ。 それよりも林道からずっと上って切り通しの峠道へすとんと下りる高低差のある道だ。
エッ、と思ったが体力は自己責任なのでその道を帰りました。
ところがその道が林道を見下ろす崖の上に出たのです。
さっき下を来た時、ビルの4~5階に相当する崖は、崩れ防止の碁盤の目の様なコンクリートが打ってあってその上はオーバーハングのように黒土が見えていた。
5、60cm幅の道が崖ギリギリに通っている。 細い草が優しそうに縁を覆ってわずかに崖縁側に傾斜している。 私は体から汗が吹き出し固まってしまった。
カミサンはひょいひょいと先へ行く。 「どこで終わっているの」。「ここまで」。20mほど先でカミサンが立ち止まる。
私は道からさらに道一本分山側に入り、片手でブッシュをつかみながらようやく難所を通り抜けた。 カミサンはにこやかに見ている。 私は内心怒り心頭だ。
会話がぶっきらぼうで不機嫌になる私に、「この道来たからコルリの声が聞けたじゃない」。 それとは別問題だ!。
話を戻しましょう。ロッククライミングの山野井夫妻は、身の危険を感じるような状況に立ち向かう時、わくわく感と充実感があると言う。
分からないが、分かろうと思った。頂上を極めた時、見る風景の見え方が違うのだと思った。
私は生きているということを風景を見ながら体感していると受け止めた。
今日はさらに、80歳の三浦雄一郎氏のエベレスト登頂成功のニュース。
古希の私はせめて、初富士登頂でもしようかとひそかに思った。