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腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ドラゴンクエストⅣ ~導かれし者たち~(PS版)

2025年04月22日 23時58分35秒 | PSゲーム感想文
【ハード】PS(PS3互換プレー)
【メーカー】エニックス
【発売日】2001年11月22日
【定価】7480円(現物版)
【購入価格】不明(中古)
【プレー時間】29時間


再プレー欲は年を食ったゲーオタの常である。「昔やったゲームにはもう未練などない」なんてことはない。……そんな人もいる、のか? 知らん。
まぁ現実としては環境的に今プレーするのが難しいゲームも多いし、何より意欲と「今やっても楽しめるか」は別問題だ。やってガッカリ、も十分あり得る。
思い出から10年20年経っての再プレーとなると特にリスクは大きい。その意味ではやらない方がいい。触れない限り思い出は壊れないから。その判断は正しい。
ただまぁ、俺はその辺気にしちゃ負けだと思ってる。なんなら思い出を壊してもオッケーだと。それがゲーオタとしてのサガだと。嫌ならゲームを止めろと。
思い出とは別に、今そのゲームで感じたことを残せ。それがゲーオタの再プレーだ。……まぁ積みが溢れてるんだから、そもそもやる時間ないはずなんだがな。
てなわけで今回手に取ったのは「ドラゴンクエストⅣ ~導かれし者たち~」である。今更説明するまでもない、比類なきドラクエの4作目、のPSリメイク版だ。
本来ならオリジナルファミコン版をやりたい。持ってるし。が、俺の現環境だと実機プレーは無理がある。現実的に残念ながら今回は諦めるしかなかった。
だがPS版なら比類なきPS3互換により楽にプレー可能。これだよな! てことで決定したのであった。全くPS3の互換機能は未だ神である。偉いハードである。
前回プレーは20年以上前でよく覚えていない。ケースが割れてるB級中古で安く買ったのは覚えている。まだまだ正面からゲームを楽しめていた頃である。

むぅ。ドラクエ4。とは!? ……いやだから説明要らんやろ。ドラクエの4作目。ロト3部作を終えたシリーズが新たな大地(ネオジオ)に踏み出した一本だ。
ゲームにまだまだ未開地があった当時、ドラクエ4は「オムニバス形式シナリオ」という新たな挑戦をした。まぁオムニバスのゲームはこれ以前にもあったけど。
主人公が勇者であることは変わらないが、勇者の登場はゲームの最終第5章。それまでの1~4章は勇者の仲間達が勇者と合流する前の戦いを描いている。
その間は仲間達を自分で操作し、5章になれば彼らはNPCとしてAIで行動する。……今考えてもかなり「攻めている」と思う。当時の熱い挑戦心が伺えるようだ。
それでいてインターフェースはドラクエらしい分かり易さを踏襲し、誰もが遊べるRPGになっていた。難度面では寧ろ2や3よりずっと遊びやすかったと思う。
ファミコン後期のタイトル故に容量も4メガ(ビット)という当時の超大容量で、実はグラフィックが非常に綺麗で見栄えがした。ファミコンなりに、ね。
遊びやすく、美しく、もちろん面白く。ロトが終わってもドラクエは健在だと世間に知らしめるには十分な、シリーズの新たな歩みを始める一本だった。

……で、それから10年ちょい後の2001年、このPSリメイクが発売された。前年に「ドラクエ7」が発売されており、制作会社やスタッフもほぼ共通している。
つまり7のスタッフとフォーマットを流用して安く4のリメイクを仕上げるで~というビジネス色の強い企画だった、と思う。別にそれが悪いわけじゃないが。
なので見た目は7とよく似ていて、移動の感覚や画面回転もほぼそのまま。7の美徳である読み込み時間の短さも踏襲されていて、プレーは非常に快適。
尚7で実にアレだったムービーは(OP以外)今作にない。制作費をケチりかもしれんが、これは正しい判断と言えるだろう。……7が間違っていたとも言えるが。
ゲームバランスは大幅に手を加えられていて、良くも悪くもFC版の感覚とは違う。ミネアのHPといった問題も対応されているので、個人的には好印象だった。
シナリオは基本同じだが、7の流れから「仲間会話システム」が採用され、全章において任意で仲間との会話が楽しめる。場所により変わる会話の種類は膨大。
これによりFC版より格段にキャラ付けが強化されていて、クリフトのアリーナ愛なんかは今作が発祥で、以後公式設定としてすっかり定着してしまった。
多くの部分を想像で補っていた(楽しんでいた)FC版のキャラが、PS版以降は情報量が圧倒的に増え、良くも悪くも公式が決めた性格と設定で定まった。
それを不快に思うファンもいただろうが、こういうのは仕方ない。PSリメイクでFC版まんまのダンマリなんて許されない。リメイク、豪華化とはそういうもの。
この時点でドラクエも誕生から15年、既に「続けることの問題」は起こっていたのだな。無論恩恵の方が大きいから、会社もファンも続けるしかなかったのだが。

そしてPS版最大の追加点であり問題点が「第六章」である。説明するまでもなく、全5章構成だったFC版のラスボス戦後に、新たに物語が追加されたのだ。
それにより新規ダンジョン・新敵や新ボスが幾つも追加され、プレーの幅が大幅に伸びた。FC版はクリア後、レベルを上げても戦うべき相手がいないからな。
元々FC版の時点で6章の存在は噂されていた。それを堀井氏が「ドラクエ5」にてクリア後ダンジョンという形で回収し、以後シリーズのスタンダードに。
6や7でもクリア後要素は存在していたから、今作に6章が追加されるのは極めて当然の流れだったと言える。……が、ファンの心情はそう単純ではない。
まぁダンジョンやボスの追加は別にいい。しかしシナリオとなると。ぶっちゃけ俺は六章大嫌いで大反対派である。これ採用した堀井死ねと未だに思ってる。
「可能であればFC版を再プレーしたい」と思っていた理由もこれで、蛇足の極みである六章をやりたくなかったのだ。ホント、余計なことを。「続ける」から!
ちなみに六章は5章終了後強制的に始まる。「特殊なルートを選べば」てわけじゃない。故に今作をプレーするなら無視することは叶わない。あるのがいけない。
はぁ。まぁもうしゃーない、諦めよう。電源ポチ。……OPムービーが、ダサい。ハートビートはほんまムービー駄目だな。これならFC版準拠の方が良かったよ。
FC版は初めて序曲が前奏から始まり、「Ⅳ」が似非縮小しながら登場する最高のカッコ良さだったのにな。あれはファミコン全体でも屈指のOPデモだった……。


