ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

蔵の壁

2010-02-09 10:19:44 | 建造物入門
 この蔵は奈半利町にある濱田典弥邸の蔵で明治後期の建築とされています。すでに100年をゆうに経過しているのですが、古びた印象を与えません。

 写真は蔵の南面の壁で基礎の上に海鼠壁、そして水切り瓦が5段?6段だったかがついています。左官職人が持っている技術を駆使して作ったものであることは一見してわかります。

 4隅の際には角のような造作があり、印象を強くしています。
 この家には今は基礎しか残っていないのですが、米蔵は別にあったようですから、この蔵は資産保管のための蔵です。

 蔵の入り口の扉には家紋の丁子紋が入り、自己主張をしているようです。
 あちこちの蔵に家紋が扉に施されているのです。また屋根の瓦にそうした意匠がありますが、あれはやはり、家格を誇示しようとしたものでしょうかね。

 俺のところは・・・だぞ」といったところです。
 表札を出すだけでは、足りなかったのですね。

 我が家にも蔵らしきものがありますが、中に入れる価値あるものがありませんから、単なる物置になっています。ああ!!。これは関係なかったですね。失礼。

 この蔵の北の壁の傍に小さなステージを作ってミニコンサートを開催したことがありましたが、夕暮れから夜間になるにつれ、これらの壁をライトアップすることで、演出的には成功したことでした。
 下部からライトを当てると水切り瓦の上に影の帯ができて、幻想的な場を作ってくれます。
 薪で篝火を炊いても、揺れる炎が壁に映って表情が出ましたね。
 いいスクリーンになりました。

 この蔵。さほど大きくもない蔵ですが、実に印象的な蔵です。


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