MUSICAな毎日

まったりとした日々を送るMUSICAな毎日をいろいろと。

イラクの話

2009-03-21 20:55:33 | Weblog
「ムーヴ!」が終わってしまい
骨っぽいニュースを入手するには
やっぱり自分の足で歩いて
ご本人のお話を聞きに行くしか
ない。
西谷文和さんのイラクレポートも
そのひとつで。

運よく今回
「イラク取材でみえてきたもの」
というタイトルで講演があると知り
早速行ってきた。

開戦から6年。
先週撮ってきたところの
今のイラクの映像。
通常のニュース番組では事件などがないと
目にすることはない

まずはじめに、例の靴を見せてくれた。
ニュースでは茶色に見えていたが
実はベージュだ。
現地で15$で売られているという。
「今、日本ではテレビの右上にアナログってでてますよね。
 向こうではあの位置に、あのカメラマンの顔が出ていて
 拘留されて何日目、ってテロップがずっと出てるんです」
もちろん英雄扱い(笑)
「何であたらへんかったんやろ?って言ってます」

で、撮ってきたばかりのビデオに。
バグダッドは自爆テロ防止のためのコンクリート壁だらけで
チェックポイントごとに渋滞を起こしている。
米軍の戦車がすべてに優先されていて
以前に路肩の爆弾をケータイで操作し爆発された経験から
米軍車が通過するときにはケータイ電話の電波を切断していくため
ケータイが突然切れることもしばしば。
有線の電話は空爆されたままつながっていない。

フセイン像の立っていた広場は今は立ち入り禁止。
そこからロケット弾を発射されることをおそれているらしい。
大通りに面したホテルはロケット弾の標的になりやすく
アルガディーアホテルなどは、すでに閉鎖され
主人はキリスト教徒だったからか、殺されてしまったそうだ。

青い空に白い飛行船が浮かんでいる。
が、これは無人の監視飛行船で
24時間住民を監視している。

電気は日に2時間ほどしか通らず、
水は汲んできたものをためて濾過して飲んでいる。
チグリス・ユーフラテス川という川に囲まれているのに。
インフラやら、医療、福祉、教育、セイフティネットなどには
お金が回らず、すべて軍事優先。
市民生活は困窮している。

墓地も足りず、公園が墓地になっている。
内戦状態になってから犠牲になった人たちの墓地。
そのほかにも、米軍との戦闘で犠牲になった人たちの墓地もあった。
信じられないくらいの人たちが犠牲になっている。

生まれてきた子供たちも
犠牲者になっている。
バグダッド子ども病院には
口唇口蓋裂、別名うさぎ口の新生児
指がくっついている子ども、
全身麻痺の子ども、
がんの子ども・・・
医者は2003年からそれまでの2倍に患者が増えていると言っている。
10年後には3倍になるだろうとも。

子ども達に、何の非があるというのだろうか

医療器具が全然足りず、今ある機械は30年前くらいの古いもの。
90年以降の経済制裁からは一切入っていないため
1980年までに日本から援助していた機械が残っているのだ

本来はこういう医療の分野に援助をしたり
安全な水を供給するほうが、人道支援になるのではないのか

最後の質疑応答の時、西谷さんは
「まず、知ること。無関心が一番いけない。
 次に、伝えること。どんどん発信していってほしい。
 そして、忘れないこと。日本人は忘れっぽいから。」
と話された。

恐怖政治と言われたフセイン政権下よりも
米軍が侵入してからのほうが危険になったと
日に数時間しかつながらない電気の下、更新されていた
リバーベンドのブログは2007年から更新されていない。

忘れないこと。
興味を持ち続けること。