富田林百景+ 「とんだばやし」とその周辺の魅力を発信!「ええとこ富田林」

大阪の東南部に位置する人口10万ちょっとのごく普通の町、富田林。その魅力を、市民の手で発見していきます。

石川化石木の現状 2020年2月

2020年02月15日 | 石川化石木・足跡化石

2018年12月18日に確認した石川の化石木

〈画像をクリックすると拡大します〉

 

2020年2月9日に確認した石川の化石木

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2020年2月9日 7:20 富田林市錦織東2丁目 深溝(ふこうど)井堰のゴム引布製起伏堰(風船ダム)

富田林の足跡化石と化石林実行委員会 会長(南河内フィルムコミッション)の辰さんから「石川の化石木に新たなものが出ているよ。」と連絡があり、確認に行きました。

 

まず、上流から下流をよく見ると、起伏堰の左側がしぼんでいるのがわかります。

これは冬場、農業用水が必要ないので、堰をしぼませて水を抜いているわけです。

 

下流から上流を見ると、水が抜けているのがわかります。奥の赤い橋が高橋。

これにより、上流の化石木群集地点の川底が露出しているのがわかります。

 

もうすこし近づくと、高橋の手前に100万年前の大阪層群と御嶽山のような化石木が出ているのがわかります。

 

手前で遊んでいるカワウとシラサギ(この時期、くちばしが黄色で脚が黒いのでチュウサギか?)

上方にC4化石木が見えます。

 

【C4化石木】 北側から撮影

堆積していた土砂が以前の増水にともない20~30cm流されて、さらによく見えるようになりました。

 

【C4化石木】 北側から撮影

拡がった根っこと横に拡がる傾向からメタセコイアと思われます。

 

【C4化石木】 南側から撮影

日本のメタセコイアは絶滅しましたが、ここには絶滅する前の100万年前の日本のメタセコイアがあります。

人類が日本列島に住むはるか前の時代です。

 

【C4化石木】 東側から撮影

代わりに、ゾウやシカの楽園であったようです。人類が日本列島に住み始めるのは4万年前頃のようです。

前回の2018年12月の調査よりかなり側面が削られているのがわかります。

 

【C6化石木】 西側から撮影

露出度はそれほど変わりませんが、以前に比べ側面の削られ具合が進行しているのがわかります。

一年に2~3度ある増水で、流路が変わったりして、土砂や石ころの堆積する場所が変わっていきます。

 

【C6化石木】 南側から撮影

これも形状からしてメタセコイアの立木化石と思われます。

100万年前に大地に根を生やしていたこのメタセコイアは、その当時には川底ではなく地上にあったものですが、その後に土砂が堆積し、根っこが腐敗をまぬがれ炭化しました。

 

【C6化石木】 東側から撮影

その後の六甲変動の逆断層により現在の羽曳野丘陵側が隆起し石川周辺が沈降したため浸食されて、再びここに顔を出した奇跡の存在なのです!

 

【C8化石木】 西側から撮影

幅3m、縦1.5mに及ぶ以前にはこれだけ露出していなかった化石木。

最初は新たに出てきた化石木かと思いましたが、場所と以前の形状から判断して、C8化石木の露出が進んだものと思われます。

 

【C8化石木】 南側から撮影

倒木なのか立木化石なのか、判断できません。まだ地中に隠れている部分が多く、全体像が見えません。

 

【C8化石木】 東側から撮影

1年余り前よりさらに、周りの大阪層群が浸食され、さらに露出しています。

赤いのは大阪層群の酸化鉄粘土層、青っぽく見えるのは同じく還元鉄粘土層によるものと思われます。

 

化石木のある地点より下流を見ています。手前に丸みを帯びた大阪層群の露頭がみえます。

右に見えるのは、C4化石木。

 

上流から流されてきたと思われる花崗岩の巨石

筋が入っているところまでが、井堰ダムの水面です。冬場以外はここまで水に浸かっています。

 

青緑(還元鉄)の粘土層と赤茶(酸化鉄)の粘土層

形成された時に周りの環境で、酸素が少ない深い沼、湖や海底で堆積すると青緑粘土層に、浅い流れのある川や海で堆積すると赤茶粘土層になります。

 

チャコールの炭化層になっている粘土層にいくつかの丸い穴。

もしかして100万年前のアケボノゾウの足跡化石かも。クリーニングしてみないと分かりませんが、形状と大きさはぴったり似ています。

 

これは、お寺や墓地によくある宝珠みたいなものが上流から流されてきたのだと思います。

類似のものは以下の通り。

観心寺 河内長野市寺元

八尾市神立 八尾市神立一丁目14の地蔵脇

山の辺霊園 天理市柳本町

寳国寺 御所市室

 

【材化石5】

大阪層群の地層の中に炭化した材化石が見えます。

 

【材化石群】

ここも材化石が顔を出しています。どれくらいのものが地層に埋まっているかはよくわかりません。

 

【材化石群】

ここも材化石が顔を出しています。

立った状態で、年輪のような形状にも見えます。

 

【材化石群】

室(空洞)になっているようにも見えます。

 

【材化石群】

直立しているように見えますね。

 

【材化石6】

260mほど下流で見つかった材化石。

地層が12度ほど下流の方に下がっているので、下流ほど新しい地層ということになります。

 

今後も化石木が多く出現し、消失する富田林市錦織東と彼方(おちかた)地区の石川です。

場所は近鉄 滝谷不動駅から不動さんに参る道の途中の高橋の下流200mあたりです。

 

帰りにモズが鳴いていました。

関連記事:石川化石木・足跡化石(31)

撮影:2020年2月9日

2020年2月15日(HN:アブラコウモリH )

 


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