四季の彩り~杜の都の風便り!

竹の香りが移る様に竹筒に入れて炊いたご飯!
憧れの一品です。

2007-12-26 19:57:39 | Weblog
ロバが干し草をせおって夕暮れの家路を

急いでいると、とつぜん空から声がしました。

「ロバさん、今年の正月は休みをとるの?」

高い木の枝にとまったモズの声でした。

「うん、たぶんそうすると思うよ」

「それがいいよ。そうして いっぱい遊ぶのは

 楽しいからね。」

モズがいいました。

「また元気で働くために休むんだけどね。」

「働く為に休む?それは逆じゃないの。

 休んで楽しく遊ぶ。働くのはその為だよ。

 働いて食べ物を沢山確保しておけば、

 より 楽しく遊べるし。」

モズはキョトンとして聞いているロバにいいました。



「遊ぶために働くか.....考えたこともなかったなあ...」

ロバは 今まで働くことが生活のすべてでした。

休んでいる間も仕事のことばかり考えていました。

だから、楽しいと感じたことなど一度もなかったのです。

「モズさん、ありがとう」

ロバはモズの一言に、なんだか目からウロコが

落ちたようなうれしい気分になって

心からお礼をいいました。


 ー切り絵と文・村上 保ー