・序章
じゃあ早速ライアン操作して人妻を連れ回すぜ~~…………てあれ? そうなのだ。いきなり追加要素、序章が始まった。その意味では今作は全7章構成だな。
FC版は勇者を操作するのがマジで遠く、入力した名前を忘れちまうほどだった。なので「最初に主人公を操作する」この追加要素はいい判断だったと思う。
つっても中身は非常に簡素で、操作練習を兼ねて幼き勇者の日常が軽く描かれるだけ。同時に幼馴染のシンシアや彼女の得意呪文といった伏線も描かれる。
ここをプレーすることで5章での感情移入度は大きく増すことだろう。……それが良いこととは断言できないが。ホントになぁ。知ってて体験する悲劇は辛い。
惜しむらくは、勇者のグラフィックが5章と同じなこと。この時点では小学生程度だろうから、相応の絵を用意してほしかった。容量なんぞ幾らでもあるんだし。
この時点であの髪飾り(俺は男勇者)をしてるのも不自然だし。敢えて「単なる村の少年」て絵だったら、村人の対応やらがよりリアルになったのにな。


・第一章 王宮の戦士たち
すわ慣れ親しんだゲームの開始。ちなみに「魔物がまだ子供の勇者を探している」という設定から、序章と同時期くらいの話ということになるのかな。
ゲーム的にはどんどん章が進んでいくから何となく連続しているように感じてしまうが、今作の時間軸は1章から5章で10年ほど経ってると思う。明言されんが。
結構重要なとこだから、軽くでも触れておけばよかったのにと思う。例えばライアンが合流時「苦節10年、遂に!」て言うとか。それくらいなら可能だろうに。
まいい。バトランド国全体で問題になってる子供誘拐事件の解決を命じられた王宮の戦士たち、その中にこの章での主人公・赤い鎧のライアンはいた。
ゲーム的に最初の章ということでパーティはライアン一人(後にNPC一匹)、街は2つ、ダンジョンも実質2つと非常に簡素で、チュートリアル的な作りだ。
ただでさえそうなのにリメイクで難度が下げられていて(多分)、ほぼ稼ぎ不要でガンガン進んでいける。ホイミンが加入すればより楽になり実に快適。

終盤に破邪の剣が手に入ることは既プレー者なら誰でも覚えてるはず。俺も定石通り防具ばかりを強化し、入口のない塔へ。空飛ぶ靴、使うと超怖いだろうな。
破邪の剣を手に入れればもう無敵、ホイミンとのコンビでピサロの手先という実質名無しのボスを倒して一章終了。ライアンは勇者を探す旅に出るのだった。
……「勇者が覚醒する前に殺す」のなら、いちいち誘拐などせず子供全部殺せばいいのにね。そゆとこ甘い。いやいや、ゲームだから! 子供の教育を考えろ。
すっかり名コンビになったライアンとホイミンは、この後10年(想像)、一緒に各地を旅したと思われる。うーむ、何かの外伝で描いてほしいものだな。
ホイミンが5のモンスター仲間システムに繋がったのは周知の通り。その後形態を変え、モンスターを仲間にする要素はドラクエでは欠かせない要素になった。
ドラクエ全体で考えても偉大な仲間である。……人間になれて、良かった? 今では後悔してない? 人間の醜さを知った人ホイミンの外伝も見てみたい……。


・第二章 おてんば姫の冒険
孤独な一人旅(後に怪物追加)から一転、今度は最初から3人の賑やかパーティー! しかも主人公はお姫様! 武闘家! 可愛い! 言う事無し!!!
実際アリーナはとてもキャッチーで、「戦う女の子」界に与えた好影響は多大なものがあったと思われる。特に格闘メインの女性キャラとしてはほぼ始祖では?
その脇を固める神官クリフト・魔法使い爺ブライ。水戸黄門に慣れ親しんだ日本人には分かり易い3人組だ。FC版の時点で3人の会話が自然と想像できていた。
では開始。最初は城から出ることを禁じられているアリーナは、自室の壁を壊し脱走する。壁は以前一度蹴りで破壊していて、補修するも脆くなっていたのだ。
それはいいのだが、その補修状態のグラフィックが……さすがにリメイクでこれはないんじゃない? ドリフのセットでももうちょい金かけて作ると思うよ。
サントハイムって貧乏国家なのか……とちょっと我が国の財政が心配になったのであった。武者修行もあるけど武力で外貨稼いできますわお父様。

二章をやってて思うのは、「アリーナが弱い」こと。え!? あの誰もが認めるドラクエ4最強キャラのアリーナが!? キラーピアスで会心連発なのに!?
はい。知ってる人は知ってるが、アリーナの会心率はレベルに比例する。つまり低レベルの間は低い。計算法の事情により、他キャラより低かったりする。
更に今作ではFC版より発生率が下げられている。まぁFC版はさすがに出過ぎだったと思うのでこれは仕方ないと思う。要するにアリーナは弱体化した。
序盤はとにかくパワー不足でロクにダメージを与えられず、パーティの足を引っ張ることになる。下積みの苦労を描いているとも言えるが。ンなわけねーよ。
なので一章と違って多少の稼ぎが要るバランスだが、それでもしんどいってほどじゃない。後半のアリーナの強さは言うに及ばず、今はコツコツ鍛えよう。

この二章は生贄やら偽者やらでイベント的にとても賑やかで、そちらは大いに楽しめるだろう。偽アリーナ一行は味があって好きだったなぁ。
そこに今作での仲間会話システムが混ざり、ますます盛り上げてくれる。今作の中で気楽な冒険を一番楽しめる章であろう。こういうのがいいんだよ……。
偽者イベントでは超重要アイテム「黄金の腕輪」が登場するが、5章でのそれとは特に絡まない。シナリオ的に上手く絡ませられなかったのだろうか。堀井ぃ。
中盤、父であるサントハイム王の声が出なくなり、治療法を探すイベントが発生する。王は予知夢を見て、それを話そうとすると声が出なくなったらしい。
……これさー……35年前から突っ込んでるけどさー……「筆談しろや」て。声を戻すのはいいとして、まず何よりも予知夢の内容を伝えなきゃならんやろが。
なぜ誰も筆談を思いつかないんだよ。はいはいゲームの都合さ! でもさすがにこれは不自然極まる。伝えようとすると呪いで苦しむとかでよかったのでは。

