寒いですねえ。 鍋の季節到来。
昔はシンプル鍋が好きでした。
豚バラと白菜を、鉄鍋で煮て、レモンに塩コショウで。
水菜と油揚げで常夜鍋とか。
近頃は夫の影響で重慶火鍋なんかが大好きです。
香辛料炸裂で。
小肥羊っていうチェーンが日本でも展開されていて、そこのは結構本格派で好きなんです。 辛さはちょっと足りないけどね。


ハナ子はすっかり、「畜生」以外の言葉を発さなくなっていた。
髪振り乱して目は血走って、鼻水垂れまくりで口からは唾と咀嚼物。
いっそ泣き崩れてくれればいいのに・・・と心のどこかで思った。 泣き崩れる母親なんて、息子にとっては極めて卑怯な飛び道具みたいなもんだと思う。 ハナ子がそういう小技出してくるタイプじゃなくて、嫁の私としては良かったさ。
ここは、「涙」っていう、女学校1年生の単位を未修得なハナ子の出来の悪さに感謝するところだ。
でも正直、もうなんでもいいからこのグダグダを終わりにして欲しかった。
母親が「畜生!」なんて言葉を絶叫する図って、息子である

泣いてもいいから、もうヤメロ・・・
やめてくれないと、遠からず私は叫ぶ。
日本語であることも構わず、ここがどこであろうと、ハナ子よりも数段大きくて迫力のある声で私は大絶叫する。 たとえそれが妻として夫に見せちゃいけないもんだとしてもね。
そんなこと本当はしたくないからやめろー・・・。
そういう私の願いが届いたのかどうか。
立ち尽くしたまま叫んでいたハナ子は、唐突に、その手その足を動かして、身体ごと前進した。


ハナ子は店員に持ってこさせた箱に、残っていた料理を詰め始めた・・・ッ!










声も出なかった。
ビックリし過ぎて。
その場に居たハナ子以外の5人、私、MY母、従妹ちゃん、パパ、そしてハナ子に懸命に言い返していた我が夫まで。
ぽかーん・・・。
開いた口がふさがらん。
ハナ子はむんずと掴んだ箱に、凄い勢いで、何も残さないぞと言わんばかりに料理を詰めまくっている。
ハナ子・・・それは、賢い主婦じゃないぞ。
面白いヤツ・・・でもない。
モンスターだよ。 もう、そういう生き物だと思うしかない。
料理を詰める箱を持ってこさせた時点では、ケンカではなかったし。 その後食べながら叫んでいたのは、先に食べていたという状態があってのことで、ハナ子的にはそういう流れだったんだろうと解釈できる。
だがこれは私ももう笑えない。
確かにこの時点で、テーブルの上にはまだ結構な量の食べ物があった。
もともと人数に余るようなご馳走があって、それにようやく手をつけたところにハナ子が登場、あの食べ方だったので、皆はすっかり食べるのを止めてしまったから。 ハナ子は物凄い勢いで食べていたけれど、それでも食べ切れはしなかったのだろう。 もともとハナ子が好きでなくて食べなかったものもあるみたいだし。
ハナ子は硬直して誰も言葉を発することが出来ないでいるなか、料理をどんどん詰めた。 そして思いついたように従妹ちゃんに向かって、

・・・・・・・。
従妹ちゃんは、一瞬地蔵のように固まり、それからチラリと隣に座っていたMY母の顔を見た。
従妹ちゃんとMY母は共通言語を持たず、この日初めて会ったのだが、そういう問題ではなく、従妹ちゃんも一人では受け止め切れなかったのだろう。
それから従妹ちゃんはぎこちない様子で持ち帰りの箱詰めを開始した。
MY母は中国語がいっこもわからないのだから、


MY母;「手伝いましょう・・・か・・・」
虚ろな感じで呟いて、従妹ちゃんと共同作業を開始してしまった。
あまりのことに。
あまりのことに、私は。

そう呟くように声を絞り出した我が夫の顔を、まともに見ることはできなかった。
「ハナ子とスイカに御用心!そのさんじゅうはち」に続く。


今年は家鍋まだやってません。
子供の動きが激しくて、なんだかお鍋も怖くって。
代わりに、おでん。
中国人夫、おでん大好物!
かなり様々な具を取り揃えたおでんを、毎年何度も食べます。
今年は息子もおでんラヴァーだということが判明して、大鍋でぐつぐつ作って、もりもり食べさせてます。 ラクだしウケるし最高です。
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