ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

再開

2010-10-17 10:56:31 | 花の谷
 2週間ぶりの花の谷。
       
 稲刈りも終わり、冬の準備を始めたようです。




 雑木林には前回の作業の残骸がそのまま残っていました。これを見ると「よし!」気合が入りましたよ。


 この場所を次回やっつける予定です。この場所が終われば、ほぼ孟宗竹については完了かな。以前の竹林にもう一度戻ってやり直すかもしれないですがね。
 写真の右側から光が入っていますが、今回作業をした場所です。
 竹を伐採するとその場所には、とたんに光がさしてきます。

 やればやるほど、目が慣れてきて新たな工夫が生まれそうです。

 
 

 帰り際、道に落ちていた栗です。今回は猪君に先着したとほくそえんだのですが、山の頂上に向かって歩くと、食べた跡がたくさんありました。単に山の上部から食べ初めて、満たされたから下の方には来なかっただけだったのです。

 どうも彼らには勝てないようです。

晩秋の北海道 3

2010-10-14 09:15:20 | 田舎の理屈
 3日目です。帯広空港までの時間も大いに楽しめました。
 

 これは多分、防風林でしょう。あまりにも広すぎる大地だけに、間隔を持ってこうした木が植えられていました。延々と続いているようでしたよ。

 レンタカーのナビが大活躍でした。なにしろ目印になるものがほとんどないのですからナビに依存するようになってしまうのです。高知では海があるほうが南で、適当にガソリンスタンドや店舗が道路沿いに点在するのですが、ここは勝手が違います。行けども行けども人に出会わないのです。

 後部座席の私は、命を運転手に預けたままで、適当に会話に参加しながら座っていました。ときどきシャッターをきっていただけでしたね。

 今回の旅の収穫をいくつかご紹介しましょう。



 このような古い写真をGET。基本的な構造は魚梁瀬森林鉄道を建設した際と同様でしょうから、参考になります。なかなかに面白い写真もありました。



橋梁を機関車が疾駆しています。エネルギッシュです。もうすでに90年以上の時間が経っていますが、こんな写真があるぐらい地元の期待をうけた鉄道だったのでしょう。



 いまは機関車が走ることもなく、森の中にコンクリートの橋梁がただ在ります。
 不思議なもので汽車が走っていた頃には橋梁を見ることが観光対象となることはなかったでしょうに、路線が廃線となって朽ち果てようとすると、遺跡としての評価が新たに付与されるのです。
 これらの橋を見ながら人は何を考えるのでしょう。機関車が疾駆していた頃のことに思いをはせているんだろうか。苔むした橋そのものに美を感じているのだろうか。面白いものです。

 今回の旅は、全国鉄道保存会の総会に出席すること。さらに周辺の保全活動を実際に検分することです。
 総会は今年で20回になるとのことで、多くの発言者があり元気がありましたが、観光事業として成功したといえる報告はなかったように思います。
 多くの発言者は、地元が好きでかつて疾駆していた鉄道に未だに愛着を持って接しているようで共感できましたね。

 さらに行政も地元活性化の一助になればとの思いからでしょう、熱心な応援振りが感じられました。
 トロッコにも乗りました。運営をする会の会長さん。事務局長さんの元気なこと。いいですね。いつものことですが、2人とも地元の方ではないのです。おかしなもので地元のことを地元の方が評価する以上に他から来てそこに根付いた方々が頑張っているのです。
 よくある事例です。地元の方々にとっては評価するに足りないものなのでしょう。
 当たり前すぎるのでしょう。

 会長さんが言いました。「事務局長が頑張って多くの補助金・助成金を取ってきてくれるから活動が出来ている。」と。
 活動するにはお金が要りますからね。国や道の行政や民間の組織からお金を引っ張ってくる力がある人。それが人材評価の基準になっているのです。これもよくある話です。

 軌道を再度敷設して、トロッコを新しく走らせている。ここは一定の成功を納めそうです。なにしろ自転車みたいにペダルを漕いで進むのです。大人でも楽しいですからね。それに子供が乗れるのがいいですね。森の中の遊園地なのです。
 ただ案内人がいなくても楽しめる工夫があると、観光地としての完成度が上がるでしょう。

