てくてくダイアリー

GISとか使ってました

GISのよいところ

2013-12-02 | ArcGIS

初めてGISを使う人向けに講習会などを開く場合、最初にまずGISを使うと何が便利なのか、そのメリットをお話しする。だってGISの定義から入ると(説明が)難しいんだもん。

これまで定番でお話をしてきたのは、以下の4つだった。

1.人間がやるより早く位置情報が検索できる。

例えば、日本地図から東京駅がどこにあるかを素早く検索できる。

2.距離とか面積とか(といった位置に関係する数値)が人間より早く測れる。

例えば、東京駅から新宿駅の直線距離は?とか、千代田区の面積は?というような数値を、人間が地図を使って計算するより早く取得できる。

3.複数の地図を重ね合わせることができる。

例えば、警察の持ってる(かもしれない)挙動不審者目撃地点マップと学校の持ってる(かもしれない)児童の家の位置とか通学路の地図を重ね合わせることができる。で、どこを重点的に警戒すべきかを判断することができる。

紙地図でこれをやろうとすると、地図を重ね合わせて透かして見る、とかまぁ方法はあるのだが、やっぱり2枚とか3枚の地図が限界ではないだろうか。ついでに別々の組織が持っている情報を、地図を使って一元化することができる(で、新しい発見があることもある)、というような説明を付け加えておく。

4.1~3の複合技ができる。

例えば、1.の機能で賃貸物件の地図から家賃10万円以下の物件の地図を作る。2.の機能で大学から400m、コンビニから500mの地図を作る。3.の機能で、1.と2.の地図を重ね合わせて条件に合う物件を検索する、ということができる。

で、数年前からは、これらに加えて、ネット上で地図掲示板のようなものを使って、複数人と位置をキーにして情報が共有できる、というのを5番目に挙げていた。

例えば、ポストをひたすらマッピング(http://postmap.org/map)みたいなサイトを紹介して、身近のポスト情報を共有している例などを説明したりする。

とまぁ、そんな説明をしていたのだが、最近もう一つ、思いつくところがあった。情報の全部見せに近い、ができるところである。

今作業しているインドのデータは、対象の地域にだいたい2000ぐらいの町や村がある。で、そこに村ごとの人口やら面積やらのデータがあるのだが、これを数値で説明しようとすると、平均値とか中央値とか、最大値とか最小値とかを使うことになる。2000の村の情報が1つの数値で代表されるわけだから、すっきりわかりやすいし、他の地域との比較も簡単である。

でも、2000の中の値のばらつきはわからない。分散とかを示してもいいけど、例えばヒストグラムなんかを書くと、今度はばらつきがわかるようになってくる。

ここで、地図で、例えば村ごとの人口密度を示せば、村の点をすごーく小さく表示すれば、まぁ全体の分布が見えてくる。村の密度が高いところだと、点が重なりそうになってしまうけど、まぁどの村の情報もすべて地図にできているので、情報の全部見せだよなー、こういうのは平均値とかとは違うよなーと思うのである。

2000村の人口密度の数値を全部見ても、なにかぱっとわかることは少ないと思うのだが、地図になってるとどこに密度の高い村がかたまっているとか、同じ配色で作った別の地域の地図があれば、その色合いでもってどっちの方が密度が高いとか低いとか、そんな話もできる場合もあると思う。

しかし、実は地図にするときに人口密度が高い、低いでもって村をクラス分けしてあげて配色して地図にしているので、数値そのものを地図にできているわけではない。だから、全部見せ、とは言い切れなくて、全部見せに近い、ができているのだと思う。

すごいじゃんGIS。

まぁ、全部見せに近い、をしている分、情報の代表性にはちと欠けてしまうという問題点はあるにせよ。

そして、すべては必要な地図データがコンピュータに入っていることが前提の「よいところ」なのではあるが。


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