〈リバイバル・アーカイブス〉2024.9.2~9.16
原本:2016年11月29日
富田林市で一番高い山 金胎寺(こんたいじ)山 296.2m(右側)、嬉(うれし)地区との比高さは約195m。
富田林市で二番目に高い山 嶽山(だけやま) 284.0m(左側)
どちらも南北朝の時代には楠木氏の十七支城となり、また室町時代には畠山義就が政長との内紛で籠城、山頂付近に縄張りの跡を思わせるようなキレットや曲輪の跡があります。
嶽山と金胎寺山を一体の山としてみると、あらら「お釈迦様の涅槃図(お釈迦様が入滅された情景をあらわした図)」に似てませんか。江戸時代の書物に東高野街道 錦織・市町付近から東方を眺めると、「お釈迦様の涅槃図」に見えると確か書かれていたと思うのですが、どの書物であったかどうしても思い出せません。どなたかご存知の方は教えてください。
ただ、この一体にみえる嶽山と金胎寺山の地質学上の成り立ちは全く違います。嶽山は火成岩質で2000万年前後の瀬戸内火山帯のなかでの、 二上山・嶽山の火山活動でできた部分。金胎寺山は一億年前の領家帯花崗岩・片麻岩帯で基盤として地中深くに分布していたものが、100万年~20万年前に、六甲山・生駒山・葛城山・羽曳野丘陵のように六甲変動という地殻変動によって持ち上げられたことによります。同じ山容にみえるのにおもしろいですね。(富田林市史 1)
〈画面をクリックすると拡大します。〉
最寄駅は近鉄長野線 汐ノ宮駅で、起点の嬉地区までおよそ15分、そこから頂上までは登りは30分弱、下りは20分弱です。傾斜は急な斜面を登るのできつく25度くらいあるところもあります。嬉地区との比高差約200m。展望は頂上付近にならないと開けないので、ゆっくり、しっかり登りましょう。頂上付近で、目を見張る眺望が開けます、お楽しみに!!
入口の案内板です。嬉城山クラブさんがボランティアで整備・維持管理をされています。南側(河内長野)方面に行く道の両側の電柱に掲示されていますので、自転車の方は見逃さないようにご注意ください。金刀比羅神社まで行くと行き過ぎです。
城山とは金胎寺山のことで、南北朝時代に楠木正成、室町時代に畠山氏の内紛で畠山義就が、どちらもとなりの嶽山城(龍泉寺城)とともに籠城していることが起因しています。
嬉城山クラブさんのおかげで、新しく西側からのルートを整備していただけました。下草刈りが大変ですが、ボランティアで維持管理していただいております。快適な登山道は、ポイントになるところに「しろやま→」の道標があり、日中に迷うことはありません。
入口からまもなく左側に「嬉町会館」(嬉地区集会所)があります。だんじり庫も併設され、となりが児童公園です。ランドマークにどうぞ。
ここから竹藪に入ります。イノシシ除けの柵がありました。自分で開けて、また戻します。
入口の案内板です。
入ってすぐ右側にイノシシ捕獲オリがありました。エサは米ぬかともみ殻を混ぜたもの。以前甘南備地区で見たときは、秋口でしたのでスイカでした。南河内南東部の各市町村ではイノシシが増えており、農作物への被害や石川での出没騒ぎが続いております。ここ5年でも以前出没しなかった所でも出没しています。
イノシシオリを越えて少し行くと、本格的な竹藪に入ります。
曲がり角には道標ががあり、わかりやすいです。
竹藪が切れて、笹原になりました。
ゲゲー、ケモノ道です。地面にはイノシシが歩いた跡がありました。
逆方向です。登山道を横切ってケモノ道がありました。大和葛城山などにも見かけます。
イノシシ君がミミズを探して掘った穴
これもイノシシ君の仕業かな。
植生が変わり、雑木林になりました。
途中、展望が開けます。ちょっと一休み。あと5分あまりで頂上です。
これ曲輪(くるわ)のようです。人為的にたいらにしているようにみえます。仮に「嬉曲輪」にしておきましょう。すでに名前がついていたら教えてください。
トイレあるんや~
「トイレ」「頂上まで10 m」→わかりやすい!
おお、 トイレ完備!
トイレ方面に行くと「楠公さんの井戸」の案内が...
しかし、どこにあるのかわかりませんでした。
頂上へまっしぐら!あとすこし。
頂上がみえましたぞ!!
頂上です! 296.2m
頂上からは思ったより眺望がききます。机・いすもありました。
標高296.2m 比高差:195m ( 嬉地区より )
あべのハルカス(300m)より、3.8m低い。*木をくわえれば金胎寺山のほうが高いかな?
PLの塔(大平和祈念塔)(180m)より、116.2m高い。
太陽の塔(70m)より、226.2m高い。
ウルトラマン(40m)より、256.2m高い。
自由の女神(93m)より、203.2m高い。
国土交通省 国土地理院 三等三角点 296.2m ( 富田林市地形図 NO:12 富田林市 平成12年測量 )
三角点は、一等から五等まであり、三等三角点は全国に32,325か所。設置間隔は4kmに1か所。
頂上直下のスペースです。かなり広く、人為的に平らに整地されている。勝手に「楠公曲輪」としておきましょう。
ここも人為的に整地されており、おそらく室町期の畠山義就の籠城の時に整備されたのではないかと想像します。頂上に一番近いので「二の丸」というところでしょうか。
夕焼け真近です( 16:27 )
( 16:30 )
( 16:33 )
ひこうき雲
眼下の大平和祈念塔
東側の眺望―金剛山・大和葛城山
*直下は「城山オレンヂ園 」のくり畑。(この方面へは、行けません。)
南部の眺望
北東部の眺望―嶽山頂上部にある「かんぽの宿」を越えて、二上山。( ここからは雄岳と雌岳が重なり、「一上山」にみえます。 )
夕暮れ時、だいぶ暗くなりました。右の山は神於山(こうのやま)、標高296.4m、岸和田市 ( 16:55 )
帰路。早く帰らないとすぐに真黒になります。特に途中の竹藪は暗く、道に迷いやすいので油断は禁物。
最後に嬉町会館で、「太神宮夜燈」と「弘法大師夜燈」が迎えてくれます。
富田林市 宮甲田町より ( 2013.12.29. )
頂上がよく見えます。頂上から手を振れば見えるかも...
こちらは嶽山です。
嶽山(左)と金胎寺山。
ここからは涅槃図には見えませんね。
写真撮影:2013.12.25.&12.29.追加
2016.11.29.手直し
( 2016.11.29. HN:アブラコウモリH )
有難うご在ます。
ブログの案内図をクリックして拡大できるように、すこし手直しいたしました。
嬉(うれし)町会の有志のみなさんは、他にも町おこしとしていろんなことをされています。
今年(2016年)11月、彼方(おちかた)上7町会で、はじめて「かかしフェスティバル」を開催され、地元のみなさま中心に多くの案山子を展示されました。
金胎寺山、腰神神社、田園の風景、横山潮湧石、願昭寺、田中・西野々古墳群など見どころの多い彼方上地区ですね。
40年ほどいますがあまり知りません。
ですので最近、その歴史や民話などを調べ始めました。
単純なストレス発散もかねて。
まだ30か所ほどしか調べていませんが新鮮な感じがして
面白いです。
その先輩がいて自分だけじゃないんだと思え心強く感じました。