昔?化学で習いませんでしたか?安息香酸。創面からの吸収はほとんどなく、接触することで痛みをとる作用があります。当院ではアミノ安息香酸エチル軟膏として使用しています。ビスマスと混ぜて使うこともあります。
痔核手術、特に結紮切除術後の創に使う薬です。次没食子酸ビスマスは、粉のまま創に塗布するか他の軟膏と混ぜて使用します。皮膚や粘膜を保護し、炎症をしずめる「収れん作用」があります。創面に保護膜を作る作用があり、止血効果もあります。実はこの薬は「下痢止め」の内服薬としても使用することがあります。ヘルミチンSという坐剤はビスマスの入った、痔核・裂肛のお薬です。
内痔核の薬シリーズの続きです。痔にたいする飲み薬としては、当院ではヘモナーゼのみです。痔の腫れをひかせる消炎酵素薬の「ブロメライン」とうっ血状態を改善する「トコフェロール(ビタミンE)」の合剤です。他にはない薬なので、うっ血による炎症にたいして使います。
よく似た名前の薬にヘモクロンがありますが、これはボラザの飲み薬でトリベノシド製剤です。またヘモリンガルは静脈血管叢エキスで全く別のものです。
よく似た名前の薬にヘモクロンがありますが、これはボラザの飲み薬でトリベノシド製剤です。またヘモリンガルは静脈血管叢エキスで全く別のものです。
当院では、少しステロイドの効果を期待するときに使います。肛門科を専門にしていないクリニックで最も多く処方されるお薬でもあります。もともとステロイドの入っていないポステリザンという薬があり、それにステロイドを配合したため「強力」と言う名前がついています。昔はこういう名前の付け方をよくしたものでした。ですので、あまり「強力」にこだわる必要はありません。炎症をとるステロイド「ヒドロコルチゾン」の製剤です。「大腸菌死菌浮遊液」が配合されていますが、これは大腸菌=悪者説が信じられていた昔、大腸菌にたいするワクチンとしての効果を期待して作られた経緯のようです。今となっては歴史の1ページ。私はただのステロイド製剤として処方しています。アレルギーも殆どなく、安全な製剤です。
内痔核の薬として、初診から維持まで最もたくさん処方するのが、ボラザ(坐剤・軟膏)です。
私が「腫れと痛みに効きます。使い続けることができます」と説明するお薬です。ボラギノールの会社が医療機関向けに作っている薬です。ボラギノールは薬局で売られており、診断をつけずに使われるものですから、色々な痔疾患に効かなくてはなりませんから、色々な成分が入っています。それに対してこの処方薬はシンプルで、腫れをとる「トリベノシド」と痛みかゆみをとる「リドカイン」の合剤です。当院では量を加減できる「注入軟膏」を朝に、直腸への広がりの良い「坐剤」を夜に処方することが多いです。ステロイドが含まれないことが、特色のひとつです。アレルギーも報告されていますが、私は経験したことがありません。
私が「腫れと痛みに効きます。使い続けることができます」と説明するお薬です。ボラギノールの会社が医療機関向けに作っている薬です。ボラギノールは薬局で売られており、診断をつけずに使われるものですから、色々な痔疾患に効かなくてはなりませんから、色々な成分が入っています。それに対してこの処方薬はシンプルで、腫れをとる「トリベノシド」と痛みかゆみをとる「リドカイン」の合剤です。当院では量を加減できる「注入軟膏」を朝に、直腸への広がりの良い「坐剤」を夜に処方することが多いです。ステロイドが含まれないことが、特色のひとつです。アレルギーも報告されていますが、私は経験したことがありません。
内痔核に対する薬物治療に当院でよく使うお薬について、説明して行きましょう。
初診時によく出る薬2つの内ひとつは「ネリプロクト軟膏2g(チューブ入り)」です。
私が「ステロイドが入っているので最も強力で、出血・腫れによく効きます。でも使い続けることはできません」と説明するお薬です。詳しく説明すると、炎症を抑えるステロイドとして「ジフルコルトロン」と、痛みかゆみに効果のある「リドカイン」の合剤です。当院では注入軟膏です。真菌(かび)などの感染症があるときには使いません。排便後に入れると長時間付きますのでよく効きます。ごくごくまれですが人により過敏症を生じることがあります(まずありませんが)。
