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スピルバーグと映画大好き人間、この指とまれ!

カフェには、映画が抜群に良く似合います。
大好きなスピルバーグとカフェ、アメリカ映画中心の映画エッセイ、
身辺雑記。

「フック」

2008-02-23 05:44:08 | わたしのスピルバーグ監督作品感想集!

「フック」(1991

   ピーター・パンの後日談。ディズニー・アニメの名作「ピーター・パン」の実写版の映画で、しかも、家庭を持った中年の父親という設定であり興味をそそる。

 脚本は、ジム・v・マートとマリア・スコッチ・マーモが担当。撮影は、シャープでスピーディーな映像で有名なディーン・カンディが担当している。彼は、特にSFやホラー映画で印象的な仕事している。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズや「ハロウィン」「ザ・フォッグ」「ニューヨーク1997」「遊星からの物体X」「ゴースト・バスターズ」などである。

 美術は、「未来世紀ブラジル」を手がけたノーマン・ガーウッド。衣装は、3度のオスカーに輝く名デザイナーのアンソニー・パウェルが担当した。

 演ずるは、ロビン・ウィリアムス。ピーターは40歳になるアメリカ人弁護士。猛烈仕事人間である彼は、家では子供たち、妻からも嫌われている。ピーターの過去は、乳飲み子の頃に親とはぐれ、ジュリア・ロバーツ演ずるテインカーベルに救われウェンディたちとネバーランドでの大冒険をして大人になることを避け続けてきたがウェンディの孫モイラと結婚、過去を忘れてしまい年齢を重ねて今に至っている。ところが、ある日ダスティン・ホフマン演じる宿敵フック船長が、ピーターの子供2人をネバーランドへ連れ去ってしまう。そこで、子供を取り戻すにはピーターが子供の心を持った大人に変身しなくてならなくなる。

 スピルバーグが44歳の時の作品。そして、この作品は父、母、息子、娘という典型的な家族構成の一家の家族を初めて本格的に描いている。

 父親が子供といっしょになって楽しめる映画として定期的に見たい作品の一つ。それと同時に再度ディズニー・アニメの名作「ピーター・パン」も見たくなる相乗効果を持った作品である。

 特にピーターの妻が「子供が子供でいるのは短い。その大事な時を仕事の忙しさで通りすぎてしまうのは残念」と言っているが自分が父親となった今、教本のように感じられる。

 セットは、かつてのMGMの「風と共に去りぬ」「オズの魔法使い」が製作された歴史的スタジオに建てられた。現在はソニー・ピクチャーズ・スタジオになっている。

 そこにネバーランド、巨大海賊船ジョリー・ロジャー号をつくり海賊映画の名作「シー・ホーク」のような剣を使ったアクションが展開されるシーンが素晴らしい。そのアクションは、バレエダンサーのようにリズミカルに、バックにはジョンの音楽が流れる。

 彼の好きな作曲家コンコルドの「海賊ブラッド」「シー・ホーク」、特に「ロビンフッドの冒険」のような冒険活劇の曲が場面を盛り上げる。ビクター・フレミング、マイケル・カーティス監督が好きなスピルバーグらしい。また、そのジョンの音楽は、最後の方でウェンデイの家が映し出されピーター家の召使であり執事格のトゥートルズがテインカーベルに魔法をかけられ2階の窓から空へ金粉を撒きながらロンドン上空を飛び続け有名な時計塔までくるとピーター・パンのフライング・テーマが流れ、「監督スティーブン・スピルバーグ」とエンドクレジットが出る。このシーンにかかる音楽も印象に残る。

 しかし、スピルバーグ初のほぼ全編を大規模なセット撮影でつくった意欲作であったが、彼は映像派の監督である。セット撮影を多用するよりもやはりロケ地での屋外撮影をしたほうがダイナミックな映像がもっと楽しめたような気がして残念。しかし、ロビン・ウィリアムス、ダスティン・ホフマン、ジュリア・ロバーツという豪華なキャストは今見てもわくわくするが、その中でもロビン・ウィリアムスは、コメディ役者からスタートとしているだけあって容姿からいっても中年の草臥れた腹の出たピーター・パンは適役だった。

 大人を子供心に帰してくれる純粋な意味でのファンタジー映画の最後の作品。また、演出面におけるディズニー映画の影響力の決別。しかし、プロデューサーとしてのスピルバーグは、エンターティナーとしてのウォルト・ディズニーの尊敬の念は変らない。



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1 コメント

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ごめんなさい! (三浦忠夫様)
2011-03-01 23:19:04
コメントを誤って削除してしまいました。三浦忠夫様のブログには、コメントを書きました。
ご確認下さい。
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