そして二章最後の大イベント、武術大会。アリーナもそこそこ成長してるものの、なんせ個人の勝ち抜き戦。シリーズの中でも最も薬草が輝く場面だと思う。
ここは4体までは装備とレベルで勝てるんだが、問題は5体目、恐怖の運ボスことベロリンマン。最初に言っておくと、今作でも完全ランダム仕様は変わらず。
「1/4の確率でしか攻撃が当たらない」という、普通に考えてあかんやろこれと思わされるボス。何気にシリーズ全体でも非常に印象的なボスであろう。
「こんな確率なら、運が悪いと一生倒せないんじゃね?」と思ってしまうが、結局のところなんやかんやで攻撃は当たり、結果として倒せてしまうのが面白い。
「確率は収束する」的な数学的概念を学ばせてくれる知的ゲーム・ドラクエ4である。いやホントにね。こいつに勝てると毎回不思議だなぁと思ってしまう。
で。さあ決勝戦だ。なにぃっ、デスピサロがいないっ! ……彼は進化の秘法を求め、行った……のかは知らんが、名前だけ印象付けて姿を消した。
取り敢えず武者修行を終えた一行はサントハイムに戻るが、そこは誰もいない無人の城になっていた。一体何が? 父王らは無事なのか!?!?
波乱の展開を予想させ、第二章終了。……尚この全員失踪の謎はクリアしても明かされない。緻密なようでテキトー、それがドラゴンクエストのシナリオ。


・第三章 武器屋トルネコ
保守的なようで攻めるゲームドラクエ4、次のキャラは商人!! もちろんドラクエだから戦闘もあるにはあるが、この章のメインは文字通り金儲けである。
今章主人公のトルネコは世界一の武器商人になる夢を持つ中年男。……イラストを見るに最低35歳くらいは行ってそうだが……その年で、世界一になる夢?
現実のトルネコはレイクナバという田舎の武器屋の雇われ店員である。10代ならともかく、30代女房子持ちでここから世界一になる夢を持つって……アホなの?
しかし知っての通り、トルネコはこの夢を実現させる。それどころか勇者パーティの一員となり、世界を救う偉業の一端を担ぐことになった。まさに英雄。
トルネコは設定通りに戦闘能力は低く、ガチ攻略で使う人はまずいない。俺もそうだ。そこを弄られ、無用の存在と笑われることも多い。……現実は残酷だ。
だが実際には描写されていないだけで、今作での船はトルネコのものだし、それ以外にも財力やコネクションでパーティの旅に大いに貢献しているはずだ。
遅咲きの夢を限界値越えで叶え、世界平和にも貢献し、増長もせず糟糠の妻と子供と今も仲良く暮らす。導かれし者たちの中でも随一の「成功者」である。
FC版当時は嘲笑対象だった男が、30数年後には輝いて見える。あるあるである。はぁ。なんだったんかな俺の人生。もう死のうかな。誰もいないし……。

そんなトルネコが主役の三章は、固定ボスもおらず、実は戦闘ゼロでクリアすることも可能。とにかく金儲けが主体で、扱うゴールドも桁違いに大きくなる。
それでいて全滅で持ち金半減の法則はそのままなので、最初に「鉄の金庫」というそのペナルティを無くす道具を手に入れる。まぁ任意だが誰でも取るだろう。
……そんな金庫背負って旅するの死ぬほど大変じゃない? トルネコ、実はちから255説。バレると面倒だからギルドには隠しているが。なろ~う!! いいね。
この章では敵のドロップアイテムに修正が入っていて、落とす確率が高い上に驚くほど良い品を落とす。それらを売りさばくだけでも序盤は結構稼げる。
つっても後になるほど稼ぎはしやすいから、さっさと進める方が得策だろう。防具で儲けつつエンドール・ボンモール戦争を阻止するトルネコはマジ英雄商人。
そして金と信用を貯めたトルネコは、遂にエンドールに念願の店を開店!! 世界一都市の一等地だから出世しすぎである。レイクナバの武器屋旦那元気か?
あとFC版も通じて初めて「女神像の洞窟で目ぼしい宝を5章に回す」プレーをやってみた。……これはいいね。目論見通り、5章開始時の勇者達に役立った。
こういう頭脳プレーを35年前から思いつく人間だったらなぁ。思わぬところで心を抉ってくれるドラクエ4であった。

……で。ここからはこの章の闇……「実は世界一の商人は"彼女"では?」という疑問を誰もが持つようになるだろう。そう、トルネコの美人妻・ネネである。
トルネコがそこらの店から定価で仕入れた品を、ネネは翌日にはその何割増しかで売っている。目の前の店で買った品であろうとも、だ。理解不能である。
ドラクエの世界は定価販売が徹底しており(ゲームの都合と言うな!)、今作でも同じ品はどこへ行っても同じ価格だ。それをネネだけが、より高値で売る。
この神業極まりない手腕にトルネコ含め誰も突っ込まないのが謎である。……そして邪推が始まる。つまりネネは、何か付加価値を付けて売っているのでは?
美人妻がモノを売る際の"付加価値"……あまりにも、青少年の毒である。堀井さんええんかこれ。大人になった今でもヤバいよ。トルネコとしてもキツいよ。
まぁ一応「お弁当をおまけに付けているから」が公式回答だとどっかで見たが……その程度でぇ? そりゃ薬草効果を持つ神弁当であることは知ってるけども。
真面目に話すと、このネネの超能力は明らかに反則で、この章後半の「金儲け」を大きく歪めてしまってると思う。そこにトルネコの努力も能力もないからだ。
「安く買って高く売る」は商売の基本だが、それが楽には出来ないから誰もが苦労しているのだ。なのにネネさんはそれを極めて楽にやってくれている。
なーんかなぁ。楽しい章だったが最後に甘えを感じて萎えるところがあった。「トルネコは家族全員で商売をする商人一家です!」てことなのかのう。

ラストは別大陸へのトンネルを自費で開通させて終わるわけだが……ここで非常にムカつく描写があった。トンネル開通したら、ネネが教えてくれるやん。
そして急いで見に行くと……なんと既に利用者が何人も歩いているのである。トンネルは交通網として利用が開始されていたのだ。……いやいやいやいや!!
普通に考えて、大功労者であるトルネコをまず一人目の利用者としてオープニング歩行させるやろ!? この感覚は時代や世界に左右されないはずだ。
なのに開通の連絡を受けて行ってみたらもう愚民どもが使ってるって……スポンサー様を何だと思ってんだ。マジでブチ切れたよ。ピサロに寝返りたくなった。
この話をトルネコに引き継いだジジイがニコニコと感謝を語ってきやがるが……こいつが何故途中で事業を頓挫させたかよく分かった。空気読めなさすぎだ。
まぁしかし、世のため人のためにやる事業ってのはこういうものなのかもな。感謝など求めてはいけない。人生の真実を教えてくれるドラクエ4の三章であった。


