八幡浜方面からよく整備された道で、伊方町に乗り入れます。ここがこの全長50キロの半島の付け根です。
伊方町の公共施設は原発マネーで立派ですが、町は死んでいて昼飯を食べるところも町の中にはありません(街道沿いに一軒)。
町の反対側に、山に隠れるようにして原発が立っていて、道から見えないので存在を意識させませんが、ビジターセンターの展望台に登るとようやく建屋の一部を遠望することができます。再稼働に向けて休日返上で忙しく働いていました。
その先が、原発事故が起きたら5000人が取り残される絶望の半島です。尾根伝いの道を進みます。
ところどころに巨大な風力発電の風車が立っています。原発止めてこれだけにしても、この半島の電力は十分まかなえるでしょう。
また、予算を使うためだけのアホみたいな展望台もいくつかあり、伊方町出身で青色発光ダイオード発明者の中村教授の記念碑なども建っていたりします。
こういう建築に原発マネーが費消されることと引き替えに、住民が命を危険にさらさなきゃいけないというのは、愚民政策というか、なんというのか形容しがたい愚劣さを感じます。
道を走っていると延々と両側の視界に海が見えるというのも、佐田岬ならではの景観でしょう。
「灯台」という表示を目印にひたすら走り続けます。先端に近い三崎港には高校があります。
半島の先端12キロほどは道が悪くなり、とくに7キロほどは車一台通るのがやっとで、離合のむつかしい細道です。
道の終点に駐車場があります。ここから1.5キロ先の燈台まで、国立公園として道が整備されています。アップダウンの激しい道を歩いて20分ほどで灯台に着きます。
燈台の先に見えるのは、豊後水道と九州です。
江戸時代、宇和島藩は参勤交代の時に海路でこの半島を回っていましたが、海流が急なので「伊達の殿様 お鼻が怖い」と言われていました。
いまでは関サバ、関アジのいい漁場になっています。
伊方原発が爆発したら、汚染水タンクを置く場所がないので、汚染水は垂れ流しにする以外なく、瀬戸内海は全滅でしょうね。
原発って、そこまでして動かすものなんですかね。