お知らせ:本日28日が本年最終の診察日になります。受付は9時から12時、3時30分から6時30分です。
初診時によく出る薬2つの内ひとつは「ネリプロクト軟膏2g(チューブ入り)」です。
私が「ステロイドが入っているので最も強力で、出血・腫れによく効きます。でも使い続けることはできません」と説明するお薬です。詳しく説明すると、炎症を抑えるステロイドとして「ジフルコルトロン」と、痛みかゆみに効果のある「リドカイン」の合剤です。当院では注入軟膏です。真菌(かび)などの感染症があるときには使いません。排便後に入れると長時間付きますのでよく効きます。ごくごくまれですが人により過敏症を生じることがあります(まずありませんが)。
お知らせ:本日28日が本年最終の診察日になります。受付は9時から12時、3時30分から6時30分です。
いぼ痔(内痔核)は、ある日突然脱出や、出血により発症するように感じられます。実はそれ以前から徐々に進行していたものが、急に症状を出し始めるのです。薬を使うと一旦症状が良くなるのは、症状が出る前の状態に戻るからなのです。
いぼ痔の程度についてはこちらで復習してみてください。
いぼ痔の程度についてはこちらで復習してみてください。
痛くないいぼ痔を放っておくといけない理由、その(2)です。
大きな内痔核が肛門にありますと、直腸のセンサーが誤解して「便が残っている」と判断します。痔核の患者さんの「残便感」はこれによるものです。この状態が持続しますと、直腸に便が下りて来ていても「便意がない」状態になってしまいます。直腸に便が下降しても便意がなく、さらには括約筋がゆるんでしまうと・・・大変なことになりそうですね。
大きな内痔核が肛門にありますと、直腸のセンサーが誤解して「便が残っている」と判断します。痔核の患者さんの「残便感」はこれによるものです。この状態が持続しますと、直腸に便が下りて来ていても「便意がない」状態になってしまいます。直腸に便が下降しても便意がなく、さらには括約筋がゆるんでしまうと・・・大変なことになりそうですね。
痛くないいぼ痔は、手で戻しておけばそれでよいのでしょうか。
よくありません。その理由のひとつを説明します。
内痔核があまりに大きくなって、肛門の出口に近いところに張り出した状態が続きますと、内痔核の圧力で便が止まっていることがあります。そのため本来しまっているべき、「内肛門括約筋」がさぼってしまうことがあります。内肛門括約筋がゆるんでしまいますと、ゆくゆく年を取ったときに、便がもれやすくなってしまうのです。そんな状態になってから手術をするのは、すすめられません。
よくありません。その理由のひとつを説明します。
内痔核があまりに大きくなって、肛門の出口に近いところに張り出した状態が続きますと、内痔核の圧力で便が止まっていることがあります。そのため本来しまっているべき、「内肛門括約筋」がさぼってしまうことがあります。内肛門括約筋がゆるんでしまいますと、ゆくゆく年を取ったときに、便がもれやすくなってしまうのです。そんな状態になってから手術をするのは、すすめられません。
新・内痔核シリーズ開始です。これまでのブログで、誤解の生じやすいところを書き換えてみました。
本来内痔核は歯状線(しじょうせん)と呼ばれる、皮膚と腸の境界線よりも奥にありますから、内痔核そのものは痛くありません。腸は痛くないものです。したがってゆっくりと大きくなって来た内痔核は痛くないのです。ところが内痔核が急に腫れたり、大きくなると、排便の時や腹圧をかけたときに脱出しようとして、敏感な肛門の皮膚を引っ張るために痛みを生じるのです。
正常な肛門の様子も参照してください。
本来内痔核は歯状線(しじょうせん)と呼ばれる、皮膚と腸の境界線よりも奥にありますから、内痔核そのものは痛くありません。腸は痛くないものです。したがってゆっくりと大きくなって来た内痔核は痛くないのです。ところが内痔核が急に腫れたり、大きくなると、排便の時や腹圧をかけたときに脱出しようとして、敏感な肛門の皮膚を引っ張るために痛みを生じるのです。
正常な肛門の様子も参照してください。