高知県の東、奈半利川の東と西、田野町と奈半利町に2体のお地蔵さんが祀られています。名前を「向かい地蔵」と言います。ただ奈半利町のほうには別に1体のお地蔵さんが祀られています。今日はそんな話です。
もう随分と昔の事になりました。まだ刀を差して歩いている侍がいた頃の話です。
田野と奈半利は何かと仲たがいをして、大人でも、どこかで出会うと口争いをするのです。子供たちまで川を境に、互いに石を投げて喧嘩三昧といった日々でした。
山内の殿様が来る前は奈半利の方が地域の交通の要衝として栄えていたのですが、山内の殿様が着てからは、殿様と共に掛川からやってきた商人達の住居を田野にしたり、商人としての様々な特典を彼らに与えたことから次第に田野の方が繁栄していたのです。
あるとき、川で泳いで遊んでいた両方の町の子供達が、川の中で出会ってしまったのです。殴り合い、石をぶつけたりと大喧嘩となりました。互いに無事に済むわけもありません。
怪我をするもの、さらに気を失って川に流されて、溺れ死ぬものまで出てしまったのです。当時、川は子供たちにとって、本当にいい遊び場だったのですが、突然惨劇の場となってしまいました。
そうなると「子供の喧嘩」というわけも在りません。郷庄屋・浦庄屋・老・双方からみながが集って評議をしたのです。悪いのは双方です。大人も普段から仲が悪いのですし、やったのは子供達です。もちろん相手を殺す気などなかったのですし、事故だったのです。互いに傷を負い、心を病んでしまったのです。
「なんとかしないと、いつか何かが起きる。」と、皆がそう思っていたのです。
考えないようにもしていたのです。
田野と奈半利。両方に向き合う形で「お地蔵さんを建てよう。」
もう仲たがいをするのも「止めよう。」
と言ったとか、言わなかったとか・・・・。
そうしてできた「向かい地蔵」。
それがいつの間にか、奈半利のお地蔵さんは、高札場の隣で南を向いて立っていますし、2体もあるのです。なにかそっぽを向いているようにも見えます。
道路整備か何か、理由があるのでしょうが、南を向いています。
田野のお地蔵さんは東を向いて、池谷川の傍で、相変わらず奈半利の方をむいて立っています。
長い間、子供達を守ってくれているのだけは、確かです。
そして平成16年ごろ、互いに古くなった祠を田野のお地蔵さんの分は、地域の方々の善意で、そして奈半利のお地蔵さんの分は「なはり浦の会」と高知県立工業高校の生徒さん方の好意で再建されました。
いまでも近隣の方々が、前を通るたびに頭をたれ、手を合わせています。
いつも花やお菓子が祀られています。
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もう随分と昔の事になりました。まだ刀を差して歩いている侍がいた頃の話です。
田野と奈半利は何かと仲たがいをして、大人でも、どこかで出会うと口争いをするのです。子供たちまで川を境に、互いに石を投げて喧嘩三昧といった日々でした。
山内の殿様が来る前は奈半利の方が地域の交通の要衝として栄えていたのですが、山内の殿様が着てからは、殿様と共に掛川からやってきた商人達の住居を田野にしたり、商人としての様々な特典を彼らに与えたことから次第に田野の方が繁栄していたのです。
あるとき、川で泳いで遊んでいた両方の町の子供達が、川の中で出会ってしまったのです。殴り合い、石をぶつけたりと大喧嘩となりました。互いに無事に済むわけもありません。
怪我をするもの、さらに気を失って川に流されて、溺れ死ぬものまで出てしまったのです。当時、川は子供たちにとって、本当にいい遊び場だったのですが、突然惨劇の場となってしまいました。
そうなると「子供の喧嘩」というわけも在りません。郷庄屋・浦庄屋・老・双方からみながが集って評議をしたのです。悪いのは双方です。大人も普段から仲が悪いのですし、やったのは子供達です。もちろん相手を殺す気などなかったのですし、事故だったのです。互いに傷を負い、心を病んでしまったのです。
「なんとかしないと、いつか何かが起きる。」と、皆がそう思っていたのです。
考えないようにもしていたのです。
田野と奈半利。両方に向き合う形で「お地蔵さんを建てよう。」
もう仲たがいをするのも「止めよう。」
と言ったとか、言わなかったとか・・・・。
そうしてできた「向かい地蔵」。
それがいつの間にか、奈半利のお地蔵さんは、高札場の隣で南を向いて立っていますし、2体もあるのです。なにかそっぽを向いているようにも見えます。
道路整備か何か、理由があるのでしょうが、南を向いています。
田野のお地蔵さんは東を向いて、池谷川の傍で、相変わらず奈半利の方をむいて立っています。
長い間、子供達を守ってくれているのだけは、確かです。
そして平成16年ごろ、互いに古くなった祠を田野のお地蔵さんの分は、地域の方々の善意で、そして奈半利のお地蔵さんの分は「なはり浦の会」と高知県立工業高校の生徒さん方の好意で再建されました。
いまでも近隣の方々が、前を通るたびに頭をたれ、手を合わせています。
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元気ですか?
そのうち民話集でも作ってみますか。
出来ればですがね。
ゆっくり集めましょう。
急ぎません。ゆっくりと。