遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

トコロ違えば…という話

2007-10-14 10:29:05 | Weblog
最近湯灌部に新人さんが入りました。
この仕事で「経験者です」と言って入社される人はほぼ皆無です。
新人さんの驚きはまだまだ“一般の人の目線”なので
逆に「そういう風に感じるんだぁ」なんて感心したり勉強になったりもします。

ある日新人さんから
「こういう湯灌とか納棺とかって普通の人は幾らでできるんですか?」との質問
首都圏だけでも湯灌業者は何社もあり、それを販売してくれる葬儀屋さんも沢山あるので
だいたい~~幾らくらい?としか返答できません。
「でもご遺体の処置も湯灌も着せ替えも納棺も一式してくれてその金額ですよね?
だったらその方が簡単で良いかも!」と新人さん。

新人さんには田舎のご親戚の慶弔のお手伝いをする機会が大変多く
その度に大変な思いをしてきました!と彼女は言います。
誰かが亡くなると“となり組”となるご近所さんがお手伝いに参上してくれて
「私がお供えの枕ダンゴ!」
「うちが湯灌!」
「うちが納棺!!」
「俺が祭壇!!!」と大変積極的にお手伝いに参戦?してくれるとか。
すごい時は枕ダンゴがそれぞれから持ち寄られ3組も出来上がったこともあったとか。
そして通夜の夜に親族で「誰さんが何をしてくれたから¥~~円通夜返しに包まなければ!」と
その功労に対する御礼の金額を間違えたら大変!とのこと。
そのうちに、寝る間もなくて通夜振る舞いを手伝う女性なんかはよく倒れる、とか。

彼女のご親戚の住む地域のとなり組への御礼の金額にビックリはしましたが、それでも葬儀社に支払う総額に比べたらお得ではあります。
こちらがしてもらったら、いつかはお返しのお手伝いに伺う日もくる。
何といっても「ご近所付き合い」というものがあるでしょうから好意は受けるべきなのでしょう。
ただ新人さんいわく「忙しくて故人のために悲しんでいる暇がない」ということ。
葬儀業者さんにまかせっきりじゃないので身内はやる事が沢山あり
涙を流せる瞬間は火葬場でのほんの一瞬だけ・・・。

それでもとなり組同士で手作りの葬儀というものは大変であっても多少¥お得でもあり
「みんなで故人を送り出した」という達成感や連帯力が味わえるという。
専門業者に依頼し「サービスを買う」ということは
ある程度決められた中での動きでタイムスケジュールに追われることもあるが
「故人との時間を買う」事は出来ます。
もし皆さんが葬儀のしきたりを全てできたとしたら、方法は選ぶことが出来ます。
どうされますか?








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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-10-14 11:32:04
シンパも同時にいなくなったな、このブログw
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Unknown (Unknown)
2007-10-15 01:52:05
私の実家も田舎だったので基本的に一連の事は身内でやっていました。

確かに本当に忙しくて悲しむ暇は全くありませんでした。



でもそのぶん家族の死を素直に受け入れられ、死の悲しみのあまり立ち直れないということもありませんでした。



核家族化している都会ではなかなか難しいかもしれませんが、やはり親族の繋がりの強い田舎では家族での送り出しも良いのでは無いかと思います。
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なるほど (爺様)
2007-10-15 20:08:55
 ある意味納得しました。
 時間を買うと思えばね。
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Unknown (Unknown)
2007-10-18 20:54:53
うちの実家も10年くらいまでは全て身内やご近所でやってましたが、イナカなもんで若者は出て行ってしまい高齢化が進み人口も減って、今では通夜ふるまいなど手のかかる部分だけは業者に依存しています。
この先そんなふうに、基本的には地域でやるという中で一部分だけは専門業者に委託するような形が増えるのかもしれませんね。

そうなると業者の需要も増え、福祉の専門学校やホテルサービスの専門学校がふえてきたのと同じように、葬儀関係の専門学校なんかもできて、将来的には「専門学校卒です」という新人が増えるかもですね。
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お疲れさまです (ミホ)
2007-10-20 01:14:06
いつも拝見しております。

いろんな意見が飛びかうこともありますが、私はこちらのブログや、隊長のブログで初めてこのようなお仕事の内容を知りました。



数年前祖父の葬儀があった時も私はまだ15才で、納棺までのこともよくわからないままでした。



賛否両論さまざまあるようですが、知らないことをここでは知ることができるし、それは大切なことのような気がするので、これからも続けてほしいです。



いつもお仕事お疲れさまです。

気温の変化の激しい季節ですので、カゼなどに気を付けてくださいね。
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Unknown (よーこ)
2007-10-20 04:54:18
私も父を8月に亡くしました。
遠く離れて弟と暮らしていた父は入院一週間で旅立ちました。

肺気腫が悪化して亡くなったんですが 弟によれば口を開きそれは苦しそうな恐い顔での最期であったみたいです。
しかし、翌日駆けつけた私が対面した父は 眉間に皺こそあるものの 安らかに眠っている顔でした。
「うるさいなあ 目が覚めてしまうがな」っていう顔で、 「静かにせえ!」って起きてくるんじゃないかと…   ひょっとしたらコチラでお世話になったかもしれませんね。 
綺麗な父の顔が見れて良かったです。
プロのテクニックなんですね。
感激しました。

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