9.11について

2001年の9.11事件や、その他色々な感想、思い、などを書いていけたらなと、思っています。

9.11について  <世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由> 岩本砂弓 著 2012年4月 集英社

2018年05月04日 | 日記
とあるスナックで

小林
この人のこの本は、日本は簡単には財政破綻しないと、分かりやすく書かれていますね。カイル・バスもこの本を読んでいれば、よかったんでしょうか。  p-177

第7章 「日本国債暴落論」は間違っている

純債務国と純債権国の立場は全く違う

現在、私自身はディーラー業務からが足を洗い、こうして執筆活動に勤しんでいるわけですが、現場にいる頃には当たり前とされていたことが市場取引外の世界ではずいぶんと違った解釈をされていることに驚きを覚えます。その最たるものが、「日本の財政破綻」説でしょう。
日本国債は95%程度を日本人が保有(2011年12月末)しており、言わば家庭内で資金のやりとりをしているようなものです。親(国)が子供(国民)からお金を借りているような状況を指して、ディーリング・ルームではよく、「親子麻雀をしているようなもの」とたとえられていました。もちろん、親子の貸し借りだから問題がないというわけではありません。いったい親は子供から借りたお金を何に使っているのか、使い途に無駄はないのか。生活費と思って渡していたのに遊興費に変わっていた、などということがないように注視することは必要です。ただ、消費者金融(国外)からお金を借りている状況と家庭内(国内)での貸し借りでは話の次元が違うという認識です。

そして、日本の場合は親子間(国内)で貸し借りをしてもなお余剰資金があるので、それが恒常的に海外への貸出に回っている状態です。つまり、国家間で見れば日本のほうこそ対外的には消費者金融業者の立場であり、お金を貸した相手が資金を返さないならば耳を揃えて返すようにと強気に出られる状況でもあるわけです。貸す側と借りる側ではそれほどまでに立場が違うわけです。しかも日本国債の場合は自国通貨建て(=円)ですから、いざとなればお札が刷れる状況にあります。95%の保有率と円建てであることから「デフォルトは考えられない」と、当の財務省ですら2002年に外国格付け会社宛意見要旨で、はっきりと述べています。しかし、国家破綻の前提となるこれらの点が曖昧にされているので、どうやら日本国民のほとんどはすっかり誤解させられているようです。

債務国でなければデフォルトできない

基本中の基本の考え方として、「海外からの借金で成り立っている国」なのか、「自国内で収支を賄えている国なのか」で話は180度変わってきます。純債権国と純債務国では、かたや資金の貸し手であり、かたや資金の借り手の話なのですから、立場が逆である以上、話も別と考えてください。
これまで国家破綻あるいは現在その可能性を示唆されている国として、ロシア、アルゼンチン、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、などがあります。これらの国は国家予算における海外からの借金の比率が50%~70%を占める対外純債務国です。海外からの借金が返せなくなる、あるいはその可能性があるのではないかと思われた瞬間から、当該国の通貨は為替市場で売られます。その結果、急激な通貨安に見舞われ、海外からの投資資金があっという間に国外へと退散していきます。これまでデフォルト(債務不履行)を起こしたロシアでもアルゼンチンでも、財政赤字懸念から通貨安となるのは、財政赤字の大部分を、言わば海外の投資家に補填してもらっているからです。

例えば、米国の投資家が利回りがよいA国の債権を買っていたとしましょう。A国は税収が少ないため、米国の投資家からお金が入ってこないと公務員の給与も払えません。身近な生活では、ごみの収集などもできないかもしれません。しかし、いったんA国にお金を貸していられないような状況が生まれると、米国の投資家はA国の国債を直ちに売り、A国の通貨で受け取った資金を慌てて米ドルに戻すという作業をします。

実際にロシア通貨危機の際には、その直前までは多くのヘッジ・ファンドが円キャリートレードをしてロシアに投資をしていたのです。彼らはまず金利の安い円を調達して、(1)円売り、ドル買いをし、それから(2)ドル売り、ルーブル買いをして(3)ロシアに投資をしていましたので、ロシア危機が発生するとその逆のプロセス、(3)ロシア債権や株を売却ー>(2)ルーブル売り・ドル買いー>(1)ドル売り・円買い が発生したのです。
1998年の10月にわずか2日間で1ドル=130円台から111円台へと20円近くもの円高が進んだのは、ロシアから大慌てで投資資金が撤収されたためです。いかに突然、激変が起こるのかを、実感されることでしょう。
このようにロシアへの投資が国外からであればこそロシア国債が売られ、ロシア・ルーブルが急激に売られて通貨安となってしまったのです。こうなるとロシア・ルーブルを支える資金を誰も提供してくれませんので、ロシアは財政破綻してしまいました。これがロシア危機です。
海外からの借り入れもできず、お金は出ていくばかり。これでは借金で成り立っている国の経済は途端に立ちいかなくなります。ギリシャ危機の際にも投資資金がユーロから流出している、といった記事を目にされたかと思います。

しかし、日本の場合は・・・・・・。(つづく)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 9.11について  <衝撃... | トップ | 9.11について <世界恐... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事