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風は東楡の木通りから

クリスチャンフルート吹きパスピエの愛する音楽、猫たち、薔薇の毎日

熊谷守一美術館

2010-02-24 20:16:31 | 
そういえば土曜日にダンナと熊谷守一美術館に行ってきたんだ。
ダンナは最近見た新聞の特集記事でいたく守一の生き方に感動したらしい。

この美術館は東京都豊島区千早町にある。
熊谷守一の次女で芸術家の榧さんが私設として創立した。
小さなとてもかわいらしい美術館である。

前々から行ってみたいとは思っていた。
以前熊谷守一の絵と言葉がのっている「へたも絵のうち」という本を絵の好きな次男のために買ったのだけど、すごく面白い本で私が夢中になってしまったのだ。

猫や、蟻、木や草花、蝶、自然の生き物が独特の画風で描かれている。面白い。それともう一つの理由、まぁ…旧姓が同じってことで・・・。女優やってる従姉妹も見に行きたいと言っていたっけ。

周りの仙人と言われたというが本当にそんな風貌。

熊谷って名前から東北から北海道か、広島県あたりの人なのかと思っていたが、意外と岐阜の出身だった。(なんでかって?熊谷直実の子孫は南と北に分かれたってきいているので・・・ちなみに私の祖父は宮城だ)

面白い人物だ。
守一の行った言葉とか、略歴なんか見てるとすごく面白い。

たとえば二科の書生さんに(どうしたらいい絵が描けるか)と聞かれた時、「下品な人は下品な絵をかきなさい。馬鹿な人は馬鹿な絵を書きなさい。下手な人は下手な絵を描きなさい。」といったそうだ。その理由として守一は「結局絵などは自分を出して自分を生かすしかない。自分にないものを無理に出そうとしてもろくなことにならない。」といっている。

なんかこれはフルートを吹くときにもすごく共感する。この頃本当にそう感じているところ。自分に与えられているものを感謝しつつ出して、生かす。

また、壊れたレンズを友人からもらってカメラを作ってしまうとかマルチな才能の持ち主。

それにキン蠅が好きだそうだ。守一はあれがいるとにぎやかだといっている。

守一は金銭欲も所有欲なかったらしいが、この話にはおどろいてしまった。
85歳の時、国から文化勲章を授与するという話が来るが、「私は別にお国のためにしたことはないから」とこの勲章を辞退してしまうのである。これ以上人の出入りが多くなっては困るとも言っていたらしい。

なんて自由な精神!

時に頑固で自由で自分の時間を大事にしていた人。生きていることが好きだから生き物の命を愛した人。その生涯の中で5人のお子さんのうち3人も亡くなるなど波乱万丈な人だったけど生きざまを見ていると魅力的である。


美術館で守一の絵を堪能し、美術館の中にある喫茶室で次女榧さん作のコーヒーカップを目で楽しむ。

守一に興味を持った方は3月14日(日)NHK教育テレビ、「こころの時代」で特集があるそうなので見てみるといいかも。

今回見た絵はほんの一部なのでまた日を改めてもう一度訪れたい。