・第四章 モンバーバラの姉妹
姉は踊り子、妹は占い師として芸を生業に旅をする姉妹。ちなみに双子ではない。二人はモンバーバラでの契約期間を終えて、新たな町を目指して旅に出る。
旅の目的は、父の仇を探すこと。……芸人姉妹に似つかわしくない物騒さだな! 二人の父エドガンは錬金術師で、「進化の秘法」なるものを研究していた。
その成果を弟子であるバルザックに掠め取られ、更に口封じのためか殺されたらしい。……二人がなぜそこまで詳しい事情をしっているのかは分からんが。
進化の秘法。それは今作の物語における鍵と言える技術(?)。文字通り、生き物を一段上の能力を持つものに進化させるらしい。猿から人間、な感じ?
これを使って絶大な力を得、代わりに心を失ったのがデスピサロであり、改良された秘宝でより凶悪な力のみを得たのが真ラスボスのエビルプリーストだ。
要はエドガンの研究はこの世界を滅亡の危機に陥れたのである。……これ、「本人の責任ではない」と言えるだろうか。30数年前から疑問に思っている。
どう考えても現実で言うマッド科学者的な研究であり、倫理的には一発アウトだ。エドガンだってそれは重々承知していただろう。なのに研究を続けた。
そして結果は世界大混乱である。「封印するつもりだった」とか言い訳すんなボケ。申し訳ないが、俺は姉妹の復讐に正直感情移入出来ないのであった。はぁ。

なので俺目線では復讐ではなく親父の尻拭いの旅である。秘宝を放置するのはあまりに危険。バルザック共々葬り去らねば。……殺すの? バイオレンス姉妹。
この章でも二章のような、例えばお忍びで歩いてた王族がマーニャに一目惚れするみたいなお遊びっぽいイベントがあってもいいと思うが、残念ながら皆無だ。
中でもアッテムト炭鉱の暗さは今も伝説的に語られるほどで、BGMに終始エレジー(全滅のテーマ)が流れるという、子供の自殺を誘発するような場所である。
あそこは出すにしても5章だけで良かったのではと思う。4章にも出てくるから「ずっとあのまま」感が出て、悲惨さを倍加させてるんだよなぁ。嗚呼、現実。
シナリオは終始バルザックたおすのだ~~と歌いながら進むような流れで、キャラはキャッチーなのに話に色気がない。これは結構な不満点である。
ちなみに2001年ということで、さすがに現在行われてるようなマーニャガードはなく、「らしい」マーニャである。ポリ汚染されてないドラクエ、嬉しいね。
「ヒーローズ2」辺りでは現代的マーニャを存分に堪能できるのだろうけど、その頃にはもう割とガード入ってるんだろうな。全くこの上なく下らない現実だ。
ゲーム的にはマーニャは完全に魔法使いで、ミネアは戦士寄りの僧侶という感じかな。鉄の鎧を装備できるのは逞しい。重装備ミネア、なんか好き。
やがてエドガンの弟子(正)であるオーリンがNPCとして加わり、ここにバルザックを殴る準備は整った。……オーリン、"欲"との戦い大変だっただろうな。
周知の通り、3人はバルザックこそ倒す(生きてる)ものの、そこに現れる上司のキングレオになすすべなくボコされ、結果として復讐は失敗に終わった。
ここでのキングレオ戦はドラクエ初の負けバトルとしてつとに有名である。「そんなことが許されるのか」とFC版の頃に驚いた記憶がある。これも攻めてるな。
今作では死ぬほど鍛えれば勝てるらしいが、俺はもちろんそんな手間はかけない系なので素直に首を預けた。2回攻撃がなくなり、確かに弱くなってたな。
復讐にも秘宝の封印にも失敗しオーリンも失った失意の二人は、とある老人の手引きにより国を脱出した。目指す先は、世界の中心・エンドール……。


・第五章 導かれし者たち
さぁ遂に始まる主人公の物語。勇者が勇者として旅立ち、これまで見知った7人の「導かれし者たち」と出会い、世界を救う、即ちドラゴンクエストⅣ。
……が、その始まりは、悲劇というのも憚られるほどの惨劇である。これについては語ることもない。FC時代から少年の心に重い影を落とすイベントだった。
隠し部屋に閉じ込められた勇者、しかし外の音だけは聞こえる。激しい戦闘音と悲鳴。村が劣勢なのは明らかだった。何もできず立ち尽くすだけの無力な勇者。
やがて魔物の「勇者を仕留めました!」という声が響く。それに「でかした!」と返す魔軍のボス。自分はここにいるのに? ……答えは、明らかだった。
魔軍が引き上げた後、勇者はやっと外に出る。そこには全てが破壊し尽くされた愛すべき故郷があった。……いやー、泣けるよね。怒りで、泣けるよ。
「知ってる」から羽帽子は拾っておいたが、これは特別なアイテムとしてアリーナの所持品等と混ざらないよう注意し、最後まで袋の底に大切に保管した。
この時点で勇者は事態をどこまで理解していたのだろう。喋らない主人公だから分からない。だが俺は、聡明な彼は自身の正体から全てを理解したと思う。
この惨劇を起こした仇の正体を含めてだ。村に滞在していたあの男。状況判断と「でかした!」の声から、勇者は憎むべき敵が誰なのかを認識したのだった。

はぁ。全部知っていても、このイベントは泣けたわ。ドラクエ4の一番すごいとこかもしれん。ようこんなのを子供にやらせたな。俺は深く落ち込んだよ。
で。俺が六章を否定する理由は、もちろんこれである。デスピサロ……ピサロの復活、そしてあろうことかパーティーに加入。狂ってるとしか思えない。
今作では「ピサロ側の事情」も描かれる。何も考えず人間を憎み滅ぼそうとしたのではなく、愛するロザリーを殺されたことへの奴からの復讐だったのだ。
それはそれでいいと思う。奴が人間を恨むことを不当とは言わない。個人的には所謂「主語デカすぎ」と思えるが、そこは自由だ。やりたいようにやればいい。
だが当然、そこには相反する「人間の事情」が存在する。ならず者数人の暴虐を理由に全人類が滅ぼされるとか、そんなの受け入れられるわけがない。
なら人と魔族はどうすればいいのか。話し合いで解決? もうそんな次元にはない。なら。戦うしかない。そして両者は戦った。実際には勇者と魔族、だが。
その過程で勇者たちはデスピサロの事情に触れた。同情もしたかもしれない。けど、それが何だ? だったら剣を途中で止めるのか? そして殺されるのか?
故郷を滅ぼし両親や大切な幼馴染を殺した憎き敵であり、ロザリーへの愛ゆえに進化の秘法で破滅に至った哀しき男。勇者は様々な思いを込め、とどめを刺す。
僅かな後味の悪さと共に、勇者と導かれし者たちは自分たちの居場所に戻る。勇者の故郷にはシンシアの姿……が、幻想だろう。人は死ねば終わりなのだから。
これにてドラゴンクエストⅣ、完である。単純な「魔王」の概念から一歩先に行った、ドラクエ新章として相応しい終わり方になっていたと思う。

