浴槽の防汚クリアーコーティングについての施工要領をご紹介します。
浴槽の種類により施工方法は変わります。
(1)FRP製 ;
洗浄⇒下地サンディング⇒防汚クリアーコーティング
(2)人造大理石、ホーロー、ステンレス等 ;
洗浄⇒下地サンディング⇒プライマー塗布⇒サンディング⇒防汚クリアーコーティング
以上が基本工程になります。
今回は、FRP製の浴槽について解説します。
止水栓、シャワーなどの付属の器具類は取り外し、
蛇口から水が出ないように閉栓するなどの処置をしておきます。
施工中に器具が邪魔になったり、水が流れてこないように準備しておきます。
②下地処理
汚れが目立っているようならば、専用の洗剤で洗浄しておきます。
見た目に色ムラ、汚れムラが無い様に注意を払います。
浴槽の汚れムラが整えば、サンディングします。
サンディングにより汚れが取れることもあります。
耐水ペーパー #300程度を使い、あらまし全体をサンディングします。
手触り良くなる様に、力を入れすぎないように研磨します。
汚れ取りを先におこなうか、サンディングを先におこなうかは、その場の状況(汚れ方)によります。
通常は、サンディングを先におこなうことが多いです。
引き続き、サンディングをおこないます。
耐水ペーパー #600~800程度を使用して、仕上げします。
手触りが滑らかになるように細部にまで注意を払います。
FRP製品の場合、型に塗装しているものもあります。
コーナー部分を削りすぎると下地が出てくる場合があるので注意してください!!!
耐水ペーパーによる水研ぎのコツは、ソフトに力を入れすぎないようにして、少しずつ研磨するようにしましょう。
力を入れなくても回転良く研磨するとキレイに研磨できます。
最後に、清水で洗い、水分はキレイに拭き取っておきます。
水分が残った状態では、仕上げクリアーコーティングが出来ません。
また、結露や水分が表面に残ると、コーティング後の乾燥時間が長くなってしまい硬化不良を
起こすことがあります!!!
水分が残らないようにドライヤーをあてて、アルコールで拭き取ることをお勧めします。
防汚クリアー 500cc缶入り
密閉保存すれば6ヶ月程度は使用可能です。
【 開封の仕方 】
栓を開け、中蓋を取らずにドライバーなどで穴を開けます。
中蓋を取ってしまうと注ぎ口付近が変形しやすくなり、蓋が閉め難くなります。
空気が入ると中身が固まってしまいます。 注意しましょう。
中蓋はアルミ製なので簡単に穴あけできます。
④コーティングの準備
浴槽以外の部分は、紙テープを使い養生します。
専用パッドを使えば飛散することはほぼありません。
床部分(洗い場)については養生の必要がありますね。
新しいパッドを使う場合は、事前に毛玉を取り除く必要があります。
ガムテープなどを使ったり、洗濯したりしておきます。
コーティング後、埃が残り、ざらつき、手触りが悪くなることがあります。
専用パッドが入る程度の大きさのプラスチックケースを用意します。
上記写真は、100円均一で販売している容器です。
専用パッドのサイズは、 90×150 です。
浴槽1箇所あたりの使用量は200cc程度なので、少しずつ入れるようにしましょう。
作業はビニル手袋を使いましょう。
軍手では染み込んでしまい作業し難くなります。
溶剤はありません。 シンナーで拭いても取れません!!!
⑤コーティング作業
まずは、換気に注意しましょう。 独特の溶剤臭がします!!!
くれぐれも換気を怠らないようにしてください。
光触媒型の溶剤・ガス分解装置(小型、100V)もありますので、必要ならばリースします。
容器に注いだコート剤をパッドに染み込ませます。
このときパッドから材料が垂れない程度が適量です。
多すぎるとコートムラをつくります。
全体に染み込ませるようにします。
一番遠い部分からコーティングします。
加圧しすぎないように、パッドを滑らすように、均一にコートします。
力を入れすぎるとコートムラになります。
また、コート剤の厚みにムラがあると、しばらくしてから垂れてくることがあります。
コーティング後 しばらくしてから再度確認が必要です!!!
少なすぎると光沢ムラになり、多すぎると垂れてくるので、キレイに仕上がる感覚をつかみましょう。
また、パッドが入り難い場所は、緑のハンドルからパッドを取り外してコートすると塗りこめます。
目地用刷毛で事前にコーティングしてもかまいません。
但し、あまり塗り拡げずに必要最小限にしておきましょう。
あとで塗りムラになることがあります。
作業時間があれば、薄く2回塗ることをお勧めします。
通常は硬化乾燥までは、 約4時間です。
安全を見て 6時間の養生期間が取れるようにスケジュールしてください。
ここで浴槽のコート手順を解説します。 一般的にやる場合です。
多少の埃は残っていると考えて、コーティング作業をおこないます。
パッドで埃を取り除きながらコーティングするイメージで作業しましょう。
一番奥側の壁、天端をコートします。
縦・横とつなぎ、最後に同一方向に少し加圧しながら埃を集めるようにコートします。
この場合なら、右側に終点をおきます。
↓
引き続き、
右側の壁、天端をコートします。
先ほどの①番で集めた埃を意識しながら、手前側に埃を集めるように、
少し加圧しながらコートし、手前に終点を置きます。
↓
引き続き、
左側の壁、天端をコートします。
縦横につなぎ、最後は手前側に埃を集めるように、同一方向にコートし終点をおきます。
↓
引き続き、
浴槽床部分をコートします。
同様に、最後は埃を集めるようにして終点を手前側になるように同一方向にコートします。
↓
もう少しです、
手前の壁、天端をコートします。
ここで全体を良く観察します。
埃が乗っていないか、いろいろな角度から観察します。
埃が目立つ場合は、パッドで取り除くようにしてコートします。
塗り継ぎに注意しながらコートします。
ある程度は乾燥後に消滅します。目だった部分だけを取り除きましょう。
触りすぎるとかえって悪くなるので、ほどほどにしておきましょう。
最後に、
エプロン部分をコートします。
同様に、縦横につなぎ、同一方向に均一にコートします。
↓
硬化乾燥後に手直ししたい場合、 2回塗りの2回目をコートする際は、
耐水ペーパー #600~#800 にてサンディングする必要があります。
そのままコートすると弾かれてしまい、コート剤が乗りません。
それだけ、耐薬品性が高いということを証明しています。
必ず補修部分をサンディングして少し傷を入れる必要があります。
簡単に補修塗りできるので、あせらずに施工してください。
上品な光沢になり、いかにも塗装した様なイメージにはなりません。
新品のように輝きを取り戻します。
防汚クリアー乾燥後に器具類を復旧して作業は完了します。
以上で大まかな説明は終了します。
まずは、ご自宅で練習して感覚をつかむようにしてください。
一度経験すると、自身の作業の改善点が明確にわかるようになります。
数回おこなえば問題なく施工することが出来るようになります。
ご不明な点、作業時に緊急に聞きたい場合は、ご連絡の携帯電話に連絡お願いします。
防汚クリアーにより、日々のお掃除は飛躍的に軽減されます。
一度体験してしまうと、この良さを実感できます。。。