法律事務所とキッズダンス教室・ヨガ教室

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尾埜合同法律事務所   過払い問題

2006-09-01 | Weblog

 中村弁護士をサポートして、裁判所に申し立てていた個人再生の申し立て の決定が、今日ありました。
 裁判所の決定があると、裁判所から債権者の数だけ封筒が送られてきます。それに、こちらが、届け出ていた債権者の発送先を記載して、通知書などとを入れて準備して、裁判所に届けます。
 この手続きを皮切りに、債権者のほうで文句がなければ、依頼者と相談しながら、再生計画案を提出し、12月か1月から、分割弁済が始まるというスケジュールです。

 このような手続きに中で、何度も書いていますが、利息制限法に定められた金利の上限18パーセントを超える金利を支払っている場合は、過払 として返還請求の問題が生じます。

 計算の結果過払いが生じた場合にも、実際には、計算上の全額の返還を受けることが出来るわけではありません。
 消費者金融側も、やはり商売なので、「これが限界で、これ以上は応じられません。」となれば、後は裁判にかけて回収するしかありません。
 そうなれば、コストと時間がかかるため依頼者には負担を強いることになります。先方もそこらへんを読んで、ネゴしてきます。
 従って、最初から依頼者には、7-8割の間で、裁量をいただいて交渉に臨みます。

 もともとそのような状況にありましたが、最高裁の判決が出て、いわゆるみなし弁済が否定された後は、消費者金融側も経常利益の下方修正が相次ぐ状態になり、現在では、あの手この手での値切りが、前よりもかなりきつくなってきている感じがします。
先方も必死という感じです。

 この過払い問題。もともと利息制限法と並んで出資法という法律があり、両者の間で利息の上限が異なるため、「グレーゾーン」があったために生じた問題を、裁判所が、グレーゾーンの金利の支払いにつき、みなし弁済自体を否定したことから、それを根拠として返還請求をしています。
従って、明確に法律が改正されたわけではありません。

 その法律案の改正案につき、最近の新聞紙上で、以下のような記事が踊っています。

特例高金利、恒久化に余地 自民、5年後「見直し」案 

金業の上限金利引き下げ問題で自民党金融調査会は29日、金利を段階的に下げる5年間の経過期間中に、特例の高金利を一定程度認めたうえ、特例の延長が必要かどうか改めて判断する「見直し条項」も設ける方向で調整に入った。特例高金利の対象は、個人向けの少額・短期と事業者向けになる見通しだが、見直し条項は、特例の延長が繰り返されて激変緩和が目的の措置が恒久化しかねず、規制を骨抜きにするとの批判も強まりそうだ。

 政府・与党は出資法の上限(年29.2%)を引き下げ、利息制限法の上限(同15~20%)に一本化し、グレーゾーン(灰色)金利を撤廃する方針を固めている。ただ、急速な金利引き下げで貸金業者の経営が悪化し、借りられなくなる客が出る恐れがあるとして、金融庁に特例を検討するよう求めていた。金融庁が28日に自民党に示した特例で高金利を認める案は、個人向けが「元本30万円以内で期間6カ月以内」と「元本50万円以内で同1年以内」の2案、事業者向けが「元本500万円以内で同3カ月以内」とみられる。いずれも1人1社限りで新規融資に限る。金利は年29.2%を軸に調整している。

 金融庁は貸金業者に信用情報機関への登録などを義務付けることで違法な融資は難しくなるとみている。 そのため特例を改正法の施行から5年で廃止する案もあったが、自民党金融調査会は、新制度の運用状況を検討した上で特例を見直す余地を残す方向で調整している。

 現在も事業者向けの名目で個人に貸し付ける違法行為は多く、抜け穴対策をどこまで厳格に運用できるかは不透明だ。特例延長まで認める可能性が出てきたことに対し、弁護士や被害者団体でつくる「高金利引き下げ全国連絡会」の新里宏二弁護士は「灰色金利も国会では暫定措置として議論されたが常態化した。規制強化を骨抜きにしかねない」と批判を強める。

 自民党金融調査会は、新規融資に限るなどの厳しい条件を付ければ、特例の悪用に一定の歯止めはかけられる、との立場だ。来週にも貸金業小委員会を再開し、早ければ9月の臨時国会に、貸金業規制法などの改正案を提出する考えだ。

http://www.asahi.com/business/update/0830/046.html

 

今後、いったいどうなるのでしょうか?

 

尾埜合同法律事務所   http://www.ono-lo.jp