ずいぶん時間が、たってしまいましたが、昨年の12月始めに「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」を家
族全員で見ました。皆、出来には満足していたようですが、一番喜んだのは、やはり父親である私でした。
「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」に近いのりで見れたので、出来栄えには大変、満足しています。
スピルバーグ監督作品としては、2000年代に公開した中では、ベスト1という気がしました。
フルデジタル3D(実写とアニメ)パフォーマンス・キャプチャー。驚くべきは、今回撮影監督の名前がありませ
ん。
そのわけは、何とカメラの操作はすべてスピルバーグ自身がやったのです。びっくりです。しかし、名人芸でし
た。
驚くべきカメラワーク、シーンのつなぎ、編集のテンポは完璧でした。
スピルバーグは、言っています。「これは、80年代のインディ・ジョーンズシリーズ、90年代のジュラシック・パ
ークシリーズ以来の私の新しい冒険の始まりだ」。
メッセージは、「希望と勇気」。この象徴としてでてくるハドック船長のセリフ「タンタン、何よりも挫けないことだ
。もし、守るべきものがあれば戦え。壁にぶつかったらぶっ壊して進め。失敗から学ぶべきことは数多くある。」
インディの世界を受け継ぐもの。スピルバーグのアクション演出の素晴らしさ。スピード感がある。「アラビアの
ロレンス」、ヒッチコック監督作品へのオマージュ。
オープニングから「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の冒頭を彷彿させる演出が、うまくすんなりタンタンの冒
険ミステリーの世界に入っていくことが出来ました。
その後は、ウイリアムズの「ファルコンを追え」のアクションスコアが流れる中バグハルの街での派手な追跡
劇(電線にぶら下がるタンタンのアクション。バイクに乗ったタンタン、スノーウィー、ハドック船長。戦車が迫っ
てくる中ハドック船長が、大砲をぶっ放す。そのシーンでのバイクのバックミラーの演出)。ここは、全編の中で
も一番手に汗握るアクションシーンで大好きです。
また、脚本も素晴らしいと思います。ハドック船長とサッカリの対決を軸に各々祖先であるフランソワ・ド・アド
ックとレッド・ラッカムの宿命の対決もオーバラップさせていましたね。
ユニコーン号の煌びやかな豪華なデザインも気に入りました。
残念ながら日本での興業成績は、「怪物くん」や「ミッション・インポシブル4」におされ大ヒットと言われるほど
の成績をあげる事が出来なかったのが、残念でした。「タンタン」の話は日本人にとっては、今一つ馴みが無
かったのが原因でしょうか。アメリカやヨーロッパでは、評判が良くヒットしているというのに。
しかし、ゴールデン・グローブ賞では、アニメ部門で見事に作品賞を獲得できたので良かった。ちゃんと評価
されて良かった。ちなみにアカデミー賞では、ウイリアムズの作曲賞がノミネートされていたのも慰めとなっ
た。
ところで、嬉しいニュースが飛び込んできました。何と4月16日に早くも「タンタンの冒険/ユニコーン号の
秘密」が、DVD発売されます。発売日に絶対に買って家族全員でまた、細かい部分も含めてじっくり何度も繰
り返し見て楽しみスピルバーグの切れのある演出を堪能したいです。