 魚梁瀬森林鉄道跡も観光事業化するために、トロッコなども導入することになるでしょうね。場所は北川村でしょう。自分で漕ぐのですから結構遊べます。出来れば線路が1Kmぐらいもあるといいなあ。そうトロッコも5~6台も在って循環道にするといいねえ。小島の鉄橋の上をトロッコで走れたら、これ最高!!。

   

 さてね、何処までいけるか。魚梁瀬森林鉄道遺跡の観光地化事業。
 楽しみです。これにモネの庭マルモッタンや、室戸のジオ・パーク事業、それに海岸町村の古民家群が加わって高知県東部地域の観光戦略が又一段と魅力的なものになります。     

 
 

晩秋の北海道 2

2010-10-12 01:15:41 | 田舎の理屈
 宿泊をした場所の紹介です。
 1泊目は陸別町。日本で最も寒い場所のひとつです。
 公営のロッジといったところです。
 
 ロッジの周りにこんな場所がありました。
四国ではかなり高いところに行かないと見られない熊ササが、ずっと敷き詰めたように在るのです。多分あそこに行かないと見られない熊ササ絨緞。芝生の代わりかな。


 こんな場所、ちょっとない。樹種も四国にはないものばかりです。旅に出て見知らぬものが多いほど楽しいことはないのです。ただ木を見ているだけでも楽しい場所です。

 ゆっくりとした時間を過したい方にはお勧めの場所です。自然の中で退屈はしないと思いますよ。見るもの聞くもの都会にはないものばかりですから。

 
 
 ポニーが2頭遊んでいましたね。アニマルセラピーやら、ネイチャーセラピー等についての意図が感じられますね。いいですね。



 こんな跡もありました。 枯れた枝や、剪定した枝を集めて腐食させているのです。そのうち肥料として蒔かれる事でしょう。森の生活を楽しむ為の秘密兵器です。
 こんなものが、さりげなくあるのです。よく考えられています。

 ただ、広報が足りていないのかもしれません。人が歩いた後があまりないのです。
 もったいないと思います。
 ただこのロッジ、長期滞在型でサイズが大きく自炊主体の物件なのです。
 今回も1軒のロッジに11人が泊まれたほどです。
 もしかすると需要と供給のバランスが悪いのかもしれません。



 2泊目は糠平観光ホテルでした。
 街中の温泉ホテルです。有名なのでしょうが、最近では多分投資が出来ない状況なのでしょう。あちこちに傷みがありました。清掃にも手が足りていないといったあんばいです

 周辺は既に秋から冬に向かって一目散といったところ、キレイでしたね。
 人間の作ったものは時間が経てば傷み、古びていくのですが、自然は簡単に芽を出し森を新たにしてしまいます。さらに四季折々の景観を変えてくれます。

 人間は努力しなければならないのです。というより人間だけが自然の中では特異な存在ですから仕方がないのです。自然を破壊するのは人間だけですからね。

            

 ホテルから見える風景は素晴らしかったですね。夕方の風景です。


 翌朝には雨が降って、前日の風景とは全く違う印象になっていましたよ。旅の観光客にとって変化はうれしいものです。しかし全く変わってしまうのですから、凄いのです。

 温泉はいいお湯でした。食べるものもまあまあかな。

 あたり一面絶景なのですから、GOODです。


 ここは、街中のホテルの前庭なのです。静かです。
 いい場所なのです。

                 

 宿は旅の潤滑油です。愉しい旅には宿は欠かせないアイテムですし、その周辺の魅力は付加価値として好奇心をかきたててくれます。

 自然を生かした鉄道遺産と北海道の大自然。いいお湯があって工夫も感じられる。
 あと少しですね。

 しかしなんということだろう。妙に元気がないところでした。
 御客は結構いたようにも思えるのですが、窓ガラスが汚れていたり、あちこち欠点がありすぎるホテルでしたね。近くに売家物件の看板もありましたしね。
 あの場所。興味があるなあ。

                 

