私ども夫婦の、一生に一度(つもり)の結婚式の夜。
ドタバタはあったものの、家族友人一同「まあ、よかった」という気持ちに落ち着くことのできた、大団円的な場面において。
何故なるんだ、ハナ子弟からの電話。
夫は不機嫌そうに、しかし電話に出た。
「叔父さんは悪い人じゃないし、昨日携帯の電源落としちゃったからさあ・・・」
と、つぶやきながら。
私は気になりながらも、友達と写真撮影したり。 父の飲み物のおかわりをオーダーしたり。 叔母に上海の解説をしてみたり・・・と忙しく。
気が付けば夫がみんなの輪から離れていって、1時間も経過していた。
さすがにみんな夫の様子に気づき、
「ねえ、親戚の電話? まだ終わらないの? 大丈夫?」
と言われ始めたころ。
夫が戻ってきた。
「話になんない。」
それはそうでしょうとも。
「ハナ子から伝言だって。 命ある限り、何があろうとも絶対におまえらの結婚式には出る!・・・って。」
じゃあ最初から邪魔するな、と私は言いたい。
なんなんだ、その仇討ちライクな言い回し・・・
私;「言った? もう終わっちゃったよ~ん、って?」
「言わなかった。 これから杭州行って、パパと密会するからさー。」
そう、この先の旅程は杭州行き。
出張の途中で参加してくれた私の父と、わざわざ鹿児島から来てくれた友達は上海から帰国の予定だったけど、母叔母弟と、地元神奈川から来てくれた友達母子は、後数日遊んでくれる。
パパは、ハナ子に内緒で杭州観光に付き合ってくれる手はずになっていた。
だから、それが済むまでは、私たちが上海で挙式してしまったことは知らせない方がいい。
もっとも、式があったこと自体は、ハナ子側の親戚にもいずれ知れることになっていた。
式終了後、着替え後片付けに思いのほか手間取った私たち。 母らには先にホテルに帰って休んでいてもらうことにしたのだけれど、「荷物も多いだろうから」と、いとこのショウユくんだけは、最後まで手伝ってくれた。
ショウユは、ハナ子の妹の息子であり、血筋的にはハナ子側。
その彼が、
「俺、うちの方の親戚分の引き出物(アメちゃんの袋)、持って行くよ。 いい式だったと思うし、ちゃんと伝えるから。」
と、申し出てくれていた。
そんなことをすれば、ハナ子に何を言われるかわからないというのに、なんと勇気と優しさにあふれる行動だろうか・・・
私たちからしても、「ハナ子サイドの親族にも、ちゃんと報告したいんだけどどうしましょうか」というところだったので、これはありがたく受け止め、引き出物を託した。
上海在住のショウユが「近々車で帰るときに」ばれる。
それが具体的に何月何日なのかは不明で。
空に向かって撃った弾が帰ってくるのを待つような心地。
ともあれ。
まだ式が決行されてしまったことを知らない、しかし私たちが代替の式を行うことを疑っている叔父さんは、色々と言ってきたのだそう。
「浦江(ハナ子実家)のホテルで式をやったら?って言われたよ。」
えーっと。
それは、ないよなあ。
ハナ子側の言い分はあるんだろうけど、それにしたって、パパ実家側で準備していた式をキャンセルしたのは事実で。 そんで、ハナ子実家の方で式って。
叔父さんも、ナニを考えているんだか・・・
「叔父ちゃんもかなりあれ・・・なんて言うの、やけっぱち? よっぽどハナ子に言われているみたい。」
姉って言うだけでそんなに強いんだろうか?
私も実家の家族構成では姉だけど、そんな無茶な権力は無いぞ・・・と。
何気なく、静かに飲んでいると思われていた、弟に目をやったら。
静か過ぎないか?
もともとオタク系・・・いやインドア派で普段からアクション少な目のヒトではあるけど。 誰とも交流している様子がなく、うつむいている???
酔ったとか?
近づいて見よう。
夫も、私が急な動きを取ったので、ついてくる。
「何よ何よ急にどうしたの~・・・あッ!」
ギャー!
弟、さっき食ったカニより赤くなってる。
赤いだけでなく、ぶつぶつが出ている。
ぢんましんだ~~~~~~~~~~
どうしようかと思ったけれど、弟本人が、「おさまってきたから」と自己申告、「みんなには黙っていて欲しい」というので、とりあえず水をたくさん飲ませ、様子を見ることに。 幸いと言っていいのかどうか、薄暗かったので、一行には気づかれず、ひとまずホテルに帰った。
忘れていたがうちの弟は幼いころ、海老だのイカの塩辛だの食べて、アレルギーじんましんを起こしたことがあった。
油断した。
大人になってから出てなかったから、本人も甘く見たんだろう。
「水飲めばダイジョーブ」
と言い続け、同室の父に気づかれぬよう、私たちの部屋で休憩していた弟。
悪化は止まったものの、じんましんが消える気配も無く。
ホテルに帰って20分もしないうち、病院に連れて行くことに決めた。
その時点で既に日付は回っていたわけで。
それから母の部屋に内線かけて、フロントにも連絡し、弟・私・夫・母+ホテルの方、という構成で夜間診療している病院へ。
点滴、3時間!
結局すべて終えて就寝するころには白々と夜が明けていた。
結婚式前夜はほぼ徹夜の大喧嘩で、当日夜は病院に詰めてて。
こんな出来事って、ハナ子とは何の関係も無いアクシデントなんだけど、このときは半ば本気で、ハナ子の呪いなんじゃないか?・・・と思った。
それでもなんとか乗り切って、弟も無事回復し、翌日は予定通り、いわゆる上海観光をし、次なるチェックポイント、杭州に向かうことに。 観光や移動の際、よほど体力的にきついかと思いきや、さにあらず。 一度起き上がって動き出してしまえば、意外なほど意識はっきり、テンション高く、楽しめた。・・・ハイになって、おかしくなっていたとも言えるが。
もしもハナ子の呪いが本当であるのなら、それら全てに(かろうじてではあるが)打ち勝ってる私。
何かのご加護か。
私は本来、個人としては宗教に懐疑的なのだけれど、この旅の最中ばかりは視えない何かに感謝したい気持ちだった。
「花婿の、母。サンジュウ」に続く
㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥㊥
気が向いたらコメントお願いします。
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ドタバタはあったものの、家族友人一同「まあ、よかった」という気持ちに落ち着くことのできた、大団円的な場面において。
何故なるんだ、ハナ子弟からの電話。
夫は不機嫌そうに、しかし電話に出た。