……なのに、だ。ロザリー復活! なんかスゲー花を添えたら!! そのロザリーの説得で、闇落ちデスピサロもピサロとして復活! 祈りのパワー最強!!!
同時に黒幕の正体が判明したから、皆で力を合わせて倒すぜ! 倒したぜ! ピサロとロザリーは幸せに暮らしましたとさ! 勇者? 幻でも見て泣いてな!!
アホすぎて論ずるに値しない。小学生だったらいいよ? いや全然よくないよ。これが国民的RPG・ドラクエⅣのリメイク版で追加された第六章の内容である。
本当に、どう生きたらこんな小学生でも許されないような、ご都合主義とさえ呼べない展開を思いつき、あろうことか採用できるのか。寸分も理解できない。

先日、リメイクにて男女のない世界を作ったキショクエ3HDについて、堀井氏が「男女にして誰が文句言うんだろうね? 分からない」とコメントしていた。
俺は「総責任者のお前が何をほざいてくさってけつかんじゃぁあああ!!!!」とマジで即切れした。一体何を言ってんだこの爺は。死ねよもうほんま。
……が、結局「堀井雄二といえどドラクエの内容を好きに出来るわけではない」のが現実なのだろう。現実でも国の王が何でも好き勝手出来たりはしない。
ドラクエの顔、総責任者として世間に認知されているが、氏がどの程度制作に関与しているのか、外部からは分からない。恐らくその割合は想像より低い。
例えばドラクエ6のテリーの弱さは氏にとって計算外だったと言われてる(ネッツ情報)が、ンなもんテストプレー1回やれば自明だろがと思う。
それすらしてないからあんな状態で6は発売された。調製を任せた(監督を放棄した)から予想外の結果になったのだろう。そんなとこだと思う。知らんけど。
まいいや。繰り返すが外部からは何も分からん。現実として、リメイク4の第六章は小学生も引くほどの幼稚でダサくて本編を台無しにする最低のものになった。
その責任は、総責任者の堀井氏にある。言い訳は通用しない。だから俺はこの時点で割と堀井氏を見限っている。まぁ以後のドラクエも面白かったけどな。

更にピサロは【長髪美形剣士・ダークヒーロー】な要素が受けた(正気かお前ら)のか、その後も度々スピンオフに登場し、遂に「モンスターズ3」で主人公に。
いやー。お前らドラクエファンや制作者って、4主人公の気持ちを全く考えないサイコパス揃いだよね。どう生きたらそんな感性になるのかほんま理解不能だ。
はっ。すまんすまん八つ当たりしちまったよ。俺も例えば「ヒーローズ」でこいつ使ったしな。そら出てくるんだからしゃーないだろ。俺のせいじゃない畜生。
こいつは俺とドラクエ(堀井氏)の間に明確に分断を生んだ、個人的に非常に罪深いキャラなのだ。まぁ悪いのはこいつと言うより狂ったリメイク担当だが。
はぁ。けど今更何を言っても、もうピサロは立派にドラゴンクエストの人気キャラ。それが現実。ヤならシリーズ追うのやめれば?ww ……そうだね。
ホントそうだ。ずっと追ってりゃこういうこともある。ずっと大好きなシリーズなどあり得ない。ずっと追うのが悪いのだ。20年以上前にもう答えは出ていた。
シリーズものの新作発売インタビューで、よく制作者が「以前はプレーしていたけどしばらく離れていた人に戻ってきてもらいたい」てなことを言っている。
実際それが一番「自然」だと思う。ピサロに嫌気が差してドラクエを離れ、けど10年後の新作で久々にやってみるか~とか。変にネチャネチャした感情がない。
そんな関係であるべきだった。だがもう何もかも遅い。今更離れてもそれも遅い。オタクとしての執着の悪い結果を最近感じまくっている。哀しいなぁ……。


さて気を取り直してゲームを進めよう。惨劇を終えれば、続々と見知った仲間達が加入していく熱い展開が待っている。この「集結感」は今作ならではだ。
仲間会話には特定のパーティで発生するものも多々あり、様々な場所、組み合わせで会話を楽しめる。隅々まで見たいなら都度パーティを変える必要がある。
まぁそこまでするとさすがに面倒だから、自パーティの分だけ常に見る程度でいいと思う。そこでの会話が打ち止めになれば「……」になるからすぐ分かる。

リメイク五章の特徴は、何と言ってもAIの撤廃だろう。FC版最大の特徴であり最大の問題点とも言えた要素を、今作ではバッサリとカットしている。
もちろん作戦により自動戦闘は可能だが、それはFC版4以外で使われる「何でも知ってる賢いAI」によるもので、学習型ではない。ザラキ狂のクリフトはいない。
そして「めいれいさせろ」により、仲間の行動を決められる。これは特に呪文使いに対して効果絶大で、スカラ等のバフをやっと自在に使えるようになった。
FC版ではバイキルトやフバーハといった強力な呪文が実質死んでいたからな。そら今でこそ研究が進んで使う方法はあるだろうが、35年前にンなこと分かるか。
FC版4は愛すべきゲームだが、AI問題はあまりにも大きかったと言わざるを得ない。リメイクでまた採用したらストレスでえらいことになるのも想像できる。
まぁリメイクならもっと高度な学習型AIも組めただろうが、それはそれでFC版とは大きく乖離してしまう。……もう開き直って撤廃するしかない。そう決めた。
いつもの俺なら「オリジナルの根幹部分を撤廃とは狂ったか堀井ぃいい!!!」と怒るところだが、これに関しては、黙認するというか、寧ろ偉いというか。
それくらい、FC版のAIシステムは問題児だったのよ。あの「思い通りにいかなさ」がいいってのもあるんだけど、さすがに、さすがに!? という。嗚呼。
生きてると常に選択を迫られてヤだね。進めば変わるのは当たり前。それが嫌なら過去に留まってろ。やれるものならな。それはつまり死ねという意味だから。