 経済不況がこんなところまで影響が??。かも知れないですね。


 随分と前に、かの船井総研が研修会を開催しておりました。テーマは「ホテル」。
 いいホテルは誰が創るのかといった問題です。
 ホテルの関係者は、先ずは経営陣ですね。
 そして従業員。
 さらに客。この3者が関係者です。
 
 この3者のうちまずは、何処が良くなると一般的にホテルが良くなるのか。
 これが課題です。

 高額の金額を支払える客が来るとホテルの収入が増えて、ホテルの経営も楽になり、ホテルへの投資も出来ますし、従業員の生活も安定します。

 優秀な経営陣がいると、資本投入が楽になり、さらに彼らは優秀な従業員を雇用するでしょうから、顧客が増えるというのです。

 従業員が優秀になると、客が増えて、ホテルの経営が楽になるといった考え方も在ります。さてどれが正解なのか?
 あのとき、正解とされたのは「従業員」なのです。
 
 ホテルはサービス業ですから、優秀な従業員こそが顧客の満足を引き出しリピーターを増やしてゆきます。それゆえ経営者は従業員教育に神経を使うことになるのです。

 今回の宿泊で欠落していたのは、いいと感じさせてくれる従業員でした。
 素晴らしい環境があっても、活かしきれていないのです。残念なことです。

 そういえば、今回移動は飛行機でしたがJALのアテンダントの質は上がりましたね。
 実に配慮細やかでした。
 

 

 


 

 
 

                 


晩秋の北海道 1

2010-10-11 10:29:33 | 田舎の理屈
 忙しい旅でした。
 考えさせられる旅でした。
 しかし、美しく広い北海道でしたから、楽しめました。
 そして、ずっと記憶に残っていくであろうと思わせてくれた北海道でした。

 レンタカーを借りての移動は大正解でしたね。



 キレイでした。
 静かでした。ただ酒を飲んで仲間と騒ぐ自分がいました。
 ふと、寒いなあ。今年初めての経験です。
 北海道はもう秋が終わりかけているようでした。



 今回の旅のテーマは、廃線となった鉄道跡地の利活用だったのです。都会では考えられないでしょう。いらないからと捨てられた鉄道遺跡。なにやら魚梁瀬森林鉄道みたいです。


鉄道が走らなくなった軌道は、なにやら寂しげで、ただそこにありました。



橋も次第に錆びて腐食が進んでいることがすぐ気になりました。

経済という怪物に押し切られて捨てられた物。そうした遺跡を今度は観光に生かそうとしています。ただ、今回見せていただいた場所はまだ始まったばかりです。


 多分、北海道と高知県の利活用の仕方、楽しみ方は違う方法になると思いますが、廃線を観光資源として生かしながら、その廃線に新しい価値を付与していく作業となるのは同じです。都会だったら廃棄するとすぐに新たなものが建設されるのですが、田舎には代替案は出てこないのです。



 発見が一つ。ここの行政の賢さです。廃線となったとき、その余った施設と資材を撤去費用と共に譲り受けたのです。どこかで聞いたことのある話だったのですが、ここでは最終的な撤去費用まで獲得した上で、廃線を活用しているのです。橋やらトンネルを撤去する費用って結構かかりますからね。何十年か後、撤去しなければならなくなったときに、撤去費用を事前に獲得していることが、生きてくるのでしょう。
 観光産業が成長すると、撤去費用として獲得した基金は、施設の修繕費用となって、新たな時間を生み出すことになります。そうなればいいですね。




 廃線の上にトロッコを走らせていました。人が自転車のようにこいで進むのです。
 自然一杯の中で笑顔が溢れていました。つい笑ってしまうのです。そしてきょろきょろとしてしまいます。ゴトンゴトンという音と歓声が辺りを包んでいます。



 遊びが完成していないから好いのでしょう。楽しかったですね。
 これが動力車が引っ張るだけだったら、楽しさは多分半減するでしょう。

 いつの間にか廃棄されたものが積みあがっている田舎の新たな挑戦がこんな北の大地で始まっているのです。智慧が田舎再生の切り札となるのでしょう。

 魚梁瀬森林鉄道遺跡を有する高知県の東部地域もこれから新たな挑戦が始まるのです。

 

