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道を探して

興味のあることをつづっていきます。

レッドデータブックあいち2009 発刊

2009年03月21日 | 自然・環境
レッドデータブックあいち2009が発刊されました。
愛知県内の絶滅、絶滅危惧の動植物のリストです。
愛知県の記者発表の記事


詳細はまだホームページ上で見れませんが(3月中に掲載予定とのこと)
植物だと新たに6種が絶滅。
絶滅危惧が35種増えています。

こうして動植物が絶滅していっているという事実は多くの方々に知って欲しいことですが、
だからといってそれら貴重な動植物(特に植物)を探し回って見に行くという行為には最近少々嫌気がさしています。
そういう行為は絶滅を促進こそすれ保護育成にはなんら役に立っていないと思えてきたからです。

無論そこからもう一歩踏み出して、保護活動に取り組む人が多く生まれれば喜ばしいことですが、
今の私ではできませんので。

山を歩いていて出合った花を楽しむぐらいがちょうどいいと思っています。

とはいえ見れるうちに見ておきたい花もあるのは事実ですが・・・。
葛藤中です。

岳人別冊 春山2009 アポイ岳のヒダカソウ

2009年03月14日 | 自然・環境
久しぶりに山の雑誌を買いました。
「岳人別冊 春山2009」です。

読みたかったのは新井和也さんが書いたアポイ岳のヒダカソウの記事。
アポイ岳固有種でキタダケソウの仲間ぐらいの知識しかなかったのですが・・・

盗掘から保護するために監視カメラを設置したり、
登山者の踏み荒らしを無くすために登山道を閉鎖したり、
それでも2008年に開花したのはわずか一輪のみということで
かなり危機的な状況にあることがわかりました。
原因は温暖化で環境や植生が変化したためではないかといわれています。

これは盗掘や踏み荒らし以上に厄介な問題で、
保護するために自生地周囲の木を切ったり、下草狩りをしたりと
里で草花を保護育成するためにしていることを山中でしなければならなくなるでしょう。
それでも降雪量の減少や夏の暑さはいかんともしがたく・・・。

もしアポイ岳でヒダカソウが絶滅してしまうと、
皮肉にも残されたものはかつてアポイ岳から盗掘され園芸家の間に渡った固体ということになってしまいます。
なんとも複雑な心境になりますが、栽培方法なども長けている方も多いことでしょうし、
こうして栽培により種を残していくことも必要なのだと感じさせられました。

新井和也さんのHPはこちらです。

しかし、もし仮に温暖化が人間の業の結果ではなく、ごく自然の環境の変化であるとしたら、
それでも環境変化に適応できなくなった種を保存するのにはそれなりの動機付けが必要になると思います。

かつてこれら高山の花は氷河期に日本にやってきたといわれていて、
その時は元々そこに根付いていた植物は寒さで絶滅し、
代わりにこれら高山植物が侵略してきたわけですから、
今度暖かくなってきたら絶滅するのは高山植物の番となるわけです。

などと色々考えていると眠れなくなるので、
「きれいな花だから残したい。」「数の少ない貴重な花だから残したい。」
尽きる所「人間にとって心地よい環境を与えてくれるものを残したい。」
という人間様の都合でいいかとも思います。

環境PRもいいですが、このマークはちょっと・・・

2009年02月28日 | 自然・環境
ちょとTVを見ててギョッとしたことがありました。
コマーシャルのひとコマに出ていたマークですが、同じマークがホームページでも使われていました。
このページのオレンジ色のマークです。
その昔絶大なカリスマ性を誇った政治家が好んだマークを思い出させます。

このマークを見てぴんと来ない人は
こちらをご覧ください。

同じ地球上に住む人間として忘れてはいけないことはあると思います。


自然・環境ねた:コイ・ヘラブナ・スイレンは駆除対象?

2009年02月16日 | 自然・環境
またまた気になる記事が、今日の中日新聞に出ていました。
愛知県の篭池で水を抜いて外来種の駆除を行ったという記事です。
ここまではよくある話ですが、その駆除対象を見てびっくり!!
「コイ、ヘラブナ、ブラックバス、ミシシッピアカミミガメ」、「園芸種のスイレン」となっていました。

こちらにそのもようが載っていました。

この篭池にどのような希少在来種がいるか知れませんが、
私以外にもヘラブナ、コイが駆除されることにしっくりこない人はいると思います。
スイレンも駆除とはびっくりです。
外来魚は肥料に、スイレンは乾燥させてゴミとして処分、
たぶん焼却されて大量の二酸化炭素を放出したことでしょう(笑)

ヘラブナは琵琶湖の固有種なので、
それ以外の所に生息する物は結局人間が放流した物なので駆除対象になったのでしょうか。
スイレンは確かに湖面を全部覆ってしまうくらいになると問題かもしれませんが、
部分的に生えている分には小魚や水生昆虫のすみかとして重要だと思いますが、
これも園芸品種なので駆除対象になったのでしょうか。

