9.11について

2001年の9.11事件や、その他色々な感想、思い、などを書いていけたらなと、思っています。

9.11について  天野統康 著 <詐欺 経済学原論> 2016年4月

2017年06月11日 | 日記
とあるスナックで

コー
この本の P-65

欧州で紙幣という通貨が発生したのは次のような経過である。通貨とは市場で販売している商品と交換できる能力を持つ交換券、つまり購買力である。紙幣という紙切れが購買力を持ったのは商習慣からであった。欧州の紙幣の起源は13世紀頃に中世イタリアの両替商が遠隔地との大量の交易の決済のために振り出した為替手形である。その為替手形が金貨と同じく購買力を持った。

さらに時代が下がって、大西洋貿易などで貨幣経済が発展し始めた17世紀のイングランド(現在の英国)では、人々が金貨を安全なところに保管しておきたいというニーズが高まった。そこで普段から金を扱っている金細工師なら安全な金庫を持っているだろうと考え、金貨を預けるようになった。その時に金細工師はいつでも金貨を引き出せる証明書として預かり証を発行した。[コー注:始めのうちは、その証明を持っていけばいつでも金貨を引き出すことができたと思う。でもできなくなってくる訳だ。この先に書いてある} その振り出した預かり証が市場で購買力を持ち始めた。このイングランドの銀行業の発達が、現代の中央銀行制度を作り、資本主義の金融システムの基本形になった。

ここで重要なのは、民間の銀行家が作り出した金の預かり証が、商品を購入することができる「購買力を持つ交換券}に発展したということだ。
欧州の紙幣は政府が作ったものではなく、民間の金融業者が振り出した手形や金の預かり証が起源なのだ。
今でも紙幣のことを政府券と言わずに「銀行券」と呼ぶのはそのためである。ここに現代の銀行業が通貨発行権を独占する資本主義が発生する。

さらに問題を複雑にしたのは、民間の銀行家が作り出した紙幣という購買力が、「詐欺」によってつくられたことにあった。


小林
さー、いよいよですね。なぜ「詐欺」という表現を使わなければいけないのか。

コー
あれ小林君来てたの。じゃ一緒に読んでいこう。 P-67

欧州で詐欺が購買力を作り出した経緯

ここから資本主義経済の購買力が、銀行家の詐欺によって作られた経緯を説明していく。

経済が発展し始めた17世紀のイングランドでは、金細工師がたくさんの金貨を預かるようになった。金細工師は、金貨を預かった時に保管料を受け取り、利益としていた。また預けた人がいつでも預けた金を金庫から引き出せるように、預かり証を発行した。その後、金細工師が発行する預かり証は、市場で購買力を持つようになっていった。預かり証が購買力をもった経緯は以下のとおりである。

通常、一般人が金細工師から金貨を借りて商売の取引をする時には以下のようにしていた。金貨を借りた側はその金貨を商売相手に渡し、商品を受け取る。金貨を受け取った側は、それをまた安全な保管場所を持っている金細工師に預ける。
この一連の取引行為をするのは面倒だし、金貨の移動があるのでなくしたり盗難されたりする危険もある。「金貨を交換するよりも預かり証を交換するほうが安全で便利である」と人々は思った。
こうして人々の間では市場で、預かり証と商品をとを交換するようになった。金貨の代わりとして預かり証は購買力をもつようになったのである。この結果、銀行が振り出した預かり証紙幣が誕生する。

この段階では、市場の購買力の量に変化はなく、金貨が預かり証に変化しただけだ。
まだ銀行家の詐欺は行われていない。

詐欺の第一段階 預かった金を勝手に貸し出し、購買力を創造

金細工師が詐欺によって購買力を作り出したのは次の段階に入ってからである。

金庫には多くの人々から預けられた膨大な金貨が保管されている。そこで金細工師は次のようなことを考えた。市場には金貨を貸してほしいというニーズはたくさんある。住宅の購入や、新規事業の立ち上げのように巨額の資金を必要とする場合、とても手元の資金だけでは足りないためだ。
金庫に保管されている多くの預金者が預けた膨大な金貨は「預金者が一斉に引き出しにかかることはない」ことを、金細工師は経験上知っている。それならば、大量にある金貨を金庫に眠らせておくのではなく、有効に活用するべきではないか。
そこで金細工師は保管しておかなければならない金貨を、誰にも知られずに「こっそりと貸し付けて利子を取ろう」と考え、貸し出してしまった。これは金貨を金庫に保管しておくという預金者との「契約違反」である。{コー注:この瞬間に詐欺罪が成立か}

何とこの詐欺行為が、市場の新たな購買力を作り出した!
購買力が増える理由は次のとおりだ。
金庫に保管されている金貨の量が、10億円だとしよう。代わりに振り出した預かり証も10億円である。金庫に保管されていなければならない金貨のうち、借り手には内緒で3億円をこっそりと金細工師が貸し出したとする。そうすると、金庫にある金貨は7億円と減少したが、市場の金貨は13億円に増加する。この行為によって市場で商品と交換できる購買力が10億円から、13億円に増加した。
13億円分の購買力を持った市場では、10億円の購買力しかない時よりも商品が多く売れるようになる。

これが銀行業が貸し出しすることによって、購買力を作り出した起源である。既にこの段階で現代社会の仕組みを理解する2つの要因が現れている。

* 銀行が貸し出しによって新たな通貨(購買力)を創造すること

* 一般には知られていない詐欺行為であったこと(21世紀でも未だに世間には通貨がどのように作られ、なくなるか理解させていない!)

これが詐欺によって購買力が作られた第一段階である。


小林
この段階では保管してある「金貨」を内緒で貸し出したということですね。そしてこの時に預けた人みんなが一斉に引き出しに来たら、金細工師は、預かった金を返せないんですね、なるほど。


コー
そしていよいよ、第二段階だ。今現在の銀行制度に直接つながる原型だと思う。
ところで小林君、ちょっと一息入れようや。

ママ、のどが渇いちゃったよ、ビールお願い。生、大ジョッキでね。


ママ
はーい、今すぐ持っていきますよ。
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