夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

唐美人図 月岡雪斎筆

2011-06-07 06:12:00 | 掛け軸
ずいぶん前に写真と撮ったデータしかありませんのでピンボケはご容赦願います。

上方浮世絵のはしりの画家の一人です。上方浮世絵では西川祐信が著名です。
月岡雪斉は絵が固いので、私はあまり好みではありません。

だいたい画家の位のにこだわるところが俗っぽいです。法橋、法眼、法印というのをご存知ですか・・。いまでいう免許皆伝? 僧の位を画家に与えたもので、狩野派が主体です。それなりの金額でやりとりされてことは想像に難くありません。

唐美人図 月岡雪斎筆
絹装軸絹本着色箱入 326*878 





本作品は63歳の作であることが、落款からわかります。制作年代が書かれている作品は珍しいです。思文閣の文献に同じような唐美人(西王母)に頼山陽が賛をした作品があります。全く同じ印章が使用されており、印章は「秀栄」の朱方印、「大素」の白方印です。

 


父である月岡雪鼎ととも一家を成しましたが、同じような作品が存在することから工房のような製作活動が窺えます。仙台の骨董市より入手しましたが、表具が痛んでおり再表具しています。他の代表作に「観桜美人少女の図」、「弦琴図」があります。

月岡雪斎:月岡雪鼎の養子で長男。大坂の人。名は秀栄。字は太素。魏江斎と号す。父及び狩野派の吉村周山に絵を学んだ。天明(1781年-1789年)末から天保(1830年-1844年)の頃に活躍し、人物画、花鳥画を得意としていたが、特に肉筆美人画にその手腕を発揮し、雪斎による美人画は父・雪鼎より練達した筆致で描かれ、注目すべき作品が多い。「月下舞妓図・雪中詠歌図」は2図ともに所作の手を休めたつかの間の風情を捉えており、父譲りの品のよさに雪斎独自の涼しい色香が感じられる。全体に色調が今ひとつ洗練されず、筆致や構成に生硬な印象もあるが、それはそれでまた若々しく清新な魅力になっており、淡墨を掃いた背景には爽やかさが感じ取れる。天明7年(1787年)頃には父と『和漢名家画繍』を合作している。雪斎は法橋を経て法眼に叙せられている。また、後年には江戸に移ったともいわれる。天保10年(1839年)2月1日死去した。

雪斎の養子となったのが明日投稿予定の月岡芳年です。そのほかに門人に弟の月岡雪渓がいます。


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