ちなみに俺は今回(前回もかも、忘れた)のプレーで決めてたことの一つに「ミネアをレギュラーにする」がある。常時一軍。クリフト? 回復には使うよ。
FC版でのミネアの弱さは、未だに俺の中で「あり得ない調製」として息衝いている。2のサマルなんてミネアに比べりゃ世界勇者よ。甘えんな小僧が畜生。
クリフトに比べてベホマラーやザオリクがないのは仕方ないとして、じゃあ打撃で勝てるのかと言えばそうでもなく、何よりHPの低さが異常。マジで異常。
長所として持つフバーハはAIのみのFC版ではなかなか狙って使わせられず、何より本人がすぐ死ぬからその機会を作ることさえ難しい。話にならない。
俺はFC版を数回プレーしたが、常に「勇者ライアンアリーナクリフト」であり、これが鉄板だと思ってる。まぁライアンとマーニャを入れ替えるのはありかな。
他の面子……トルネコは立場的に仕方ないとして、ブライとミネアは明らかに冷遇されていた。特長であるバイキルトとフバーハがAIのせいでまともに使えん。
加えてミネアは異常に低いHPのせいで雑魚戦にすら出しにくかった。異常である。あの調製を放置した堀井は極めて罪深いと思う。テストプレーしていない。
故にミネアを救う意味でも、この今作ではレギュラーにする。……マーニャのせいで苦労してる妹って設定も結構萌えるし。ブツブツ呟く系ヒロインだ。

そうなるとやっぱ姉妹ど……揃って使ってやりたいということて、マーニャもレギュラーに。この子は今作でも魔法のエキスパートだから普通に強いキャラだ。
そしてもう一人となると、ドラクエ4最強キャラ(蛇足除く)であるアリーナは欠かせない。少し発生率が落ちてもキラーピアスでの会心連発は最強でしかない。
……嗚呼っ、決して、決して狙ったわけではないのに、勇者のハレイムパーティになってしまったぁ!!! いや本当に狙ってないですよ。本当に。玉玉です。
まぁもちろん時々はライアンを出張らせたり回復でクリフトを使ったりもしたが。そして何より六章では蛇足を使わざるを得ない。ゲームの強制ですからね。
女三人で姦しい……のかは不明。マーニャとアリーナって気が合いそうで合わないような。戦闘能力は真逆だし。この二人が冷戦してたら……気不味さMAXやな。
あ、そこを出来た女で苦労人のミネアが色々仲介して頑張るんやな。んで疲れたミネアを勇者がこっそり慰めてフォローする、と。そんな関係性を妄想しよう。
仲間は会話はまぁ楽しめるのだが、マーニャが何処へ行っても「ここカジノがないからつまんない」的なことを言う等、パターン化してて白けることもあった。
カジノなんてエンドールにしかないんだから、他は全部つまらんてことか? 実際その勢いでどこの町でも言うのよ。お前そら幾らなんでも無茶やろ。
まぁ膨大な量の台詞を考えなきゃならんから、一つ一つ練ってもいられないのだろう。この辺、「量」の弊害とも言えるね。規模がデカくなると粗くなる……。

今作のゲームバランスがFC版と比べて緩めなのは確かだが、五章を順調に進めていたらまず間違いなく誰もがブチ当たる壁が存在する。
誰あろう、キングレオ様だ。伝説の不死ボスは、五章では当然倒せる。倒せなきゃ話が進まない。マーニャとミネアにとっては復讐戦。全力で倒す!!!
……と意気込んで挑んで、「……あの、もしかして今回も負けバトル? リメイクでシナリオ変わった?」と疑いたくなるほどのボロ負けを呈す。強すぎ。
FC版と違って自動回復がなくなり、高HPのボスと化したが、問題はそこではなく、「常時2回行動」である。これは、この時点ではちょっとあり得ないことだ。
つまり強力な打撃、ギラ、吹雪といった行動をまだ未熟な勇者一行に毎回2回浴びせてくるのだ。尚この戦闘は馬車なしなので4人固定で挑むしかない。
強いことは別にいいのだが、普通にゲームを進めた状態のレベル帯と明らかに乖離していて、これはアカンやろと思わされた。またしてもテストプレー未遂?
ドラクエの制作現場って、俺らが想像する以上にテキトーなのかもな。ああすんませんテキトーなことを言って。分かりませんよ何も。ただのユーザーには。
ちなみに俺はここで「まどろみの剣バグ(仕様)」の活用を楽しみにしていた。「キングレオはラリホー無効だが、まど剣の追加効果だと眠る」というものだ。
知ってはいるもののFC版を含め実行したことはないので、NPCのパノンと勇者で眠らせまくり楽勝パターンを妄想していたのだ。楽して勝てるならそれでいい!!
……が、確かに時折眠らせることは出来るものの、2回行動により起床判定も1ターン2回あり、すぐ目覚めてしまう。眠らせるリターンと見合っていない。
パノンはNPCだから成長せず、パラメータも低い。この作戦のためにわざわざ入れるのは悪手だと判断、結局ハレイムパーティで挑むことにした。
キングレオの超強化さえなけりゃ長年の夢を実現出来たのだろうが……それはいつかまた、FC版の再プレーでやろう。パノンも長々と連れ回そう……。

キングレオに勝つためにそこそこのレベル上げが必要になったが、苦行ってほどじゃないし、金を貯めて装備を整える事もできたから、まぁよかろう。
キングレオさえ倒せれば後は割といいバランスに戻り、バルザックや盗賊バコタやピサロナイト等を倒して世界を埋めていく。冒険楽しい、嗚呼ドラクエ4。
最後の鍵を手に入れて各地の宝物庫漁りとか、今のドラクエじゃ味わえん楽しさだな。……ごめん今のドラクエよう知らんや。11がもう8年前だし。はぁ。
パーティはどんどん成長し、敵もそれに合わせて強くなる。RPGやってんなぁと思う。「こういうのがいいんだよ」と言いたくなるが、それはまぁ控えよう。
ただ、「ドラクエ4をやりたい」という欲求には存分に答えてくれた。再プレーの価値は十分にあったね。面白かったよ堀井さん。蛇足以外は。死ぬまで言う。
そして辿り着いたのは、地獄の帝王・エスタークとの対面。……「地獄の帝王」がまずカッコいいし、「エスターク」て名前もカタカナ的に最強にカッコいい。
俺は30数年前からかなりエスターク様好きだったのだが、残念ながら今作ではラスボス達の前座であり、あっさり倒されてツボをくれる怪しい魔物でしかない。
なので5で隠しボスとして登場したのはかなり嬉しかったな。当然ながら超強く、あれにはピサロもエリプリも小便ちびるね。まさに全盛期のエスターク様!
けど今作では普通の中ボス。無論強いには強いが、普通に倒せた。復活直後を理由に時々居眠りするし、その状態の方が不気味な光放射で厄介だったりする。
やはりこの時点では名前負けしているとしか言えない。もう今は再び眠りについてください。何百年か後に、最強の貴方と戦いましょう。何度でも、ね。

