水に浮かび物思う

カリフォルニアの海でカヤックに出会う。キャンプやハイキングの話も。

山形へ その2

2007年11月30日 | 旅行


今日は丸一日かけて山形を堪能する日だ。東京よりいくぶん寒いものの、天気も快晴。昨晩イヤというほど柿を食べたから気分も快適(柿は二日酔いにいいらしい)。そそくさとみんな出発の準備を進めるが、家の主であるところのKさんがなかなか起きてこない。そういえばこの旅のために有給を取るのが大変だったとかいってたなぁ~と、みんなで胸に手を乗せて眠っているKさんに優しい視線を向けたのだった。ほどなくしてKさんが起き、準備をすませて、ぼくたちは出発した。まず向かうは日本酒の酒造「初孫」である。



初孫といえば大きなブランドだ。アメリカでも大きな日本食スーパーにいくと置いてあったように記憶している。酒造にはちょっとした博物館のような展示がなされていて大変勉強になった。大吟醸に使われるような研磨されたお米ってガラス球のように透明なんだなぁ。次に別室に通され、初孫についてまとめられたビデオを見せていただいた。その中に、職人さんへのインタビューがあった。その人は作業服を着て、ニッコニコの笑顔で酒造りの魅力を語っているのだが、惜しむらくは東北の訛りがあって一部理解できなかった。いや、しかしそれでいい。理解できれば記憶に残るというものではない。理解できないことで記憶に残る事だってあるのだ。

そして!いよいよ試飲ターイム!



有給を取った男たちの思いは熱い。「朝から日本酒のんでいいのか?」とは誰も問わない(注:ドライバーは飲んでません)。ぼくたちは女性の係員の方にすすめられてお酒を頂いた。う、うまい。どれを飲んでもおいしい。そりゃあ、純米吟醸がおいしいのだけれど、普段呑むお酒にはもう少し雑味があってもいいなぁ、とか、生酒は食前だなとか、いろんな楽しみ方ができそうなことが分かった。Aちゃんはゴキゲンで係りの人にたくさん質問をぶつけている。

その間にもぼくは手酌で試飲を続ける。この、「ご自分でついじゃってくださいね」というイージーな雰囲気がいい。ナパなんかのいいワイナリーにいくと$10とって小指の幅くらいしか液体をそそいでくれなかったりするけど、ここはアバウトである。グッドである。無論われわれは大いに買った。これから酒は初孫じゃ!

ぼくたちが次に向かったのは山居倉庫。昔ながらのつくりの大きな倉庫だ。地元の名産品がずらりと並んでいる。ぼくたちはみたらし5本を、4本ぶんの値段に負けてもらい、それを食べながら物色した。実家へ庄内柿を一箱送った。ここ酒田市はあの「おしん」の奉公先で有名なのだけれど、おしんもこの倉庫にやってきたのだろうか。こうして町を見る限り、酒田市は大変豊かで住みやすそうに見えて、あのすぐにでも泣き出してしまいそうな「おしん」がいる景色とどうも頭の中で繋がらない。けどきっと、明治とか大正のころの酒田はあんなふうだったんだろう。山村はもっと貧しかったに違いない。

こうしているうちにお昼時になった。ぼくたちは酒田港の方へ移動し、市場のすぐ横にある「とびしま」で昼食をとることにした。すさまじい活気のあるお店で、ぼくはウニ・イクラ丼をいただいた。ぼくはウニもイクラも大好きである(みんなそうか)。これは控えめにゆって人生最大級のシアワセである。「おとーさんおかーさん、ゴメンナサイっ!」と心の中で叫んで一口頂いたら、あまりのうまさにちょっとクラッときた。



われわれの一日はまだ終わらない。食事を終え、はじめてのウニ・イクラ丼のうまさに昇天しかけたぼくをEが現実世界に呼び戻してくれ、シアワセがつまったおなかをさすりながら車に乗り込んだ。日本海側の道をさらに北上。岩手のシンボル鳥海山へ。この山は2000m超えで、辿りついてみると頂上は雪を頂いていた。たいへん美しい山である。ふもとの森林はいい具合に色づいていた。ぼくたち5人を乗せた三菱デリカは鳥海山の道を登り始めた。上からの景色は格別だとKさんはいう。



しかしなんと、ドライブウェイは閉鎖されていた。例年ではこんなに早い時期に閉鎖されることはないという。今年の冬が寒くなるというのはどうやら本当らしかった。道路が閉鎖されていたのではしょうがないので、ぼくたちはさらに少し北上し、秋田県にちょっと入って(秋田県!)、散策途中に見つけた神社を歩いてみることに。金峰神社というところだ。滝があり(高さ26m!)、とても美しい場所だった。





それから近くの海岸へ出て、砂浜をみんなであるいた。山形は砂浜が多く、とても広い。風をふせぐための防風林も厚みがあって全体的に美しい。ちょうど夕暮れの時刻で、少し寒そうにして海岸に突っ立っているみんなの姿は少し哀愁が漂っていてなんだかカッコイイ。みんな無言で太陽を見送った。それからぼくらは鳥海温泉に入り(ごくらく)、隣のレストランで牡蠣フライかなんかを食べて岐路に着いた。



部屋にもどるとまたもや宴会の準備をして、さっそく初孫を開けた。うーん、最高ー。柿をたくさん食べる。昨日の夜のように雑談していると、日本酒特有のトロンとした心地よい眠気が訪れたのだった。Kさんはコタツの隅で先に寝てしまい、寝てしまったと思ったら突然「メール送りましたよ!」と寝言をいい、「今なんかいいました?」というHさんの問いに答えることなく翌朝まで動かなかったのであった。

もうちょっとつづく。


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3 コメント

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海に山に (てっさん)
2007-11-30 01:42:56
縦横無尽?に旅されていますね、楽しそう。以前も書いたかもしれませんな、山といえばネパールのヒマラヤトレッキング中に高山病でえらい目にあったのが一番の印象的な出来事です。そういえば日本で1000mを越える山に行ったことないなあ。

 それはそうと12月の下旬の連休、三重か愛知方面をファルトで漕ごうと思いっているのですが、もしご都合があえばいかがでしょう?ただ24日はイブなんですよね・・。
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Re: 海に山に (サトウ)
2007-11-30 10:51:30
てっさんさん、こんにちは。
この山形の旅は友人のKさんの案内によってすごく充実したものになりました。やはり地元の方が一緒だと旅は楽しくなります。

アメリカにいたときはよく一人でキャンプ&ハイキングをしたものですが、日本に帰ってきてからというものまだこういう遊びをしていません。また山登りもしたいなぁ。

12月下旬の連休、予定が合えばぜひご一緒しましょう!楽しみにしています。詳しいことはメールで話しましょうか。ぼくのメルアドはpaddle_californiaアットマークをはさんでmail.goo.ne.jpです。
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Unknown (てっさん)
2007-12-01 11:23:57
メール遅らせていただきました。念のためにご確認宜しくお願いします。

 確かに地元の方の案内はありがたいですね。残念ならが遠方に住んでる友達が当方はいないというより連絡不通だったりします。冗談で友達に遠方に移住してくれと言ったりしてますが。

 異国でのキャンプってのもいいですね。いつかインサイドパッセージ行ってみたいな。ファルト仲間数人で。

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