遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

誤解されそうな話

2007-06-14 09:03:44 | Weblog
大変体格の良い男性の故人様の湯灌に行きました。


とてもオシャレな方だったらしく
普通は病院の浴衣などを着ている場合が多いのですが
故人様はご自身の浴衣と帯をされて
きちんと上方もなでつけれられていました。

ただ“体格が良い”ので故人様のお体をご移動するのがかなり大変で
湯灌の浴槽とお布団への移動に手こずっていると
ご親族の男性の方々が
「手伝ってやるよ」と
気さくにお声を掛けて頂きとても助かりました。


湯灌が終わりお着せ替えに用意されていた服は
シャツとベストとアスコットタイ
ちょっとしたお出かけ時にアスコットタイを普段からつけていたのかもしれません。
ご納棺の品物には
 油絵のエプロンと筆
 今チョット流行っている“数読”の本
 ジャイアンツの応援の旗
ご納棺の品物を入れている時なんだか皆さんとても楽しそうでした。
そして
海軍にいた時の帽子と日の丸の国旗

「この国旗は棺の上に掛けたいんですけど」とご家族がご希望されました。
普通お棺の上には“棺掛”という金糸で色鮮やかに刺繍された覆いを掛けます。
一説によると、お坊さんが着ている“袈裟”に似たててたもの だそうです。
ですがこちらのご葬家は国旗を掛けたいご希望があるので
「どうぞどうぞ」という気持ちでいたのですが
ご葬家はなんだかちょっとテレ気味というか恥ずかしがって
「これは、海軍の時の…海軍の…」とポソポソしゃべり
半分に折ってかけていました。
「全部開いたら」と他のご親族は言いましたが
「なんか、ちょっと右翼っぽいような。。。」とそのままにされました。


たしかに、あまりにも大判でお棺を覆ってしまいそうな国旗は派手で
見ようによってはソレっぽくもありました。
たぶん「よくわからない人に誤解されちゃったらどうしよう、でも掛けたい」
という思いだったのでしょう。
なんだか微笑ましい気持ちになりました。
 着たい洋服
 趣味のお道具
 お仕事への誇りが詰まった品物
参列される会葬者の方はたぶん「故人様らしい」と思われる事と思います。
きっと良いお葬儀ができるだろうなと感じました。

3 コメント

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日章旗 (しっぽ)
2007-06-14 22:04:35
日章旗(海軍旗)なら
問題無いのにね。今更無いか?
日の丸に
帯びの出てるやつね。
故人は、80歳前後かな 


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Unknown (加藤)
2007-06-19 21:22:35
こんばんは。湯灌のアルバイトがしたいと思っているのですが、学生(高校生)は無理ですかね??   失礼な事聞いてすみません。。
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Unknown (M)
2007-06-20 11:38:15
国旗って何処の家にでもある訳じゃないから、勘違いされそうな気持ちは分かるなぁw
私も最期の時が来たら…好きだった物を棺の中に沢山入れてもらいたいな。
棺には思い出のある写真をぺたぺた貼り付けて欲しい(ホワイトボード代わりのように)
あ、でも一緒に写ってる人が嫌がるかしら~(汗)
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