ここらへんではピサロ側の事情も描かれるが、それ以前に全てを奪われた俺は特に思うことはない。お前がやったことが返ってきたとは考えないのか?
さっきも書いたが、ピサロが自分の事情で怒り暴走し戦争を仕掛けてくるのは別にいい。こちらはこちらの恨みと憎しみと正義と人類のために迎え撃つのみ。
俺はそんな思考なので、ロザリーヒルでロザリーと会話したりするのは嫌だった。君も要はピサロ側だからね。殺しはしないが、あいつに同調してる敵だよ。
それに後で生き返れるから(笑)。安心して死ぬといいよ。いやー、リメイク版スタッフが善人で良かったねホント。彼のお花畑脳みそに感謝しなさいな。
まそんな感じで、六章のせいで全く盛り上がらない最終決戦へ。天空の塔では勇者の母っぽい人もいたが、そんなの今更だ。俺の家族は故郷の両親のみさ。
最終戦は六章のせいでいまいちだが、BGM「邪悪なるもの」はとてもいい。エスターク戦もこの曲だが、やっぱメインはデスピサロ戦であろう。ここは認める。
今作では当然BGMもリメイクされているが、原曲のイメージを損なわない良リメイクだったと思う。この点は3リメイクより良い。曲の品質は別としてな。
俺はドラクエでも何でも徹底的にオリジナル原曲派だが、リメイクを売るならそれをそのまま流せないのも分かる。じゃあ後は「あのイメージの維持」だな。
今作はよくやっていたと思う。すぎやま氏が直々にアレンジかな? ……それもまた、外部からは分からんのよね。実際は堀井氏と同程度の関与具合かもな。
尚俺がFC版で惚れ込んでる「街のひととき」は、残念ながらFC版最強だった。あれをループで聴くといつも何度も死ねるんだよ。凄く響く。嗚呼、35年前。

今作では追懐要素として「移民の町」がある。モブキャラ、或いは二章の偽アリーナ一行といったイベントキャラを、砂漠のバザー跡地に集めるのだ。
集めた人数やキャラによって町が様々に進化し、それにより作られる店で良い品物を買えたりする。3の商人パークの発展型のようなものだな。
なかなかいい追加要素だと思うが、勧誘可能なモブの出現がランダムなのはかったるい。俺は能動的に集めようとはせず、目についたら誘う程度にした。
町の発展によってちいさなメダルが手に入ったりもするが、そこまで頑張る価値を見出だせなかった。立派に成長したホフマンにも少し嫉妬するし。畜生。

デスピサロを倒せばゲームクリアー、EDが流れてジエンド。……それが出来れば苦労はしねぇ。わぁってんよ。さすがに無視は出来ん。蛇足も今作のうちだ。
第六章。それはデスピサロ戦の前から始まる、所謂逆行物のであろうか。要はさっきのEDは「なかったこと」になったのだ。反則もクソもない強引さである。
ちなみに副題はない。どうせなら「祈りの奇跡」等の臭い名前付けてよりクソ蛇足っぷりを煽ってほしかった。変なとこで冷静になりやがって……。
六章が始まると、ある場所に巨大な穴が空き、そこに飛び込むと隠しダンジョンが始まる。まぁマップも敵も7からのコピペが多く、気合は入っていない。
5でシリーズ初の隠しダンジョンが登場したが、これはマップも出現モンスター(の大半)も新規作成で、更に超有用な宝物が幾つも手に入った。
オマケとは言えないほど非常に力が入っていて、故に俺はやり込み続けた。エスターク様は優に50回は倒したし、仲間モンスターも全種類集めたからな。
で、当然6での隠しダンジョンにも大いに期待したわけだが……「うちはチュンソフトとは違うんで」と言わんばかりに、コピペ全開の省エネ仕様だった。
ダークドレアムも絵は雑魚のコピペだしね。やるにはやったが、ガッカリは強かった。7の隠しは……よう覚えてない。まぁコピペだろう。ごめん推測。
「オマケに力を入れるのは本末転倒、それなら本編に注力すべき」という考えなのかもしれん。それはそれで正論だから何とも言えん。ま、これが現実か。

隠しダンジョンは別に面白いこともないが、先に進むとボスが待っている「エッグラ&チキーラ」という、世界設定に合ってなくない? と思える二人組だ。
位置づけは完全にコメディキャラだが、裏ボスだけあって強さは本物。デスピサロにギリ勝てる程度のパーティでは粉砕されると思う。少し鍛える必要がある。
こいつらを倒せればロザリー復活の花を入手出来て、そのまま蘇る死体→改心する化け物→何故か解除される進化の秘法→最強キャラが仲間に加入、となる。
幾ら嘆いてもこれが現実だから受け入れるしかない。また真ラスボス戦はピサロがいないと発生しないから、結局こいつは必ずメインにする必要がある。はぁ。
エッグラ&チキーラとは何度も戦うことが出来て、勝つ度にピサロ専用の超強力装備が手に入る。レベル上げも兼ねてこれを繰り返し、準備を進めていく。
ピサロ装備は「まかいの〇〇」で統一されている。……ダッセ。FF1リメイクのバーバリアンソードかよ。ちったぁ頭使って装備名を考えろ手抜き野郎。
はぁ。ピサロは最初そんなに強くないが、専用の最強装備が自然に手に入る上に、呪文や特技も強力なものをガンガン覚えていく。導かれし者たち? 笑。
ベホマラーやザオリク、バイキルトといった他キャラの特長もあっさり奪っていき、白けることこの上ない。まさにぼくのかんがえたさいきょうのキャラ、だ。
けど文句言ってもしゃーない。そういうゲームだからこれ。有用なキャラなのは間違いないからな。アホな制作者の厨房精神に黙って乗っかっていこう。
ちなみにフバーハは覚えないので、これは最後までミネアの特権となる。そして真ボスは当然のように超強力ブレスを使うので、フバーハは必須と言っていい。
つまりリメイク4においてミネアを使うのは普通に正しかったわけだ。ミネア、報われたなぁ。この点は文句なく今作のいいところだね。個人的に。

