スピルバーグ監督の次回作、「ウォー・ホース」に決定！

　スピルバーグ監督の次回監督作が、決定しました。この間紆余曲折がありましたが、「ウォー・ホース」です。全米公開は、来年の8月11日です。この作品は、「太陽の帝国」以来の少年が、主人公の映画です。しかも、製作がウォルト・ディズニー・ピクチャーなので家族みんなで楽しめる作品になる予感がします。

　原作は、チルドレンズ・ブック賞など数々の賞を受賞しているイギリスの小説家マイケル・モーパーゴの１９８２年に刊行されたものとのこと。この年は、思い返すと「Ｅ．Ｔ．」が公開されましたね。イギリスの農村地帯で暮らしていた少年と馬のジョーイが、第一次世界大戦が始まったことでジョーイは、軍用馬として売られてしまい、二人は離れ離れになってしまう。ここらあたりは、『戦争、引き裂かれた者どうしが再開する』などのスピルバーグらしいキーワードが感じられます。ジョーイのことを心配した少年は、兵士となり愛馬を探す感動的な話です。

　この原作は、イギリスで舞台化もされスピルバーグは、ロンドンで見たとのこと。映画の脚本は、「ブリジット・ジョーンズの日記」のリチャード・カーティスと「リトル・ダンサー」のリー・ホール。「リトル・ダンサー」は、スピルバーグ監督作でこれまた来年公開される「タンタンの冒険　ユニコーン号の謎」でタンタン役を演じているジェイミー・ベルが主役を演じていました。製作は、スピルバーグとフランク・マーシャル、キャスリン・ケネディ、レベル・ゲストです。

　ところで、「Ｅ．Ｔ．」の脚本家は、メリッサ・マティスンという女性でコッポラのプロデュースによる「少年の黒い馬」、「マジック・ボーイ」で認めらた人物であり少年を主人公にした題材が得意であった。「Ｅ．Ｔ．」のときは、スピルバーグの原案を基に脚本を書きました。それにスピルバーグの少年を演出させたら世界一上手いテクニックが加わり「Ｅ．Ｔ．」は世界中で大ヒットとなりました。

　偶然でしょうが、スピルバーグは、メリッサ・マティスンの「少年の黒い馬」の脚本が気に入り「Ｅ．Ｔ．」の起用を決めた。今回の、「ウォー・ホース」は、少年と軍用馬の心温まる交流を描いたものです。ここに共通項があると思います。それは、スピルバーグが、動物の中でも特に『馬』に愛着があり、『少年時代』が好きなことです。スピルバーグが、「ウォー・ホース」を映画化した動機もここですよ。

　いずれにしても、スピルバーグは少年を扱うのが上手い監督です。脚本の大部分が、感情に訴えるものであれば「Ｅ．Ｔ．」のように大ヒットすることをひそかに期待しています。