そうなると清流に生えているクレソンは?
養殖で輸入され放流されたマスの仲間はどうなるの?
漁協が後ろ盾にあれば許されるの?
という疑問がわいてきます。

外来種をどこまで許容するか、線引きは必要だと思います。
生態系の維持という観点から専門化がきちんと判断すべきでしょう。
ちなみに「外来生物法」にはヘラブナ、コイは入っていません。
ましてスイレンも。


外来魚で名高いのはブラックバスやブルーギルですが、
野生化したグッピーというかわいいのもいます。

私がまだ神奈川に住んでいたころ子供をつれて取に行ったことがあります。
ここは製菓メーカーの排水が流れている所で、
排水がきれいで温度も高いということで冬でもグッピーが死滅せずに繁殖していました。
観賞用のグッピーと違いオスでもさほどきれいでなく、むちゃくちゃすばしっこくてほとんど捕まえられなかった記憶があります。
今でも生存しているのでしょうか。

ちなみに誰でも名前を知っているメダカは絶滅危惧II類(VU:絶滅の危険が増大している種)です。
野生のメダカを見たことのある人はかなり少ないのではないでしょうか。
私の子供のころもすでにメダカはほとんど見ることはなくカダヤシばかりでした。
このカダヤシも外来種ですが、今ではカダヤシも見られないくらい都市化が進んでいます。
そこはディズニーランドの北の浦安でレンコン栽培の盛んなのどかな所でした。
カダヤシのほか、フナ、クチボソ、ライギョウ、ドジョウなどがいましたね。

人間以外の生き物がいない所より、まだコイ、フナのいる池や川がある所のほうがいいと思いますが。


自然・環境ねた:国立公園で動植物持ち込み禁止 コマクサ編

2009年02月13日 | 自然・環境
新たに自然・環境ねたのカテゴリーを追加しました。
21世紀の重要課題:自然や環境のことに関して、私なりの考えをつづっていこうと思います。

あまりに尖がったことを書いて、偏屈な奴と思われてオークションの入札に影響しても困るのでほどほどに。

書こうと思ったきっかけになったのが12日の中日新聞のこの記事。

国立公園で動植物持ち込み禁止 違反者に罰金50万円

コマクサの話題が取り上げられていたので少々解説を。

記事中の文章
■生態系維持回復事業を活用し、コマクサを抜き取ったり、イタチを駆除することなどができるようにする。■

このくだりを読んで、まったく興味の無い人は「コマクサという雑草が増えて困っているのか」と解釈しかねないですし、
ちょっと知ってる人なら「コマクサって高山植物の女王じゃん。何で~」ということになるでしょう。

問題としているのは本来生息していないところに観光目的や分散して種を保存しよういう考えから移植された物が根付いて増えているということ。

「別にきれいだからいいじゃん」という意見もあるでしょうし、「野に放たれたものはそう簡単には駆除できんよ」という現実もあるでしょう。

私は白山のコマクサがどれだけの規模でどういう所に生えているか見たことは無いので軽率なことはいえませんが、
心配なのは「白山のコマクサはぬきっ取ったほうがいい」という解釈になって人々が登山道を外れて「コマクサ狩り」をはじめたりしないかということです。
そんなことになったら他の植物の自生地も踏み荒らされてしまうでしょう。
また、元来コマクサの生える箇所は風化花崗岩の礫が堆積した崩れやすい所なので、そんな所に人が入っていったら斜面だったらどんどん崩壊して山が荒れかねません。

仮に採取することになったとしても環境省やそこから許可や委託を受けた人がやるのでしょうから、一般の人はくれぐれも登山道は外れないようにしなければいけません。

しかし人の都合で植えられたり抜き取られたりするコマクサもかわいそうですね。


植えられたコマクサの話としてはもう一つ、草津白根山の赤いコマクサがあります。
ここは元々コマクサの自生地でしたが、絶滅に瀕していたのでコマクサを植えて保護育成して今では結構な群落になっているようです。
この植えたコマクサが元来ここに生えていたものではなく、園芸品種だということを以前どこかで読んだことがあり、「どうりで赤いわけだ」と納得していたのですが、改めて調べてみると「園芸品種は植えていない」と主張されている方がおりました。

参考URL
http://naturekimura.jp/tumagoiyama/kusatusiranesan.html
http://blogs.yahoo.co.jp/amamikan/51080563.html
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_c8a4.html

どちらが真実かはわかりませんが、
元来そこに生えていたものとは違う子孫を持ち込むことも歓迎すべきことではないですね。
何のための再生か、その意味が問われると思います。







【コマクサ ケシ科】



2002年7月12日 北アルプス 燕岳にて