宇治川の東岸にある橋寺を訪ねた。真言律宗のお寺で、寺名は放生院常光寺。古くから宇治橋の管理に関わってきたので、通称【橋寺】で知られている。創建は、推古12年(604)とも大化2年(646)とも言われ定かでないが、かなり古い。
奈良西大寺の僧叡尊は、弘安9年(1286)の宇治橋の架け替え工事に合わせ、川で亡くなった人や馬などの霊を慰めるため、中洲に十三重石塔を建て、またこの寺で盛大な放生会を営んだ。このことから寺名を「放生院」と称するようになったという。
堂内には、叡尊が造ったといわれる地蔵菩薩立像や有名な宇治橋断碑(だんび)が拝観出来る。
特に【宇治橋断碑】は重要文化財で日本三古碑の一つ。大化2年(646)に立てられ、江戸時代になって寺の地中から碑の上部3分の1の断石だけが発見された。宇治橋の成り立ちを刻んだもので「断碑」と言われる所以である。
現在拝観できるものは、その後に碑の下部を継ぎ足したもの。