真ボスはエビルプリースト。五章ではデスピサロ四天王(適当)の一人というだけのキャラだったが、何とロザリーの件を含め全てはこいつの陰謀だったのだ。
まぁピサロを煽る良い設定だと思う。こんな奴の策謀にまんまと乗せられた己の愚かさを地の底まで悔やむがいい。ったくロザリーも呆れてんぞコラ。
エビプリは真ボスだけあってさすがに超強い。いかにピサロが強くても押し潰されるくらいに。またこの戦闘は馬車無し、4人のみで挑まねばならない。
ピサロ、ベホマズンの勇者、フバーハのミネアは必須。……で、あと一人が悩ましい。打撃のアリーナかスクルトのクリフトか……試行錯誤し、悩んだ。
最終的にはクリフトを入れてじっくり戦うことにした。スクルトもフバーハも時折凍てつく波動でぶっ飛ばされるが、何度も掛け直して態勢を整える。
ピサロは自身や勇者にバイキルトをかけて攻撃、回復はミネアクリフトにさせて大ピンチには勇者のベホマズン。死んだらザオリク使い二人で立て直す。
そんな感じで泥仕合を続け、何とかエビプリを倒した。ドラゴンクエスト4第六章、ここに終了。はー。トロフィーが欲しいとこだが、それは言うまい。
EDはムカつくから語らない。つーかピサロ以外は何も変わらんしね。嗚呼虚しい。蛇足蛇足蛇足蛇足。だがこれが現実。この世界は、残酷なのだ……。


ふぅ。六章への恨みつらみが止まらんが、概ね楽しく4の再プレーを出来たから良しとしよう。色々あるが、ドラクエ4はいい。俺の大切なゲームの一つだ。
実はこの再プレーの後にかのレトロフリークを入手した。なので今の俺はFC版の再プレーも可能な環境になったわけだ。そっちもまたいずれ、やるとしよう。
となれば5も6もSFC版をやれる……ふふ、夢がひろがりんぐ。……そんなのが夢なのか? それでええんか。ごめん。再プレーは前向きな行為ではないからね。
過去作をやって楽しんでも、それで「ドラクエ12楽しみだなぁ」とはならない。12なぁ。一応制作は進んでるらしいけど……当然発売はされるだろうけど……。
もう俺にとって愛着のあるシリーズは旧作再プレーが一番の楽しみになるのかな。非常に哀しいことではあるが、そういうものとして受け入れるべきでは?
そもそもさぁ!! 言わせてもらうけど、ドラクエもFFも、メーカー側、作り手側が新作の制作にめっちゃ苦しんでるやん! ちっとも順調じゃないじゃん!!
「作りたいから」じゃなく「作らなきゃならないから作る」が露骨じゃん! 今の堀井氏がワクワクしながら12を作ってると思う奴いるか? いやいない反語。
ドラクエ11(PS4版)は大変面白かったけど、少なくとも表現力では「究極」を感じた。到達点を。12はあれ以上のものを見せてくれるのか? それドラクエ?
シリーズが勢いに乗って作られて、けどそれが合わないなら、それは何と言うか「戦った末の結果」でしかないから、気持ち良く離れることが出来る。多分。
でも何十年も続いてるゲームシリーズにそんなもん一つもない。だからこっちも長年の情や憐憫といった下らない感情でついつい触れちまうのだ。嗚呼っ!!
俺は多分、ドラクエ12はプレーするだろう。現在71歳の堀井氏が関わる最後の本編になるはずだし。最後に、ね。まぁ俺もその時まで生きてるかは……。

そもそもこんなにも長く娯楽作品シリーズが続いてること自体人類史上初であろう。ゲームというメディアもまたそうだ。どれも過去に例がない。
この継続が正しいのか間違ってるのか、照らし合わせる判例がない。それはドラクエなりFFなりが先達として答えを出すしかない。……何年か、何十年後か。
かつて「笑っていいとも」や「こち亀」が終わることなんて誰も想像もしなかった。けどどちらも終了し、もう約10年が経った。意外とそんなものなのだ。
ドラクエもいつかそうなる……とは俺には言えんけど、結論を出す時が近づいてるのは確かだろう。続けるなら続けるで、続ける体制を作る必要がある。
……てなんで4の感想でこんな話になってんだ。もういいややめよう。未来は不明。比類なきドラゴンクエストは僕らの青春でした終わり。ドラクエが好きです。
何が悪いって、続くのが悪いんです。シリーズではなく、人類が、地球がです。全部滅べば後腐れは一切ありません。それこそ唯一絶対の真理ではないですか。
つまり? ……地獄の帝王エスターク様に縋るのです!! 邪神シドーでもいい!! 大魔王ゾーマでも!!! うおおおお!!!!

はぁ。どれだけ世界を救っても……自分は救われなかったなぁ……。










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1 コメント

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Unknown (正月マニア)
2025-04-24 18:37:08
お疲れ様です。gooブログが終了するということでこれからどうなるのか心配していましたが、引っ越しを検討されているということで安心しました。

しかし、11年くらい前に『時のオカリナ3D 』でKというHNで初めてコメントを投稿させていただいて以降、ちょいちょいコメントをさせていただいているので、このサ終は寂しく感じます。

それと、otagameさんに影響されて、FC2で9年くらい前から5年前までゲームの感想を中心としたブログをやっていましたが、PVは1日に100〜300程度だったので、万超えするotagameさんの凄さも感じましたねw


ここからは『ドラクエ4』に関するコメントを。

otagameさんがおっしゃるように、私も6章には強い不満を持っています。
「よりにもよってコイツが仲間になるのかよ。主人公の家族や故郷を奪ったコイツが?」と。
ピサロはロザリーが生き返った上に人の姿に戻れて万々歳なのに、主人公には何の救済もありませんしね。
その上、今まで一緒に冒険してきた仲間たちを遥かに凌ぐ性能なのも余計に印象が悪い。
本当にこの過剰なまでの贔屓ぶりには嫌悪感と気持ち悪さしか覚えませんでした。

しかもこの6章、DS版にも引き継がれているので、これから出る『ドラクエ4』のリメイクにもきっちりと引き継がれることでしょう。

あと、追加要素を揃えるにはエッグラ&チキーラを周回しないといけないのも当時としては苦痛だった記憶が。
コイツらから貰える最後の報酬が全裸のオカマオヤジだったのには、心の底からガックリきましたね。

味方の完全にAIに任せた戦闘を撤廃したのは、私も英断だと思っています。
というか、私が初めてプレイした『ドラクエ4』がPS版でして、「めいれいさせろ」で仲間に指示を出せるのが当然だと思っていたので、原作はよくそんな不便な仕様にしたものだなぁと思ったり。
なので小さい頃は、漫画などでよく見るザラキ厨のクリフトネタが意味不明でしたね。
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