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〈リバイバル・アーカイブス〉茅原の大とんど

2017年01月18日 | 歴史

〈リバイバル・アーカイブス〉2022.1.3.~1.17

原本:2017年1月18日

 2017.1.14.20:29 奈良県御所市茅原(ちはら) 吉祥草寺で行われる 『茅原大とんど(左義長)』

*左義長(さぎちょう)とは、とは、小正月(1月15日)に行われる火祭り(1月14日の夜か1月15日の朝に行われる。)の行事。

地元の茅原地区と玉手地区の皆さんにより奉納された高さ6m、重さ700kgの大松明(たいまつ)です。

 

 20:31 燃え盛る1対の松明

 左が「雄松明」で右が「雌松明」。雄雌があるのは、陽と陰、陰陽道(おんみょうどう)に由来する行事だかららしい。

陰と陽の区別なく、世界全体を供養するという意味合いから来たようです。

燃え盛る炎に、家内安全、五穀豊穣、無病息災を願います。

 

 20:49 「火」文字の形をした「火」

松明が燃え崩れ、火の勢いが収まってくると終了の合図がだされ、お詣りされた多く方々は両松明の間をぬけて身を清め、家路に着きます。

収まったといえども、火の粉が降り注ぎ、焼けるように熱い!

 


 

 本堂にある「炎」の掛け軸

文字通り「炎」の祭礼、大とんど法要(左義長大法会)は、奈良県の無形民俗文化財に指定され、1300年の伝統を誇ります。

 

 本堂内にある本尊、「五大明王像」のうち、正面「不動明王坐像」

本山修験宗 大本山 茅原山 吉祥草寺は、白鳳時代の創建と伝わる古刹です。この場所は、修験道の開祖「役行者(役小角)」の生誕の地と云われ、役小角が修行を重ねた葛城山系からも程近く、今なお修験道の聖地とされています。

かつては、広大な境内に49寺院を整え隆盛を極めましたが、南北朝時代の兵火でことごとく焼失しました。

 

 左脇の明王さま

元旦から続いている修正会(しゅうしょうえ)の結願法要の最後が、この大とんど法要になります。

 修正会とは、寺院において毎年1月に行われる法会で、前年を反省して悪を正し、新年の国家安泰、五穀豊穣などを祈願します。

 

右脇の明王さま

茅原の大とんど法要は、吉祥草寺と茅原・玉手の両大字によって、毎年、1月14日の小正月の前の日の晩に行なわれ、五穀豊穣・厄除・修験道の悪霊払いなどを祈願します。

 

 本堂内にある本尊、「五大明王像」 五仏も明王さまが揃うと、圧巻ですね。

 

 石刻大三鈷杵(さんこしょ) 本堂内に飾られています。

 三鈷杵とは密教法具の一種の、金剛杵の1つです。
 金剛杵とは、煩悩を滅ぼして菩提心(悟りを求める心)を表す様を、古代インドの短剣状の武器ヴァジュラにたとえて法具としたものです。つまり、あらゆる煩悩を打ち破る心を表すそうです。元々はインドの武器であったものが、法具に転じたものだそうです。

 

【 作者イメージ】 怖いお顔と鋭い眼光は、意志の強さの現れ、一切の人々を救うまでここを動かじ。

 

 大法螺(ほら)貝

今日参加されている行者の皆さんが、法要の時に吹き鳴らしておられました。(この法螺を鳴らしていたわけではありません。)

 

 【作者イメージ】 役の行者さま 厄も病も退散!

 


 

 18:50 点火まで1時間半前 南側から見たところ

上部に飛び出した部分があるのが「雄松明」(西側・左)、それが無くてやや小さめのものが「雌松明」(東側・右)と呼ばれます。

 

 19:12  東側から見たところ 

まだ境内はまばらです。この日は西高東低の冬型の気圧配置で、日本海・北海道方面で大雪になっていました。ここは雪は降りませんでしたが、超強風が吹きすさんでおり、どんど法要が実施されるのか心配したくらいです。

松明のまわりに竹のつっかい棒がありますが、点火する前にははずされます。

 

 19:21 大とんど法要は、20時から始まりますが、両松明に点火するのは20:30頃になります。20:00過ぎ、玉手地区と茅原地区の代表の方たちが提灯を掲げて行列を組んで入ってこられます。


 

 とんどを見るビューポイントは、

①本堂向かって左の観音堂、(この写真のアングルになります。)少し1時間くらい早く来て陣取れは、縁側に座れます。本殿を背景に両松明が近い位置で見れ、ここならよほどのことがない限り、風下になって火の粉を浴びることもないです。しかも、燃えている間は、熱いくらいに暖かい!

