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スピルバーグと映画大好き人間、この指とまれ!

カフェには、映画が抜群に良く似合います。
大好きなスピルバーグとカフェ、アメリカ映画中心の映画エッセイ、
身辺雑記。

「レイダース失われたアーク」

2008-02-14 05:27:00 | わたしのスピルバーグ監督作品感想集!

「レイダース失われたアーク」(1981

 

監督スピルバーグ(「ジョーズ」)、製作ジョージ・ルーカス(「スター・ウォーズ」)主演ハリソン・フォードこれは、映画ファン夢のゴールデントリオの誕生映画。共演カレン・アレン

 原案は、ルーカスと「アメリカン・グラフィテイ」のフィリップ・カウフマン。脚本は、「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」を担当したローレンス・カスダンで監督した作品に「白いドレスの女」「わが街」がある。撮影は、大ベテランのダグラス・スローカムがあたった。彼は、元ジャーナリストで1940年代から映画の仕事を始め「冬のライオン」や「ジーザス・クライスト・スーパースター」、「ジュリア」などが代表作にありイギリスを代表するカメラマンである。美術には、「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」のノーマン・レイノルズがあたりロケ地を探しセットをつくった。

 007シリーズやヒッチコックの作品のように世界各国の異国情緒あふれる文化、風土を1930年代を舞台に大いに感じさせ楽しませてくれる作品。ペルーから始まりネパール、カイロ、ドイツへとインディの旅が展開される。

ハリソン・フォードは、スター・ウォーズと違って渋さに加えて陽気さを出していたようだし、相手役のカレン・アレンの男勝りの演技が良かった。

 

 絶対的な神の力を持つといわれるアークを探し世界征服を企むナチス・ドイツの手に入らないように指令を政府から受けてアメリカの考古学者であるインディは、手がかりを求めてネパールへ飛ぶ。そこでは、かつての恋人マリオンと再会するが、その直後にマリオンがナチに命を狙われる。そこは、マリオンが経営している酒場。暖炉の炎が燃え盛るなか壁に帽子を被った人影がうつる。インディである。この登場シーンがいきである。再会をマリオンと果たすインディだったが手がかりとなる情報は得られずすぐに店から締め出される。入れ代わりに入ってきたのがナチの一味。彼らもアークのありかを探そうとやってきたがマリオンから拒否されると彼女を捕まえその中の1人ナチのエージェントのトトが、強引にありかを白状させようと木の棒の上に暖炉の火をつけマリオンの顔に近つ゛けた。まさにその時、インディからの鞭がはなたれる。すると、火がついた木の棒は、中を飛び近くのカーテンに落下しカーテンに火がつく。インディ、「彼女を放せ、さもないと撃つぞ」と銃を向ける。ここのインディの銃の持ち方、構え方、相手を見る目線は西部劇のヒーローのようにこの上なくかっこいい。そこから銃撃戦が始まる。酒場のカウンターにあるウィスキーをインディが撃つ。それがもとで酒場は大火災となりやがて木っ端微塵になる。インディとマリオンは脱出する。

 カイロの魂の井戸のシーンでは、ナチス側のアーク発掘隊は、フランス人の考古学者であるベロックを味方につけて砂漠でアークのある埋蔵場所を探し始めていた。インディは後手にまわっていたがその場所をつきとめる。その発見過程が面白い。マリオンが持っていたメダルをヒントにインディが三脚付小型望遠鏡を駆使してアークのある場所を探すシーンのカメラワークが素晴らしい。望遠鏡が私たち観ている側の視線になっている。そして、魂の井戸の中にインディが侵入しアークを探す。この時必要なものは、井戸の外から降り注ぐ太陽の光、長い棒の柄の先についた水晶のようなガラス球である。太陽の光に長い棒の先についたガラス球をあてる。それも決まった時刻に。すると、アークのある場所が光で照らされる。このアイデアを映像化したスピルバーグが上手い。太陽の光は、まさしく映画的であるし冒頭でインディが勤めている大学の講堂で考古学の書物を参考に黒板に図式化しているのでわかりやすい。

 砂漠の追跡のシーン。ここのアクションシーンは、この映画のなかでも一番の見せ所である。インディが仲間らと発見したアークはその後、すぐにドイツ軍が奪う。そこでインディが白馬にまたがって軍用トラックを追跡。砂漠でアークを積んだトラックを乗っ取りアークを奪い返すこのシーンは、ジョン・ウィリアムズの心憎いばかりのカッコイイ曲をバックに展開される。「乗り物はどうする?」という友人のサラーがきくと、インディは「何か見つけるさ」と楽天的。そこで映像が変る。白馬をどこからか調達してドイツ軍を追う。ここからは、カメラワーク、編集、ジョンの音楽、そして、インディ扮するハリソン・フォードの演技の素晴らしさが堪能できる。ドイツ軍が前を走ってゆく、インディがそれを追う映像が映しだされる。ドイツ軍とインディを同時並行でとらえるカメラ。大きな崖までインディがくる。カメラは、俯瞰でドイツ軍をとらえる。インディが崖を降りる。インディが追う。近距離になるとインディが馬から飛び降りトラックに乗り移る。運転手を外へ放り出しトラックを奪うインディ。だが、今度はドイツ軍の後続トラックから次ぎ次とインディが乗っているトラックのボンネットに飛び移ってくる。この時、インディはサイドミラーを通して彼らが運転席に向かってくるのを察知する。そこで、振り落とそうとトラックを左右に走らせる。ボンネットから落ちるドイツ軍。今度は、後ろにいたドイツ軍のトラックが猛スピードを上げてインディのトラックに並行して走ってきた。インディは車体を隣にやってきたドイツ軍のトラックに衝突させて崖から落とす。ところが、残っていた1人のドイツ軍が運転席までやってくる。インディは、車のスピードを上げる。ドイツ軍の被っている帽子が風圧で飛ぶ。やがて、ドイツ軍が銃を片手に持ってインディを運転席の外から撃つ。インディ、腕に負傷を負う。今度はドイツ軍が運転席に乗り込み、インディはトラックのフロントガラスに投げつけられトラックの前にへばりつく。その後の展開は、「スピルバーグのアクション」のところで申し上げた横移動撮影を駆使してインディがこのドイツ軍を倒しアークを奪い返す。

 スピルバーグが尊敬するジョン・フォード監督の演出を手本にした冒険活劇の復活。明るい太陽の光が燦々と輝くイメージ。「1941」の興業的失敗をはねかえし大ヒットをとばした。また、インディ・ジョーンズシリーズの中で一番完成度が高い。ヒロイン像は、これまた尊敬するハワード・ホークス監督作品のキャラへのオマージュであり、ハワード・ホークス監督タッチは、このシリーズの基本である。



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