某都市銀行にて、ある男が激怒した。
居合わせたオレは耳をダンボにして様子を窺った。
どうやら原因は合併した銀行で、男が持っている
旧通帳がこの支店のATMで使えなかったことらしい。
でも窓口で処理できるのに、時間がかかるのが不満らしい。
激昂した男は周囲を気にせず大声を出し、
フロアレディや行員に不満をぶちまける。
でもその男が言うことは最もである。
不良債権処分とか、金融ビックバーンとかの銀行側の都合で
合併を繰り返し、その皺寄せが顧客に来ているは事実である。
オレは心の中で男にエールを送った。もっと言ったれ!
しかし「2,3千万しか預金がないから差別するのか!」
という台詞を男が吐いた途端、オレは手の内を返した。
『なんやこいつ。それを言いたかったのか?そんなに金があるなら
信金にでも行ってチヤホヤされて来い!』と心の中で叫んだ。
そもそもATMが使えなかったぐらいで、この大騒ぎは何なんだ?
今日本を騒がしているニュースも発端はこのような些末な事かもしれないな。
※この時、中場利一の小説を読んでいたため、不適切な関西弁が
混じっている事をご了承ください。