②離れて山門の裏側で見る。(3つ前の写真のポジションです。)全体が見渡せて進行がよくわかります。うしろが山門なので、脚立をたてるとか、手を伸ばして写真をとっても、ほかの方に迷惑をかけることがありません。できれば、少し大きめの三脚で、高い位置で立体的に撮ることができます。

③いっそ近づいて、ローアングルから撮る方法。(一番最初の写真)迫力のある写真が撮れます。

難点:なにしろ熱い。5分と居られないです。防寒具の表面が、溶けるように熱いです。火の粉が舞って飛んでくるので、体でそれを避けながら見る勇気のある方はどうぞ。火の粉が目に入るとえらいことになるので、眼鏡やゴーグルが必要です。くれぐれも服は穴が開いてもいい服でお願いします。

写真を撮る方は、これらを複合してとると、変化のある写真が撮れると思います。

☆注意:危ないので、くれぐれも風下にはいかないようにしてください。風は北・北西・西(ごくまれに西南西)から吹きます。

つまり、本堂に向かって左→右または、本堂側→山門側から吹くことが多いようです。


 20:01 法螺貝を鳴らしながら山門に向かう行者さんと、続いて入られる玉手・茅原地区の方々。

 

 20:08  本堂前で、手打ち式を行った後、地区の代表の方に寺から感謝の意を込めて護符をお渡しする式を行い、僧侶と行者の方たちとで般若心経五巻を読経すると、いよいよ、大とんどの始まりです。

 

 20:15 点火の前に風向きを読んでおく必要があります。風下で見物すると、煙と火の粉で見物どころではなくなります。

ダウンジャケットに穴が開いたりしますので、穴が開いても良い服装で!

私はジャンパーをあらかじめ裏返しに来て、さらに景品でもらったウインドブレーカーを着て出かけました。

 

 20:24 玉手区の行司(笠を付けて、羽織・袴の方)という役の人が務めます。行司役の人は、長い松明を持って本堂に入り、灯明から火を受けた後、境内に据えられた雌雄2つの大松明の間を回ります。

2回ほど回った後、松明に火を点けます。点火は雄松明からというのが習わしで、点火をする場所も、その年の恵方の方角(今年は北北西)と決まっています。雄松明が燃え出せば、続いて雌松明も同様に点火します。

 

 20:25 行司が両松明をまわっているところ。2~3、回まわられたと思います。

 

 20:25 行司がことしの出来具合を吟味しているとも言います。

 

 20:26 雄松明から、ことしの恵方、北北西より点火。あらかじめ調べておけば、いい写真が撮れます。

 

 20:27 1分経過。あっという間に燃え広がりました。続いて、雌松明にも点火。当てるだけで燃え広がりました。

 

 20:27 強風にあおられて、火の粉を散らしながら、高く炎が立ち上ります。

雨の後などは、なかなか燃え広がらないこともあるようです。

 

20:28 まわりも真っ赤に照らし出されました。

 

 20:30 光と熱で、皆さん沈黙です。

 

 20:35 あっという間に火に包まれました。 点火して約10分。

 

 20:38 火の粉が夜空を焦がします。

 

20:37  とんどの火に見入る参拝者の方々。火からは30m程はなれていますが、顔が焼けるように熱いです。東・東南側の風下は、火の粉と煙に包まれます。

 

20:49  まだ燃え尽き ないうちに、行事を執り行った玉手・茅原地区の代表により、終了宣言がなされます。すると、お詣りされた多くの方々は両松明の間をぬけて身を清め、家路に着きます。

 

 20:52 一部の方は、残り火を火縄に移して持ち帰ります。消えないよう、「おけらまいり」みたいにくるくる回して、仏壇や神棚の火や炊事・ストーブの火などに使うそうです。昔はこれで翌朝、小正月の小豆粥を炊いたそうですが、今はほとんどされていないようです。

なお、縄に火をつけるのは、地区の担当の方がされています。とても危険につき、勝手には「とんど」には近づけませんので、念のため。

 

21:11 お疲れ様です。 地元の警察署や消防団・消防署の方がたくさん安全・警備に当たっておられました。消防の方はこの後、燃え尽きるまで、警戒されるそうです。

 

21:18 門前の道路には、多くの出店が出て、にぎやかでした。

       

2017.1月18日 (HN:アブラコウモリH )

 


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