法律事務所とキッズダンス教室・ヨガ教室

一見何のつながりもない分野をこなす私、尾埜 圭司からの情報発信。
みんな人とのご縁を紡ぐ仕事です。

尾埜合同法律事務所     職人!

2006-07-06 | Weblog

 昨日は、中村弁護士が依頼を受けているリフォームの不具合の事件の現地確認のため、大阪府は松原市のほうまで出向きました。
前日に、中村弁護士と確認事項を打ち合わせの上、生まれて初めて近鉄電車の南大阪線という電車に乗って現場に向かいました。
日本有数の「超方向音痴」の認定を受けている私としては、打ち合わせの中身よりも現地に無事たどり着けるのかのほうが不安でしたが、無事到着。
とはいっても、最寄り駅まで依頼者のYさんが迎えに来てくださったので、小学生でもできることですが・・・・。

 ご訪問の目的は、Yさん夫妻が主張されているリフォーム作業の不具合が客観的にどの程度の不具合なのかを第三者の立場から専門家に見ていただくことでした。
現地でご無理をお願いしたT社長と大工さん Iさん
と落ち合い、さっそく不具合箇所を見ていただきました。
このIさん、お若い方で、金髪。

 最初は、私の説明とYさんのお話を黙って静かに聴いておられました。
最初の不具合箇所を目の前に、すっと巻尺をとりだし手早い手つきで実測。
「どうですか?」との私の間抜けた問いに「ありえないです。」
その後も、私やYさんの質問によどむことなく、必要なことを素人にもわかる言葉で的確に説明してくださったのでした。
そして、こちらの質問が終わるのをまって、「この際ですから、私が思うことをしゃべってもいいですか?」と断った上でこちらが気のつかないところを指摘し、それがなぜそうなるのか。そしてそうなってしまったことの評価(許せる範囲かそうでないか)を端的に説明していただきました。
 彼が口にした中で一番耳に残っている言葉は、「この仕事は、いわゆる『手抜き』というものではないが、お客様に対して失礼な仕事だと思います。そういう意味では、私から言わせれば結局大きい意味で『手抜き』です。」
その言葉には、きれいごとではなく説得力があり、職人としてのプライドを感じました。

 「職人や!」本当にそう思いました。
個人的には、職人にあこがれながらもそうなれない私としては、「職人」さんに対しては最大限の敬意を持ってしまいます。
「この人に当たった注文主の方は幸せやな。」そう思いました。

 最近は、本当の意味での注文住宅が少なくなってきているので、手のいい大工さんが少なくなってきているということはよく聞きます。
 今回、現場でIさんの説明をお聞きしていて、「最近の事情からは、新築工事よりも、リフォームのほうが大工さんの腕が出来を左右する比重が高い。すでにあるものは、もともとや時の経過とともにゆがんだりずれたりしている。それを前提としてながらも、リフォーム後はまっすぐにしたり、ゆがんでいない状態に仕上げなければならないのだから。
そのためには、そのゆがみなどがなぜ起こっているのかを理解し、それをどのような方法で修正すべきかを判断するという作業が加わるのだから腕のよさはもちろんだけど、知識・経験が要求される。」
ということがよくわかりました。

 人運だけはかなりいい私に、また貴重な出会いが生まれました。2-3時間の短い間でしたが、できる限り吸収しようという緊張感と集中力を持ってすごせた時間でした。

 せっかくのアドバイスを無にすることなく、中村弁護士にしっかりと事実を伝え、事務所として最善の方策を考えて、よい結論を出さなければならないと思っています。

尾埜合同法律事務所    http://www.ono-lo.jp