おすそ分け。

2010-10-03 11:57:53 | 花の谷


 これ。猪からのおすそ分け。

 彼らが食べた残り、といった方が分かりやすいかな。
 よく知っています。何処においしいものがあるか。

 山道を歩いていると、落ちていたのです。

 作業は順調です。


 雑木林は随分ときれいになりました。
 竹の子が生えてきても、猪君たちと競争して、取る事になるんだろうかなあ。
 競争したら負けそうです。
 向こうは24時間山にいるんだからなあ。

       
さらに花の谷は、上流に素晴らしい景観を隠しています。この石垣も森林鉄道の名残かもしれません。いい味を出しています。

 そのうち紹介しましょう。

 でっかい木もあるそうですが、遠そうですから又今度。

吉良川町散歩 2

2010-10-03 11:21:15 | Vision East
 吉良川には、素敵な台地があります。そして台地の上に高速道路と見まがうばかりの道路が走っています。

 風が強いのでしょう、こうした植栽が当たり前に設けられております。
 こうした風景は、地域の特性として残したいものです。



 台地の農業は元気がいいのです。
 しかし広いねえ。

 今日は、我が家ともご縁があるとされている、神社にお参りをしてきました。竜王神社といいます。

 

 これが参道。凄い傾斜です。



 沢をまたぐように丸太が渡してあります。上流から沢が風を運んでくれました。
 気持ちよかったですよ。



 ここに来たのは3回目かな。何時来てもいいところです。
 漁師さんが船の上から、安全祈願、豊漁祈願をするために、わざわざこの沖に着てから漁に出かけたとされています。

 私にとっても、いい場所です。
 手を合わせて、頭をたれる。素直になれる場所です。

時間の価値

2010-10-01 01:05:43 | 手前かってな推論。


 最近、仕事で吉良川町をうろうろしているのですが、なにかしら「おかしい。」と思っていたのです。
 吉良川町は古い歴史があって、街並みにしても”重要伝統的建造物群”として、公の評価も定まっているのですが、なんだろう、この違和感は?。

 キレイすぎるのですね。修理をする費用が助成されることで、多くの建造物が、見違えるほどの修繕を受けているのです。

 漆喰壁も真っ白けだし、石塀も一度壊して積みなおした場所などは、古さを感じさせてくれないのです。やはりこれから20~30年経過してからでしょうかね。それらしく感じられるのはね。

 奈良や鎌倉の大仏さんを建築された当初の金ぴかにしてしまったような感じがしたのです。歴史を踏まえて修理をすることが出来なかったのかなあ。

 これはあくまで私見です。

 レンガの造作もたくさんありますね。ここには。
 レンガだけは、全く新しく積みなおした場所はなかったように思えました。



 町歩きの楽しみは、形ではなく雰囲気や印象を大事にすることかと思っています。



 この塀などは、下部は大きめの石を空積みにして、上部は赤土で小さな石を留めてありますが、底辺から上部にかけてそっくり返るほど、後ろへ角度をつけて積み上げてあります。地盤が砂地のため弱いということなのだろうか。
 形から、原因を推論する。楽しい作業です。

 奈半利町の石塀とは、積み方に少し違いがあります。考えてみると面白そうです。
 あと2~3日、吉良川の街並みを楽しむ時間がとれそうです。

 それに吉良川町って案外と人の住んでいない家が結構ありますね。もったいないと思うのですが、ご時世ですからね、仕方ないということなのでしょう。
 かつては商店としてお客を迎えていたような家も、今は普通の住宅となっているのは仕方ないにしても、ほとんどのそうした家がカーテンを閉めていて、視界を遮断しているのも気になります。

 道路も全体として車社会に対応した形になっていないのですから、駐車場の位置や駐車台数に問題がありますねえ。

 観光事業として考えると、いくつか問題がありそうですが、いい場所です。
 もっともこの町は歩いて見て回るべき場所ですから、座る場所がもっとあるほうがいいようです。そして周辺に駐車場ですね。
 広くなくてもいいですから、あちこちに2~3台ずつ止められるような、ミニ駐車場を作ればいいですね。

 カメラを持って、ゆっくり歩ける場所です。