大関暁夫の“ヒマネタ”日記~70年代大好きオヤジのひとりごと

「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」でおなじみ大関暁夫が、ビジネスから離れて趣味や昔話を語ります

嗚呼、洋楽生活40年(その8)

2013-03-17 | 洋楽
さて僕が洋楽聴き始めの頃、洋楽界の大物たちはどんな状況であったのか、ひととおりさらっておきたいと思います。

まずはビートルズ。ちょうど、2枚組×2セットの通称赤盤・青盤という初の決定盤的ベスト盤が発売され、彼らの解散後としては最大のビートルズ・ブームが世間をにぎわしていました。でも高かったなぁ。確か2枚組で1セット3500円だったかな。通常の2枚組よりも高かったのを覚えています。2セット買うと7000円って、当時の中坊には高根の花でした。というよりも60年代の音楽は、例えビートルズでも古臭い気がして、さほど欲しいとも思っていなかったと言うのが正直なところです。

当時元ビートルズのメンバー個々人は盛んにソロ活動をしていました。ポールはちょうど「マイ・ラブ」が売れていました。この曲はかったるくてあまり好きじゃなかったな(今でも人が言うほど良い曲とは思っていません)。それを収録した当時の最新アルバム「レッド・ローズ・スピードウェイ」も評判がイマイチだったので、関心はほとんどありませんでした。そうこうするうちに、映画007シリーズの主題歌「死ぬのは奴らだ」がリリースされて、映画と共に大ヒットしました。個人的にはこれもどうでもいいレベルだったと記憶しています。

ジョージ・ハリスンは「ギブ・ミー・ラブ」が売れていました。この曲で、ジョージが元ビートルズだと知り、「あー、あの目立たない風貌のヤツか」と思ったわけです。曲もノラリクラリで、ハードな曲に飢えていた当時の僕には全然ピンときませんでした。リンゴ・スターは写真を見て「あのリーダーか(小学校時代からの勝手な思い込み)」と期待をして聞いた「想い出のフォトグラフ」にぶっ飛びました。何がって、歌の下手さ加減です。「こりゃ、リーダーじゃねーな」と初めて自分の誤りに気付いた瞬間でした。

ただリンゴのアルバム「リンゴ」には少し惹かれるものがありました。大好きな、Tレックスのマーク・ボランがゲストでギターを弾いていると、雑誌「ミュージック・ライフ」掲載の広告に書いてあったからです。それとこのアルバムには、ジョン、ポール、ジョージの他ビートルズたちもゲスト参加していて、先の赤盤・青盤の発売とも相まって「ビートルズ再結成」がまことしやかにラジオでは噂されていたのです。もちろん「リンゴ」は私も友達の誰もが買わなかったので、マークの演奏を聴いたのはそのずーっと後、CDの時代になってからのことです。

そしてジョン・レノン。小学校時代にビートルズの問題児と思い込んでいた彼。上記に少し遅れて、「マインド・ゲームス」をリリースしました。これがかなりいい曲で、「実はこいつ才能あるじゃん」と妙に感心し、「もしかしてこの人がビートルズのキーマン?」と遅ればせながら気がついたことを覚えています。LPのジャケットに“山”に見立てて映った女性の横顔が、日本人妻オノ・ヨーコであることもこの時知りました(メンバーの中に日本人と結婚した人がいるという話は聞いていましたが、詳しくは知らなかったのです)。

この頃の各メンバーの曲を聴いた感想は、「ビートルズも一人ひとりになると普通だな」といったところで、他のアーティストと大きく違う存在であるという認識は全くなかったと思います。だからでしょう、僕がビートルズのメンバーのレコードを買うのは随分経ってからのことです。4人とも特別に好きなアーティストでもなかったので、その2年後ぐらいにポール・マッカートニーの来日騒ぎを契機として急激にポール派として盛り上がったことがその最初だったかもしれません。この辺はまた改めて記します。

一方、ローリング・ストーンズはどうだったかと言えば、ちょうどシングル「悲しみのアンジー」とアルバム「山羊の頭のスープ」がリリースされたところでした。前作から久々のアルバムとの触れ込みで、ラジオでは連日かけまくりの嵐でした(ビートルズの面々も、新譜が出るとそうでしたが)。でも「アンジー」の曲調がロックじゃなかったことが、どうも印象が違ってしまい、やはりハードな音楽に飢えていた中坊には物足りなく感じられたものでした。ただし、曲調から受けたマイナーな暗い印象が、ビートルズと対極に立つ存在なんだということを意識させてもらうのには十分であったようには思います。(続く)

◆本日の関連レコード
<ビートルズ>
「1962~1966」(LP)
「1967~1970」(LP)
<ポール・マッカートニー>
「レッド・ローズ・スピードウェイ」(LP)
「マイ・ラブ」
「死ぬのは奴らだ」
<ジョン・レノン>
「マインド・ゲームス」
<ジョージ・ハリスン>
「リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」(LP)
「ギブ・ミー・ラブ」
<リンゴ・スター>
「リンゴ」(LP)
「想い出のフォトグラフ」
「ユア・シックスティーン」
「オー・マイ・マイ」
<ローリング・ストーンズ>
「山羊の頭のスープ」(LP)
「悲しみのアンジー」
「ハート・ブレイカー」