と、つぶやきながら。
私は気になりながらも、友達と写真撮影したり。 父の飲み物のおかわりをオーダーしたり。 叔母に上海の解説をしてみたり・・・と忙しく。
気が付けば夫がみんなの輪から離れていって、1時間も経過していた。
さすがにみんな夫の様子に気づき、
「ねえ、親戚の電話? まだ終わらないの? 大丈夫?」
と言われ始めたころ。
夫が戻ってきた。

それはそうでしょうとも。

じゃあ最初から邪魔するな、と私は言いたい。
なんなんだ、その仇討ちライクな言い回し・・・
私;「言った? もう終わっちゃったよ~ん、って?」

そう、この先の旅程は杭州行き。
出張の途中で参加してくれた私の父と、わざわざ鹿児島から来てくれた友達は上海から帰国の予定だったけど、母叔母弟と、地元神奈川から来てくれた友達母子は、後数日遊んでくれる。
パパは、ハナ子に内緒で杭州観光に付き合ってくれる手はずになっていた。
だから、それが済むまでは、私たちが上海で挙式してしまったことは知らせない方がいい。
もっとも、式があったこと自体は、ハナ子側の親戚にもいずれ知れることになっていた。
式終了後、着替え後片付けに思いのほか手間取った私たち。 母らには先にホテルに帰って休んでいてもらうことにしたのだけれど、「荷物も多いだろうから」と、いとこのショウユくんだけは、最後まで手伝ってくれた。
ショウユは、ハナ子の妹の息子であり、血筋的にはハナ子側。
その彼が、
「俺、うちの方の親戚分の引き出物(アメちゃんの袋)、持って行くよ。 いい式だったと思うし、ちゃんと伝えるから。」
と、申し出てくれていた。
そんなことをすれば、ハナ子に何を言われるかわからないというのに、なんと勇気と優しさにあふれる行動だろうか・・・
私たちからしても、「ハナ子サイドの親族にも、ちゃんと報告したいんだけどどうしましょうか」というところだったので、これはありがたく受け止め、引き出物を託した。
上海在住のショウユが「近々車で帰るときに」ばれる。
それが具体的に何月何日なのかは不明で。
空に向かって撃った弾が帰ってくるのを待つような心地。
ともあれ。
まだ式が決行されてしまったことを知らない、しかし私たちが代替の式を行うことを疑っている叔父さんは、色々と言ってきたのだそう。

