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おせっちゃんの今日2

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折々のことば・・・ソール・ライター

2023-12-14 16:48:25 | 言葉

めずらしく、英語の言葉のご紹介です。横文字に全く弱い私にも、どうにか読み取れる言葉でした。

A person's  back  tells  me  more  than  the  front.

「人の背中は正面より多くのものを私に語ってくれる」と解説者の鷲田清一氏は約してくれています。また、ソール・ライター氏は米国の写真家だと。

背中は自分では見ることができず、無防備に晒されるほかないもの。
でも正面の顔だって実は同じだ。顔はよりによって自分だけが見ることができない。
そんな顔から他人は情報をたっぷり得る。怖いこと。

日本には、後ろ姿で教えるという考え方がある。私が親になって、自分の子供に対するころ、子育ての疲れで常にイラついて、叱ることが多い母親を演じてしまっていた。そんな時、先輩の親から、幾度も幾度も、「子供は見ているんだから」と何度も諭されたものだ。

確かに、口やかましく言い聞かすより、懸命な母親の後ろ姿から、子どもが自身に考えさせることこそ大事なことかもしれませんね。
「かあちゃん、怖かったよ~」と今になって言い募るわが子です。


新刊本の広告から・・運命に従え

2023-12-11 14:08:18 | 言葉

わが家では夫が現役のころの必需品だった日経新聞をそのまま取っています。老化の進んだ夫は、それでも朝食時に食べながら目を通します。人間の習慣というものはなかなか変わらないものですね。私はほとんど読みません。読むとしても、主婦向けの投書とか、有名人のエッセイとか、そんなものです。

日曜日朝刊は朝日新聞を読んだ後、昼食づくりまでに少し時間が空きました。そこで日経をめくったのです。
先に述べたように主婦感覚での目です。新刊本の大きな広告が目に飛び込みました。

「厨房の哲学者」。その横に、私の頭にも入ってくる強い言葉。

でも、私は本文を読んだわけではありません。ただ、広告の大きな文字が目に入っただけです。それでもなんだかメモしたくなったのです。切り取りました。そして今、ブログ記事として書いておくのです。もしお目にとまって、気に入ったら心覚えにしてください。

運命に従え。
置かれた場所で咲いてみろ。
夢など語るな。
目の前のことと格闘しろ。
そこからだ、
すべてが始まるのは。

『おかれた場所で咲いて見ろ』はどこかで読んだこともある言い回し。だが、人生の歩みの過程で大事なことかもしれない。とかく、人は、置かれた場所が恵まれているならば、それに甘えてしまいがち。困難な自分に不利な場所ならば、不運を嘆き、恵まれた人をうらやみ、努力するよりもあきらめて折り合いをつけてしまいがち。近頃の言葉で言えば、不運の壁を乗り越えてこそ、という事だろう。

『夢など語るな』。

今、日本青年の御手本とも言うべく、活躍の、大谷さん。WBCの決勝戦の前に、円陣を組んで確認を促した。「憧れるのはやめましょう」。どこか似ている。
夢を語ることは悪くはない。希望は持てるかな?でも甘さを含む。どこか他者の助けを期待して、希望的な甘さで憧れているような気がする。ただ夢想することなど、大きく、高く前進するのには覚悟が弱いような気がする。

85の婆さんは、自分では到底できないことと端から降りている。下りて、穏やかに残された日々を生きるのみと思っている。だが、それさえも捨ててしまう気持ちになることもある。そんな時、やはりこうした強さを持って励ましたくなるのである。一歩でも前進!かな。老いたごまめの歯ぎしりか。

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コロナワクチン(7回目)のその後。注射をした場所が、今までより早く、おや?と思うほど痛みを感じました。オヤオヤ、伊甘から熱でも…と思ったけれど、それ以上は酷くならず、無事終わりました。 

 


折々のことば・・・横尾忠則

2023-12-06 15:01:44 | 言葉

昨日(12月5日)の「折々」は面白く読めました。老人の健康の秘訣というか、開き直りというか。

『健康でいたい。そのために何をすればいいか、という課題は全てストレスになります。ーーー健康を害しています』 横尾忠則

歳がいくと、目も耳も息も、ハンディキャップだらけだ。健康を取り戻そうとするのは、そもそも老いる体への反逆。そこで「ハンディこそ僕の自然体」と思うことにした。目的など掲げず、シンプルに「快食快便快眠」、そして絵を描くこと。

きっと横尾氏もいろいろやってみた挙句、老いの老いていくスピードには勝てないと投げ出されたに違いない。やけっぱちに達した結論が、「快食快便快眠」と自分のこよなく好む絵を描くことだけでこの先生きていこう!と思い定められたのでしょう。とは言いながらやっぱり未練はあって、体操など試みたりはしていらっしゃるかも。(失礼!!)

