MANSAI ・解体新書

[仏教] ブログ村キーワード



これは、野村万斎さんがいろんな分野の方と言葉、からだ、伝統をテーマに対談した物を
載せた本です。

この本の中に出てくるキーワードは型という言葉でした。
型について万斎さんは、「型を使う事によって、何かエネルギーを圧して波動を送ったり引いたりする。そういうエネルギーの振幅があることで、観ているお客さんの集中力も高まりを見せていくのでしょう。」と述べています。

一方ダンサーの伊藤キムさんは「西洋的なダンスでは、まず、私が最初にありきの世界です。私はここにいます、私を見てください、という、自分の存在を主張するところから始まるのが西洋的なものです。」と述べています。

この二人の対談は特に印象的でした。

万斎さんは狂言という鏡に自分を写し、それをお客さんに見てもらうという表現も使っていました。
無心で演じるという事ですからそこに私や自分は無い訳ですね。
しかし、判で押したように型を捉えるのではなく型のスピードやエネルギーの蓄え方をちょっと変えるだけで、表現のニュアンスを大きく変える事が出来るとも述べています。

シャドーヨガやナタヨガを練習している私には、万斎さんのレベルとは比べ物にならないのですが話がある程度見えるんですよね。
型を練習する事や自分を消す事で生まれてくるエネルギーというものがありそうだという事が。

先日受けた石飛道子先生のインド哲学の講義の中でも自己の扱いについての話がでました。
お釈迦様は自己というものをばっさり切り落とした。。。というかそういうものは最初から無いという事を説いたそうです。
仏教の論理に関する本は私には難解過ぎてお手上げでした。
詳しく説明は出来ないのですが法がすべての拠り所と言う事らしいです。

現代は自己主張する事が当たり前の世の中です。
それでも私は、私をみて！というダンスより万斎さんの狂言が見たいですね。





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