えーっと。
それは、ないよなあ。
ハナ子側の言い分はあるんだろうけど、それにしたって、パパ実家側で準備していた式をキャンセルしたのは事実で。 そんで、ハナ子実家の方で式って。
叔父さんも、ナニを考えているんだか・・・

姉って言うだけでそんなに強いんだろうか?
私も実家の家族構成では姉だけど、そんな無茶な権力は無いぞ・・・と。
何気なく、静かに飲んでいると思われていた、弟に目をやったら。
静か過ぎないか?
もともとオタク系・・・いやインドア派で普段からアクション少な目のヒトではあるけど。 誰とも交流している様子がなく、うつむいている???
酔ったとか?
近づいて見よう。
夫も、私が急な動きを取ったので、ついてくる。

ギャー!
弟、さっき食ったカニより赤くなってる。
赤いだけでなく、ぶつぶつが出ている。
ぢんましんだ~~~~~~~~~~
どうしようかと思ったけれど、弟本人が、「おさまってきたから」と自己申告、「みんなには黙っていて欲しい」というので、とりあえず水をたくさん飲ませ、様子を見ることに。 幸いと言っていいのかどうか、薄暗かったので、一行には気づかれず、ひとまずホテルに帰った。
忘れていたがうちの弟は幼いころ、海老だのイカの塩辛だの食べて、アレルギーじんましんを起こしたことがあった。
油断した。
大人になってから出てなかったから、本人も甘く見たんだろう。
「水飲めばダイジョーブ」
と言い続け、同室の父に気づかれぬよう、私たちの部屋で休憩していた弟。
悪化は止まったものの、じんましんが消える気配も無く。
ホテルに帰って20分もしないうち、病院に連れて行くことに決めた。
その時点で既に日付は回っていたわけで。
それから母の部屋に内線かけて、フロントにも連絡し、弟・私・夫・母+ホテルの方、という構成で夜間診療している病院へ。
点滴、3時間!
結局すべて終えて就寝するころには白々と夜が明けていた。
結婚式前夜はほぼ徹夜の大喧嘩で、当日夜は病院に詰めてて。
こんな出来事って、ハナ子とは何の関係も無いアクシデントなんだけど、このときは半ば本気で、ハナ子の呪いなんじゃないか?・・・と思った。
それでもなんとか乗り切って、弟も無事回復し、翌日は予定通り、いわゆる上海観光をし、次なるチェックポイント、杭州に向かうことに。 観光や移動の際、よほど体力的にきついかと思いきや、さにあらず。 一度起き上がって動き出してしまえば、意外なほど意識はっきり、テンション高く、楽しめた。・・・ハイになって、おかしくなっていたとも言えるが。
もしもハナ子の呪いが本当であるのなら、それら全てに(かろうじてではあるが)打ち勝ってる私。
何かのご加護か。
私は本来、個人としては宗教に懐疑的なのだけれど、この旅の最中ばかりは視えない何かに感謝したい気持ちだった。
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気が向いたらコメントお願いします。
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ホント頭下がりっぱなしだわ。
弟くん、カニや海老がアレルギーなんてかわいそう。
しかし、じんましん出ちゃっているのに、誰にも言わずに我慢してるなんて、な~~~んて優しい弟くん。
主役はダックちん的考えからなのかしら。
ハナ子に弟くんの爪の垢煎じてあげたい。
でも、いろいろ勉強になったし、周囲任せよりも自分では納得できた。
弟、せっかくみんなが和んだので、壊したくなかったそう。 今思えば飲んでたとこから病院直行してあげればよかったよな。 悪いことした。
ハナ子につける薬はないから、爪の垢なんて、効かないでしょ・・・