94歳まで生きた姑は、9月の敬老の日が近づくと、不機嫌になる人でした。敬老の日が近づくと、テレビニュースなどが、全国の積極的、元気老人を取り上げ持ち上げ明るく、幸福そうに最良の笑顔を作り、インタビューなどに取り上げられているのが気に入らないのです。わたしだって! でも誰も褒めてくれない、との不満が積み重なるようでした。

金さん銀さんなどに負けてはいないのに・・・と勝気に思っていたようでした。

 


折々のことば・・・おせっちゃん

2023-12-04 13:37:38 | 言葉

11月23日に、幸田文さんの「くろうとはどの道の人も、みなあと片付けがうまい」という言葉をご紹介いたしました。幸田文さんの文章が、高校の国語の教科書にあり、露伴との父娘の厳しくも暖かな生活のありさまが心に残ったことを書きました。
その授業を受け持ってくださったM先生の現代国語は、私のだいすきな時間でした。
そんなことで、文さんの言葉を書いてから、しばらく、その言葉に惹きつけられていました。

そして、こんな言葉を自分の言葉にしてしまいました。

「その道を究めた人の身のこなしは、美しい」

魚を食べた後始末を厳しく指導してくださった、お茶の先生。お点前の流れるような動作は。お辞儀一つも、どこか違う。今年は各種のスポーツで、日本の強さが際立ちましたね。最高の動作こそが最高の結果を生むのでしょうか、最高の動作あってこその最高の成績を生むのでしょうか。

歌舞伎にせよ、能狂言にせよ、経験を積み重ねてこそ、の芸の極みなのでしょう。
いずれの芸にしても、美しい。

山口の、駅からも遠い農村で育った私でしたが、農家の人たちの、田んぼでの仕事ぶり。きっと親子何代も引き継いできた農業でしょう。田植えをしても、稲刈りをしても、我が家のような俄か百姓(すみません、差別用語ですか)の者が、刈り取り、束ねて、並べるだけの仕事でも、一目瞭然、その仕上がりが違ったことを覚えています。その頃の農業はほとんど人力です。腰の痛くなる姿勢が続きます。それを長年の積み重ねの身のこなしでしょうか、見事にやり続けられるのでした。毎日の作業の過程で、最高の身のこなしを得ているのでしょうね。

いやいや、今後は近代化していてロボットさんがやってくれるようになるのでしょうか。

 


折々のことば・・・柚木沙弥郎(染色家)

2023-11-27 13:39:45 | 言葉

26日日曜日の折々のことばです。浅学の私は柚木氏を知りませんでしたが、言葉はどうにか容易く理解できるような気がしました。

★ 『”明るく”あきらめるのがいいね』続いてこんなことを言っていらっしゃるようです。歳をとると、いろんな事が出来なくなる。散歩も風呂も、大好きな餅を食べることも。でも其れを辛いとは思わず生きてきたと。人生は楽しくなくっちゃ、いけない。自分の出来ることを変えていけばいいのだ、と。

出来なくなったらなったで、出来ることを見つけてそれを楽しむことがコツなのかな。

私が脊柱圧迫骨折を患って痛みにさいなまれ、少し回復したらしたで、楽にはなったけれど元には帰っていない、万全には遠い、と焦っていた時期がありました。ある時、親しい友人が、「おせっちゃん、あんた万全というけれど、どうなったら満足なの?それは無理よ。この年になって元通りになると思ってはダメ!!自分ができる範囲で楽しむのよ!!」と叱られたことがありました。自分でできることを変えて生きていく、そしてそれを楽しむ、これがコツなのかな。


紙面を下に目でなぞります。次の私のコースは「天声人語」。偶然か、ここも同じような視線で書かれていました。私の浅学も同じようにバレバレ。

天声人語氏はローリング・ストーンが18年ぶりに出した新作を聴きながら理想の老いとは?と考えた。

近年高齢化したストーンズは高齢化して、ライブは変化がみられると。昔の曲は音が間引きされているという。「失敗も面白くなるバンドです」とファンも楽しんでいるという。

新作は、レディーガガら著名アーチストを助っ人に招いている。衰えを認め、失った音は変化を恐れず、助っ人と一緒に作ろうと言っているようである。

他者の助けを受け入れ、生き延びようとする、何と人間らしいことか。
ヨタヨタになっても頑張れ!と声援を送りたくなる、と。

次は、偶然目についた、読者投稿の短歌欄.佐々木幸綱の巻頭歌。

宝石を拾ったようなこころもち白寿を過ぎしひと日ひと日は(我孫子市 松村 幸一)

松村さま、勝手に使わせていただきました。ごめんなさい。